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【孔子】「承認欲求の真の満たし方」を孔子より考える【東洋的な価値観】

欲求が満たされると、人生に充足感が生まれる。
承認欲求は、生理的欲求や安全欲求が満たされた後にやってくる欲求です。

「誰かに認めて欲しい」

承認欲求とは、集団の中において、自分を価値のある存在として認められ、尊敬されることを求める欲求になります。

その多くは、収入の多さ、高価なものを手にいれる、出世する、地位の確立などを得ることと思われています。
我々は、それらを獲得している人々を、「成功している」「幸せに生きている」と感じ、自分自身もそれらを得ることで、他者から承認されることを望みます。

しかし、それは本当に人生の充足感につながっているのでしょうか。
ここで一度、「承認欲求の満たし方」について考えてみました。

物質的な欲求から抜け出せなくて困っている人
他者と比較して、常に優位でいたい自分が嫌な人
現代の超個人主義に疑問を感じたり、疲れたりしている人

そんな人に読んでいただき、一緒に考えて欲しい記事になっています。

今回は、古代中国の思想家「孔子」の哲学から考えました。
それでは、お付き合いください。

東洋的な価値観

孔子

古代中国に生まれた思想家であり、「儒教の祖」である孔子。

人を愛すること、他者への思いやりを意味する「仁(じん)」。
社会秩序を維持するための行動規範「礼(れい)」。

これらの思想が、彼の哲学の中心には存在しています。
人々がこれらの思想をもとに「よりよく生きること」で、社会全体に調和と発展をもたらすと考えてました。

ゆえに、一人一人が「よりよく生きること」を目指し、修養し成長することを重んじていたのです。

この思想は「東洋的な価値観」として、儒教などを介して、ここ日本にも存在していました。

西洋的な価値観

お金じゃ

現代では「西洋的な価値観」が主流となっています。

ここで取り上げる「西洋的な価値観」は、個人の権利と自由を中心に据え、自己実現や社会的成功を強調する価値観です。

これは、古代の哲学からキリスト教、中世の社会構造、ルネサンスの人文主義、啓蒙思想、そして産業革命と資本主義の発展を経て形成されてきました。

「個人の成長や成功」に焦点が当てられ、その成果を重視する価値観。
現代に生きる人々の多くは、こういった価値観をもとに、人生に充足感を求めています。

長期的な充足感

しかし、「西洋的な価値観」から得られる充足感は、長続きはしません。

個人主義に基づく自己実現は、過度になると他者との繋がりが希薄になります。

人間は社会的な存在であり、深いつながりやコミュニティとの関係が充足感を支える重要な要素となるのです。

一方、東洋的な価値観は、長期的な充足感を得ることができます。

先ほど述べた通り、自己の修養は「世のため人のため」に向かいます。
それは、個人の社会的信用度の向上とともに、他者とのつながりを深めることをもたらします。

人が他者を心から称賛するときは、肩書きや大事の達成ではありません。
自分に親切にしてくれた人、優しくしてくれた人を心から称賛するのです。

故に、東洋的な価値観に基づいた行動は、周囲から「心から称賛される」ことにつながります。
その結果、本人の承認欲求は真の意味で満たされることになります。

そして、そこからもたらされる充足感は、長期的な幸福感につながっていくと考えられます。

また、個人そのものに視点をおいても、長期的な充足感が得られます。

それは、「世のため人のため」という道徳的な精神と、自分の行動が一致することが、自己の精神の安定を生みます。
自己の内面と外面が統合することによる、「矛盾の解消」が重要なのです。

東洋的な価値観を取り入れ、バランスをとる

現代に生きる我々は、「西洋的な価値観」に囚われて過ごしています。
これは、動物的な感性や本能的な欲求と深く結びついています。

そのため、この価値観を完全に無視することは難しいでしょう。
しかしながら、日常に「東洋的な価値観」を取り入れることは可能ではないかと考えます。

孔子は、「仁」「礼」とともに「中庸(ちゅうよう)」という思想も重要視していました。
これは、偏りを避け、バランスを大切にするという考えです。

時に、自分の行動を内省してみてはどうでしょうか。
感謝の心を持っているだろうか?
他者への思いやりの心はあっただろうか?

このような思考を日常に取り入れ、両価値観のバランスをとることが、承認欲求を真に満たすことにつながっていくと思います。

終わりに

本来、このように「西洋的な価値観」でもって、「東洋的な価値観」を解釈することは、間違っているのかもしれません。

しかし、西洋的な価値観が主流の現代において、人々の心に東洋的な価値観を受け入れてもらうには、その「メリット」を考えることが、一つの方法ではないかと考えました。

今回の記事は長くなってしまいました。
しかし、もしこの記事を読まれて「私はこう思う」というご意見がありましたら、コメント欄に書いていただけると嬉しいです。

私は皆さんの考えも知りたい。

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