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デンマーク留学 フォルケホイスコーレに魅了されたわけ

こんにちは はなまるです。
デンマーク留学、フォルケホイスコーレについて多く質問をいただくので、今回まとめることにしました。

留学先について

まず、そもそもはじめは、「海外での生活」が先行した夢だったので、行き先にはさほどこだわりがありませんでした。大学病院勤務時代に予約したのは、セブ&オーストラリアでした。選んだ理由は、なんとなく。海が好き、ゆったりとしていそう、ウルルに行きたい、自然とおしゃれな街並みどちらもある。ざっとこんな感じです。ただ、フリーランスナースになって、27歳になって、「いま、半年間海外留学をしてなにが得られるんだろうか」と、行くことよりも、帰国後に不安がありました。時間は有限だからこそ、日本にいるより有意義な時間を過ごさないと、と思っていたのかもしれないです。だからこそ、なにか学びたいテーマをもっていったほうがよいのでは…と漠然と感じていました。
看護師資格や看護師経験を無駄にするのはもったいないし、福祉などにも興味がありました。あとは、高校時代に人生こんなもんか…と思っていましたが、大学時代に、生きるって楽しい!とわくわくを知ったという自身の経験から、「できるだけ多くの人に、楽しく・しあわせな状態でいてほしい。無限の可能性を開花させてほしい。」という思いはずっとあります。また、中学生で職業を決め、社会人になってから、職業ではなく人生をどうしたいのかを考えるべきだったのか!と気づいたという経験から、教育そのものにも興味がありました。自身のネガティブな経験が、学びの意欲や大事な価値観になっていて、それが、ウェルビーイングやフォルケホイスコーレに結び付く気がしたんです。辛い経験は幸せになるために伏線とはまさにこのこと。まだ、実際には行っていないので、実際に現地でどのように感じるのかはわかりません。今後、何をしたくなるのかもわかりません。でも、なにかしらは得られると確信しています。そんな感じで、福祉、ウェルビーイング、フォルケホイスコーレ、このあたりに魅了され、デンマークに決めました。今回は、フォルケホイスコーレについて丁寧にお伝えしていきます。ほんとうに素敵なんです。


フォルケホイスコーレとは

フォルケホイスコーレについて、前回もすこしお伝えしましたが、詳しく説明していきます。ホイスコーレの発祥はデンマークですが、現在はデンマーク以外にも、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドなどで展開されています。また、北欧以外にも、成人教育という形をとった学校は世界に広がっており、デンマーク発祥のホイスコーレは教育現場に大きな影響を与えているようです。今回は、素敵だなと思ったところを5つのキーワードに分けてお伝えしますね。情報の集め方についてと、最後に自身の反省もかねて、注意点もお伝えします。

  1. じぶんとの出会い

  2. 他者評価ではなく、自己表現

  3. 対話型の学習

  4. ともに学び、ともに暮らす

  5. 低価格

じぶんとの出会い

フォルケホイスコーレは、デンマーク流民主主義の基盤を作る「国民学校」です。デンマーク国内に70前後あるフォルケホイスコーレは、17歳以上であれば誰でも入学することができます。大学に進む前に本当に興味のあることが何なのかを探したい人や、職種を変更し新しいことにチャレンジしたい人がフォルケホイスコーレに入学し、自分が学びたい教科を好きに選択して納得できるまで学びます。人生のどんな場面においても、自分を見つけ出すために人々が向かう場所がフォルケホイスコーレなのです。
日本社会で生きていると、自分の時間軸で、ゆっくり立ち止まって考える、ということがなかなか難しいかもしれません。転職も一般的になってきているとはいえ、20代前半で就職した会社で定年まで働く、という働き方が大多数を占めているのは変わらずな気がしますね。デンマークでは、仕事と学び、家庭、旅…を自分のタイミングで行き来することができ、高校を卒業しても、すぐに大学に進学する人は多くありません。そのため、大学を卒業する年齢も26〜29歳と、日本と比べると年齢が高くなっており、自分の人生について心ゆくまで考えてから、働き始めるのです。自分の人生を楽しんでいる大人が多い理由はこのあたりにあるのでは、と思っています。

他者評価ではなく、自己表現

入学試験はもちろんのこと、科目ごとの試験もなければ単位もなく、成績もありません。教科は、文学、歴史、心理学、環境、IT、コミュニケーション、教育、音楽、演劇、スポーツ、アウトドア、ダンス、絵画、写真、環境学、哲学、政治学、国際文化など多岐に渡り、学校によってフォーカスしている分野は様々です。しかし、「試験なし、成績なし」というルールは一貫しています。重要なのは、他人の評価ではなく本人が何を学び何に活かせるのか、という自己実現の心なのです。
逆に言うと、学位の取得や資格を取れるわけではないので、フォルケホイスコーレでの経験が直接、就職やキャリアアップに有利に働くとは言い難いです。学びも自主性に任されているため、何もかもがじぶん次第だと思います。

対話型の学習

フォルケホイスコーレでは、ディスカッション主体の授業形式が古くから用いられており、生徒はバラバラな意見を統合させる民主主義的解決の方法を自然に学びます。朝礼やリビンググループと呼ばれる生徒同士の集まりから、授業からうまれる様々なプロジェクトにいたるまで、常に他者との対話をとても大切にします。何かを決める場合には、言いたいことがある人がすべて意見を言い終えるまでその場が打ち切られることはまずありません。その場にいるすべての人たちが話し合いに参加できる雰囲気づくりの上手さはデンマーク人の特徴とも言えます。
先生も、その時の生徒の気質やアウトプットの内容によって、授業内容を変えていくそうです。天気のいい日は、外に出て授業をすることだってあります。そうして、日々「自分」を表現していくうちに、自分のやりたいこと、向いていること、社会との接点を見つめ直していけるのです。

ともに学び、ともに暮らす

フォルケホイスコーレは、全寮制の学校です。生徒だけでなく、先生も同じ学校の中に暮らし、年齢や国籍が異なる仲間として同じ時間を過ごします。学校生活を通じて「自分が何者であるのか」を知り、社会は多様な他者との関係で成り立っていることを体感していきます。その先に、自分が生きる社会にどのように関わっていきたいか、社会の構成員の1人として何ができるのかを考えるようになっていくのです。フォルケホイスコーレでの学びが基盤となり、1人ひとりの持つ個性が大切に育てられ、多種多様な個性が惜しみなく生かされる社会が作られます。

低価格

フォルケホイスコーレの留学費用は、1ヶ月10〜15万円程度です。
その中には、学費、寮費、食費、修学旅行費(別途請求のこともあり)が含まれています。その安さの秘密は、デンマーク政府から運営のための助成金が出ているからです。留学生でも対象となるのはありがたいです。北欧の物価の高さを考えると、破格の数字だと思います。


フォルケホイスコーレ情報の集め方

IFAS (アイファス)・フォルケホイスコーレ検索 (ifas-japan.com)
各フォルケホイスコーレのカリキュラムが掲載されたプラットフォームです。自分の興味や、公用語英語などで検索をかけることができるので、候補を絞り込むのにおすすめ。学校から許可をもらった情報を掲載しているためわりと正確ですが、詳細は各学校HPで確認するのがよいです。

フォルケホイスコーレコミュニティ | Facebook
フォルケホイスコーレの日本人卒業生が集まるfacebookグループです。気軽に質問を投稿できます。希望の学校に卒業生がいればリアルタイムの情報が手に入る。

danishfolkhighschools.com - デンマーク民俗高校
デンマーク文化省が公認している学校だけが掲載されているサイトです。対応言語はデンマーク語と英語だけですが、怪しい学校に引っかかることがなく、たくさんの最新情報がそろっています。

〇経験者と連絡
わたしは、フォルケホイスコーレに行きたいと話してから、ありがたいことに、その時デンマークのフォルケホイスコーレに行っている方に繋いでいただいた経験があります。不安が減って楽しみが増した時間でした。なので、実際に経験者にお話をお伺いするのもひとつかなと思います。留学経験者のなかでも、デンマークに行っている方って案外少ないですよね。わたしはまだ渡航前ですが、なにかあれば、以下リットリンクのInstagramからメッセージいただけたらと思います。


注意点

ここからは、わたしの反省から学んだ注意点です。大きく3つあるのでお伝えしていきますね。

  1. 連絡に時間がかかる

  2. 各学校によってタームの時期が決まっている

  3. 必ずしも入学できるとは限らない

連絡に時間がかかる

わたしは、結局行けなかったものの、過去にフィリピン&オーストラリアに予約していたという経験もあり、「留学ってすぐ返事来るし簡単に予約できちゃう!」というなぞの自信がありました。(笑)これは、北欧においては大きな間違いです。色々な問い合わせを学校にする際、担当者とのメールのやりとりに時間がかかると思っていた方がよいです。日本では、メール返信は24時間以内が常識ですが、北欧では違います。3日~1週間たっても来ないこともあります。特に願書に関しては、わたしは、1か月以上たって返事が来ました。こんなにも毎日メールをこまめに確認したのは初めてでした。

各学校によってタームの時期が決まっている

語学留学だと、入学・卒業の曜日こそ決まっているものの、空いていればいつからでも行けることが多いです。フォルケホイスコーレへの入学時期は、基本的に1月はじまりの春ターム8月はじまりの秋タームの2つです。
滞在期間は1ターム3〜6ヶ月。ショートコースがある学校、4月~のコースがある学校などもあります。学校によって差があるので、詳細は学校の公式HPで確認するのが間違いないです。

必ずしも入学できるとは限らない

はい、これです。びっくりしたのはここでした。(笑)1か月以上待ち続けて来た返事には「来てほしいけどもういっぱいだからキャンセル待ち。よかったら秋のターム申し込んでね。」と。びっくりです。4月から行く気満々でしたが、8月からになるかもしれません。そして、8月も行けなかったらどうしよう。4~7月をどう過ごそうかなと思って、オーストラリアにも行ってみようかなとか、日本一周でもしちゃおうかなとかいろいろ思うんですけど、まだすこし、悩み中です。
とにかく、早く動くこと、超重要です。人気の学校はすぐ席が埋まってしまい、1年以上待つこともあります。最近では特に、日本人の申し込みが増えているので、枠はあっても日本人は制限、ということもあるみたいです。1年以上は予約が取れない学校や、入学前に英語力の確認がある学校もあるみたいです。行きたい学校があるのであれば、早めに動きましょう。


こんな感じで今回も、赤裸々に綴らせていただきました。
少しでも、みなさまのお役に立てると、そしてわたしのような思いをするひとが減るとうれしいです。
無理せず、じわじわやっていきましょう。


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