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以前書いたマニュアルの話は、新卒の時の上司に「教わったことはマニュアルにしておいて」といつも言われていたおかげで、2年目に虫垂炎の手術で入院した時には早速マニュアルが役に立った、という内容でした。新人君は初めて自分の仕事ができたと嬉しそうでした。

この会社は大企業の子会社で、子会社でも大企業病だったからか今はなくなってしまいましたが、ジョブローテーションがあったのは良いことだと思います。

一般事務職や技術補助職は沢山いたので、結婚・出産・異動・退職があってもどこかの部署から異動させれば少しの引継ぎでなんとかなります。これは、仕事を標準化しているがゆえの賜物でもあり、会社員は所詮歯車であるとも言えます。

私は5年いて人事・総務へ異動となりましたが、その頃は事業部とスタッフ部門のローテーションをしようと試みていた頃で、それはなかなか良い試みだったと思います。

別の会社では、同じ仕事でも担当によってやり方が違うことがありました。
7人ほどのチームで手分けしていた時に、個人のバラツキがあまりにも大きくなってしまい、話し合って手順を再確認しました。

給与計算や海外との精算という意味では、全員同じ仕事です。その上で、担当している国によって違う部分が出てくるのは、法律や商習慣が異なるので仕方ないことです。基本の部分と、国によって違う部分を分けることにしました。

実は、どうも手際が悪くて締切を逃しがちな人への対応でもありました。
「そんな面倒なやり方をしてたの?」
「こうした方が効率良くない?」
と、他の担当から指摘を受けることで、いかに自分で仕事のやり方を変えてしまっていたのか、気づいてもらうためでした。

そして、皆で話し合って最良と思われた手順であれば
「この間、皆で話し合って決めたよね?」
と、また勝手にやり方を変えることを防げるはずです。もちろん、もっと良い方法が見つかったらまた共有すれば良いことです。

私は、最初は北米、次に中南米が追加されてアメリカ大陸全体を見ていましたが、以前の北米担当も中南米担当もわかりやすいマニュアルを作ってくれていたので、その点は苦労しませんでした。
「引継ぎ」も能力のうちだな、と思ったものです。

この職場はジョブローテーションも行い、誰かが休んでもリーダーか前の担当が大体フォローできるような仕組みにしていました。

逆に、もの凄く属人的な職場で働いたこともあります。
外資のわりに勤続年数が長いのは良いとして、同じ担当が定年まで慣れた仕事をしていたからか、マニュアルと呼ばれるのは担当者の備忘録のようなもので、とてもマニュアルとは言えない内容でした。

同じ仕事をしていた人は何人かいたのに(別の事業を担当していた)やり方やファイルの仕方が全然違うのです。人も沢山いた時代だったので、標準化したら誰かの仕事がなくなるとでも思っていたのでしょうか……。

そして、致命的なのが、教え方がヘタ!
担当期間が長すぎて、自分がわからなかった時代のことを忘れてしまっているのか、仕事に慣れただけで担当業務の全体像は実のところ理解していなかったのか……。

マニュアルを作成する時は、個々の細かな作業をわかりやすくするにはどう並べるかということも考えるでしょう。時系列が良いのか、似た業務をまとめるのか、等。
マニュアルとは、頭で理解している業務を整理する作業でもあったのだな、と思う今日このごろです。

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