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敬虔な腸活教の信者

 明日で人生初となる痛風を発症してから3週間になる。依然として右足には痛みは少し残るものの、歩行はほぼ問題なくできるようになってきた。

 痛風を治すためには適度な有酸素運動が有効と言われている。しかし今の私にはジョギングなどどだい無理な相談。だから、せいぜい散歩くらいはしようと心に決めた。とりあえず目標は1日1万歩。

 自営業で自宅作業が続くと運動不足に陥りがちだ。取材や打ち合わせで外出する仕事がある日は、あっという間に1万歩くらいクリアできるのだけど。やはり意識して外出するようにしないと。ぼんやり歩くのも能がないので、その間はテープ起こしすべき音源を聴く時間に充てる。あとはドラゴンクエストウォークだな。

 最近、カメラマンや編集者の知り合いから「あれ? なんか急に痩せました?」と話しかけられることが多くなった。そのたびに「いや~、痛風ダイエットなんですよ」と苦笑いしながら応じている。私の場合、好きでこうなったわけではない。半強制的に痩せることを余儀なくされている状態なのだ

 でも実際、ズボンとかはブカブカになってきた。これだけ神経質に食生活を見直しているのだから当たり前か。逆に今までいかに怠惰な日常を送っていたのか、そのことがしみじみよくわかる。人間は特にダイエットなんて意識しなくでも、ジャンクなものを避けて普通に健康的な食事をしていれば勝手に痩せていくものなのだろう。

 ちなみに現在、摂っている朝のサプリはマリアアザミ(肝機能向上)、スーパーフィッシュオイル(中性脂肪&コレストロール値の低下)、ザ・ガード コーワ整腸錠(大腸内の善玉菌を活性化)。それに処方された薬のユリス錠(尿酸値を下げる)。まさにドラッグまみれである。もう少し右足の痛みが引いたら、尿酸値を下げる効果がある低脂肪牛乳を毎朝1杯ずつ飲む予定。

 あとは、めかぶとひじきを積極的に食べている。キムチや納豆も。納豆はプリン体が高いから痛風患者はNGという意見もあるが、腸の活性化というメリットも考え、私は取り入れることにした。それと大きいのはシャイニー薊氏の考案した「沼」をルーティーン化させていること。とにかく栄養バランスが申し分ないので、痛風患者の強い味方だといえる。昨日、初めて姉妹メニューの「マグマ」にも挑戦してみたが、これもマジで美味かった。炊くときに料理酒と味の素をたっぷり入れるのがポイントかもしれない。

 痛風になり毎日の食生活を根本から見直すと、今流行りの腸活とリンクしてくる部分が自ずと多くなる。まず定期的に腸内を綺麗にすることが大事だから、週に1度は断食日を設けるようになった。今日がまさにその日だ。断食日の日はスムースベンデールという下剤を朝に飲み、徹底的にデトックスを行う。今後は週1の断食に加え、月に1度は3日間断食も決行するつもりだ。

 腸の調子が悪いと、体調すべてに悪影響を及ぼす。現代人は食事の量と回数が多すぎるという。質素な食事を必要な最低量だけ食べる。これを日常化させていかないと、健康が自分の身体からスルスルと逃げていくわけだ。

 腸活にハマる人はどこか宗教じみた傾向があるので(例:窪塚洋介)、私もかつては冷ややかな目で見ていたものだった。だが敬虔な腸活信者になった今、見方は180度変わった。マクドナルドに代表されるジャンクフードを食べている人は、もはや「情弱」を通り越して「地球環境の敵」と断罪すべき存在。資本主義の豚となって哀れに朽ち果てればいい。バビロンへ一直線だ。

 思えば痛風発作が起きたとき、私は発狂する寸前だった。あまりの痛みに自決も頭をよぎった。もし自分に子供がいなかったら、本当に命を絶っていたかもしれない。こんな生き地獄があるなんて、想像すらしていなかった。痛風は限りなく絶望の味がする。

 いつまで続くのか、この地獄の日々は? 私の復活ロードはまだ始まったばかりだ。

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