小野田 衛

ライター&編集者。 思いついたことをダラダラ書いていくつもりです。

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最近の記事

禁酒地獄変(3ヶ月達成で感じたこと・前編)

 2022年11月1日。私はこの日を一生忘れないだろう。  この日を境に私は酒を一切口にしていない。そう、今日で禁酒して3ヶ月が経過したのである。おそらく3カ月前に飲んだのが、私にとっては人生最後の酒となる。もうアルコールとは決別宣言したからだ。  つらい別れだった。だが、それ以上に苦しい別れでもあった。辛酸を舐め、泥水をすすり、惨めな想いを抱え、七転八倒した3ヶ月だった。現在も日常での飲酒欲求は一向に収まらず、なんなら禁酒3ヶ月達成記念で盛大に祝杯を挙げたいと考えてしま

    • 禁酒、断酒、節酒、厳酒

       禁酒開始から10日が経過した。痛風患者の私にとって、酒は「百薬の長」どころか「万病の原因」。「毒」と同義だと言ってもいい。  痛風に襲撃された4か月前、私は人生初の本格的な禁酒に取り組んだ……というか、余儀なくされた。しかし喉元過ぎれば何とやらで、尿酸値の数値が下がるとともに再びダラダラ飲むようになってしまう。  ここが私の決定的にダメなところなのだ。酒に関しては「ほどほどに」ができないため、身体がSOSを出すまで徹底的に飲み続けてしまう。「週末だけは飲む」とか「家では

      • 水道橋『サウナ アスカ』閉店がブームに問いかけるもの

         神よ、あなたはなぜそんなにも無慈悲なのですか……?  水道橋の名店『サウナ アスカ』が閉店すると知ったときは、絶望感に打ちひしがれて膝から崩れ落ちそうだった。前日にはチャーリー・ワッツの訃報に触れ、おまけに月次支援金も締め切りをうっかり忘れて2ヶ月分もらいそびれた直後だったから、弱り目に祟り目とはまさにこのこと。もはや人生に希望を見出すのは至難の業である。  大学在学中から今はなき水道橋の老舗弱小出版社でバイトしていた私は、卒業後、そのままスライドするようにして正社員と

        • 親愛なるチャーリー・ワッツ様

           チャーリー・ワッツが亡くなった。享年80。一報をニュースで知ってから数日が経った今も、精神的なダメージは大きいままだ。というか、想像以上にショックを受けている自分にも驚いている。チャーリー・ワッツの存在がいかに大きかったのか、亡くなったことで改めて発見した気分である。  このあたり、ピンとこない人も多いかもしれない。ローリング・ストーンズといえば、ボーカルのミック・ジャガーとギターのキース・リチャーズのインパクトが圧倒的に大きい。ドラマーであるチャーリー・ワッツなんて、熱

        禁酒地獄変(3ヶ月達成で感じたこと・前編)

          俺の人生にも一度ぐらい幸せな日があっていいだろう

           血液検査の結果が出た。先日、痛風の薬(ユリス錠)を処方してもらうついでに採血してもらったのだ。本来だったら1ヵ月先に検査する予定だったのだが、自分から医者に頼み込んだ恰好。やはり目に見えて結果が出ないと、ストイックな食事制限や断酒なんて続けられるものではないから。 「おっ、これは頑張りましたね。数値はかなり改善していますよ」  本日、検査結果の紙を見ながら医者はそう口にした。「ホントですか?」と尋ねる私の声も若干上ずっていることは自分でもわかった。うれしくて仕方ないのだ

          俺の人生にも一度ぐらい幸せな日があっていいだろう

          敬虔な腸活教の信者

           明日で人生初となる痛風を発症してから3週間になる。依然として右足には痛みは少し残るものの、歩行はほぼ問題なくできるようになってきた。  痛風を治すためには適度な有酸素運動が有効と言われている。しかし今の私にはジョギングなどどだい無理な相談。だから、せいぜい散歩くらいはしようと心に決めた。とりあえず目標は1日1万歩。  自営業で自宅作業が続くと運動不足に陥りがちだ。取材や打ち合わせで外出する仕事がある日は、あっという間に1万歩くらいクリアできるのだけど。やはり意識して外出

          敬虔な腸活教の信者

          この世界はまるで地獄だね

           痛風になって2週間が経過した。通常、痛風発作は痛みのピークが3日程度、治るまでに1~2週間かかるとされている。現状の私は歩行は80%くらいのスピードで可能になったが、階段を下る際にはまだ痛みが走る状態。サロンパスを貼り、その上から包帯を巻きつけている。  痛み止めのロキソニンは飲まず。尿酸値を下げるユリスも飲まず。痛みが引かないうちに尿酸値を急激に下げると、発作期間が長引くとされているからだ。ネットでそのことを知り、慌ててユリスを封印した。まったくどこにトラップが隠されて

          この世界はまるで地獄だね

          痛風と向き合う人生後半戦

           水曜日の昼下がり、取材先から駅まで歩く途中で右足に激痛が走る。思えば予兆めいたものはあった。少なくても私の場合、「唐突に」「青天の霹靂」といった感じでなかったのはたしかだ。  最初に異変に気づいたのは月曜日の朝だった。寝室がある3階から2階の居間に降りる際、捻挫したような違和感を右足首に覚えたのである。 「あれ? おかしいな。俺、知らないうちに足首ひねったのかな?」  ただこの時点では痛みも深刻ではなく、階段の昇り降りこそ難儀したものの、普通に歩くことはできた。なにし

          痛風と向き合う人生後半戦

          西友のキムチが神懸っている件

           どこでどんなキムチを買うか? これは非常に悩ましい問題である。メーカーによって味がバラバラだからだ。  漬物だったら大体どこも似たようなものというか、少なくても大ハズレはないのだけど、キムチというのは非常に繊細な食べ物。クオリティが雲泥の差だし、不味いやつは本当に徹底して不味い。特に肉のハナマサとか業務用スーパーのやつは最悪。安ければいいというタイプの商品でないのは確かだろう。  私がこれまでの人生で一番美味しいと感じたのは、新大久保にある「ソウル市場」で売られているオ

          西友のキムチが神懸っている件

          解禁せよ(サウナを)

           はらわたが煮えくり返る思いだ。何がってサウナに入れないことがである。緊急事態宣言のせいで、都内の銭湯はどこもサウナ営業を休止。銭湯のみならずスーパー銭湯などのサウナ施設も休業に追いやられているようだ。本当にふざけるなと言いたい。  そもそも今回の緊急事態宣言は、意味不明な“線引き”に当初から疑問の声が上がっていた。「劇場はOKなのに映画館がダメってどういうこと?」「個室ビデオがクラスター化するか?」などといった素朴な疑問に対し、明確な答えを打ち出せる専門家が現れないのだか

          解禁せよ(サウナを)

          サウナピンチケとサウナスノッブ

           世は完全にサウナブームである。サウナバブルと言ってもいいかもしれない。10代~20代の若い愛好家や女性客は確実に増えているし、テレビや雑誌などのメディアでサウナ特集を目にする機会も多くなった。ジャニーズのアイドルや女性タレントたちがここぞとばかりにサウナ好きを公言している姿を見ると、いまや完全にサウナは市民権を獲得したのだと気づかされる。  いやはや、昔では考えられないことだ。サウナに入り続けて20余年の私からすると、隔世の感がある。サウナに好んで入るような人種というのは

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          追悼・田中邦衛さん

           田中邦衛さんが亡くなった。享年88。老衰だったという。  劔樹人さんがツイッターで「私が一番好きな俳優」と書いていたが、それはまったくもって私も同じ。なんだったら「小野田衛」という名前の中に「田中邦衛」と同じ漢字が2文字入っていることを誇りに感じているくらいである。  それから同じくツイッター上で「田中邦衛が『北の国から』だけで語られるのは違和感がある」という意見もあったが、これも完全に同意。個人的には倉本聰の押しつけがましい北海道愛の描き方が苦手なので、「邦衛の魅力は

          追悼・田中邦衛さん

          「真剣勝負」という言葉の魔力

          「田村潔司! 俺と真剣勝負してください」  とんでもないことを言い出す奴だなと度肝を抜かれた。拳王のことだ。今、個人的に拳王がもっとも気になるプロレスラーだし、ノアのせいでプロレスというジャンルに対する関心が極限まで高まっている。  それにしても拳王は素晴らしいプロレス頭の持ち主だと思う。拳王のマイクは田村がUWFインター時代に高田延彦へ呼びかけた歴史的名言「高田さん、僕と真剣勝負してください!」へのオマージュになっている。24年前の出来事を今さらぶり返しているのだ。

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          あこがれのコーヒーブレイク

           寒い朝、目を細めながらズズズとコーヒーを飲む友人。大きな商談を終えたばかりなのか、ルノアールとかで満足そうにコーヒーカップを傾けるサラリーマン。夕暮れ時のコンビニ前、慣れた手つきで缶コーヒーを開けるガテン系労働者。そういう姿を見ていると非常にうらやましくなる。きっと美味しいんだろうなと思う。私はコーヒーが飲めない。  より正確に表現すると、コーヒーを口にすることはかろうじて可能。だけど、ひどい胸焼けを引き起こす。そして腹を下すのだ。  仕事先でコーヒーを出されることもあ

          あこがれのコーヒーブレイク

          平手友梨奈のリアル

           年末のMステ特番、およびに紅白歌合戦における平手友梨奈には心の底から感動した。本当に素晴らしかった。彼女が何十年も語り継がれる本物のアイドルであることは、すでに間違いない。  そこで感じたのは、これでようやくアイドルの生歌/口パク論争に終止符が打たれたのではないかということ。これだけ熱のこもったパフォーマンスを見せつけられたら、さすがの生歌原理主義者(=口パク否定論者)も認めざるをえないだろう。そう考えたのだ。  しかし、実際は違った。「ソロで口パクって意味わかんねーし

          平手友梨奈のリアル

          蹴撃手マモル

           今年は例年に比べて忘年会・新年会の類いが少ない気がする。単に私が声をかけられていないだけなのかもしれないが。だとしたら、近年は出席率が低くなっていたから仕方のない話だ。  いずれにせよ、こうした席にフリーランスの出版関係者が集まると必ず出るのが健康に関する話題。ダラダラ酒を飲みながら健康について心配しているのだから世話ないのだけど、人生も折り返し地点を過ぎると、みんな身体のことは切実なテーマになるのである。  特に健康問題に敏感なのはデザイナー陣だろう。取材などで出歩く

          蹴撃手マモル