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「どこに書くか」という問題は、即ち「どこで読むか」という問題でもある

少し前に誰かがツイートでアンケートを取っていて、確か「今後何かを書くとしたらどこに書きますか」というような質問だったと思う。

選択肢として挙げられていたのが、note、Medium、はてなブログ、ワードプレス、その他の5択だったと記憶している。そのときにはあまり気に留めなかったのだが、よく考えてみると選択肢の中にMediumが入っていたのは意外だった。

投票結果が少し気になったので、自分でも投票してみた。Mediumに1票いれたのだけれど、私が投票した時点でMediumを選択した人は10%もいて、それにもちょっと驚いた。

日本語のツイートだったし、日本人しか見ていないと思うのだが、それでも10%の人がMediumを選択していることは、よく考えてみると不思議だった。私はMediumで書き始めてまだ日が浅いが、それほどに日本人の利用者が多いという感覚はない。

 また同時に、無料ブログサービスの中でははてなブログしか選択肢に入っていなかったのも、ちょっと意外と言えば意外だ。他にもたくさんのブログサービスがあるが、それだけはてなブログの評価が上がっているということなのだろうか。もちろん、ツイートで質問した人のフィルターがかかっているわけだけど。

ブロガーやそのほか何かしらの文章を書こうと思っている人にとって、「どこで書くか」というのは大きな問題だ。本気で文章を書いて何者かになりたいのであれば、最初にどこで書くかを決めることが大きな成功(あるいは失敗)要因になりかねない。

それは同時に「どこで読むか」という問題でもある。読むことが好きという人は多いが、ネット上で本当に自分が読みたい文章をサクサク読めるプラットフォームを見つけることはあまり易しくない。

 はてなブログというのは一つの選択肢かもしれないが、お気に入りブロガーが見つかったところでその人が毎回私の好きなテイストの記事を書いてくれるとは限らないし、ある日突然そのブロガーが更新をやめてしまうこともある。

 じゃあ、noteは? というと、noteもnoteで好みが分かれるところではないかと思う。テクノロジー系やマーケテイング界隈に関しては読みごたえのある記事も多いが、例えば創作系となると、少なくとも私にとっては読みたい作品がゴロゴロしているプラットフォームとは言えない。

それで、結局このMediumに行き着いたわけで。ただ、Mediumの問題は英語がメインだということ。アメリカ発祥のサービスなので仕方がないといえば仕方がないが、Medium Japan(今は活動休止中)のチカラ不足(?)もあいまって、日本人ユーザーでアクティブな方はごくわずかではないだろうか。

noteもMediumも、広告が表示されないという点では共通したサービスだが、マネタイズの方法は異なる。どちらが良いということを言いたいわけでもなく、私がオンラインで文章を書いているのは100%金儲けのためというわけでもない。

 でも、少なくとも、Mediumにはnoteより自由な文章執筆があるような気がする。高額な情報商材を販売しようという輩もいない(少なくともこのプラットフォーム上では)。

 とにかく、Mediumは投稿数もユーザーも多いので、自然と質の高い記事も多くなるのだろう。私の読みたい記事や好きな記事も多く、ユーザーに最適化された記事を効率よく「読ませる」工夫も行われている。しかも、日本人ユーザーやフォロワーがあまり多くないためだろうか、余計なプレッシャーを感じることなく好きなことをブツブツ書くことができるのも、このプラットフォームならではのメリットなのかもしれない。

自分で運営しているブログに書く記事は、どうしても検索エンジンを意識したり、無意識でも広告主に気を遣ったりすることがあるが、それもないのが楽ちんで仕方ないというところ。

そういえば、Mediumで文章を書くようになってから、たとえ自分のブログに記事を書く時でも、一文を長く書くようになった気がする。以前は、ネットで読ませる記事だから常に「分かりやすい」文章を心がけていた。分かりやすい記事、すなわち一つ一つの文が短くて簡潔で、悪く言えば退屈な文章。その呪縛から解き放たれたのも、このMediumに出会ってからだ。

もちろん、どんなプラットフォームでも一生涯安泰ということはあり得ないわけで、一つのプラットフォームに依存したり信用し過ぎるのは禁物だが、それでも、本当に自由気ままに文章をつづる場所があるというのは、なかなか心地よいものだ。

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