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殺鼠剤:3月3日の旅日記、ラジャアンパット5日目

三月三日(金)朝から雷雨。ラジャアンパットに来ていちばんの天候不良。

昨日の夕方、ナイトダイビングに行く前のスーミンが聞いてきた。
「あのね、ネズミが食べたものを食べたらどうなるのかしら」
「うーん、食べないほうがいいと思うけど」
「良くないの?」
「だって、どんな病気持ってるかもわからないし、私なら全部捨てちゃう」
「…実は、もう食べちゃったのよね」
「えっ、食べたの?」
「うん、食べた」
「そういうことなら、ーーー死にはしないから大丈夫よ」
「ほんと?」
「大丈夫、大丈夫。問題ないって」

私たちが滞在しているのは、ラジャアンパットの中でも旅人に人気のあるクリ島(Kri)という島。インターネット情報によるとネズミが大量に繁殖しているらしい。実際来てみると、毎日夕方くらいから、チュウチュウと姿を現し夜が更けるに従って、屋根の上で運動会が始まる。

すでに1ヶ月近く滞在しているベティは、用意周到なことに、バンコクで殺鼠剤を買ってインドネシアへやってきた。殺鼠剤なんて、ちょっと残酷な…と思うかもしれないが、ここまで大量発生してると食中毒の危険性が高くなるためなんらかの対策をする必要があるだろう。スーミンのようにネズミがかじったものを口にしたくらいではなんでもないが、ネズミの糞尿が混じったものを誤って摂取すると酷い食中毒を起こす。

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