halmakita

なんだかとっ散らかってきた趣味とか思考とか記憶とか、人生におけるいろんなことを整理したい。そんな感じ。

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最近の記事

冬に一番似合う色

    • ロクブンノイチガール 7

      Bonjour私リカちゃん。1998年FIFAワールドカップに初出場を果たした日本代表の公式サポーターとして、開催国フランスへやって来たわ。 リカは日本代表では正GK川口能活選手を推してます。兄貴~。 フランス出身のパパはパリ・サンジェルマンのファンなんだけど、リカとしてはフランスは置いといて、かねてから注目してるすごい人がいるの。 オランダ代表のFW、気味が悪いと評されるほどの冷静さと決定力に加え、俳優のヴァル・キルマーに似ているという理由で”アイスマン”と渾名される、デ

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        • ロクブンノイチガール 6

          自他共に認める面倒くさい性格のせいで、何事によらず妙に往生際が悪いところがある。 好きなものを好きと自覚するのに変に遠回りをしたり、無意味に自分に言い訳したり。いい大人なんだし、私が何をどう好きでもいいじゃないかと言ってはみるのだが、どうしてか一旦は『そこには踏み込みませんよ』という顔をしたがる。 ドールについてもそれは同じで、そこまでは行かないだろうなと思っていた領域があった。そこに手を出したらそれこそ大変なことになるだろうからと、自重のためのハードルのようなものを設けてい

          ロクブンノイチガール 5

          6月くらいにドール趣味に足を突っ込んで、本体も服も大分増えた。 一人ずつに思い入れがあり、印象深いエピソードもあるのだが、ここに書き連ねていくとかなりの長編になる。あと今更だが自分で自分が不安になるので、一旦そこからは目を逸らしていたい。 逸らした目線はどこに行くかというと、先達の方々のInstagramやブログだ。 きれいなドールハウスの中、計算された絶妙な光のもとでふんわりと微笑む女の子たちの写真を見ていると、尊いとはこういうことなのかという気にもなる。 同じモデルのリ

          ロクブンノイチガール 5

          La Styrienne

          La Styrienne

          その鏡に映るのは―『ヴィドック』

          ヴィドック VIDOCQ 2001年 フランス 『ヴィドック』は、この作品の主役であるピカレスクヒーローの名だ。 悪政が続き街は混沌とし、民衆は苦しめられるばかりだった19世紀のフランス。黒いマントを翻しながらどこからともなく現れ出でたヴィドックは、権力の名のもとに行われる暴虐を錬金術により殲滅してゆく。毎夜のように行われるヴィドックの粛清に人々は恐怖したが、横暴な権力者のみを残虐なやり方で葬る事に、一方では快哉を叫ぶのも事実であった。警察はヴィドックを逮捕しようと躍起だが

          その鏡に映るのは―『ヴィドック』

          そこから先へは―『道迷い遭難』

          羽根田 治『ドキュメント 道迷い遭難』 山岳遭難の中で実は最も多い『道迷い』。登山者はなぜ道に迷い、どの時点で引き返せなくなるのか? 実際に遭難を経験した当事者たちにインタビューし、検証を試みた山岳ドキュメント。 昔々の話。 ある冬の日の午後、近所の山に登ってみたことがある。 標高にして1300m程度、それだけで見ればいっぱしの山のようだが、地元では小学校の遠足で行くところだ。そもそも住んでいる土地からして既に600mの高さにあるし、道も途中までは舗装され

          そこから先へは―『道迷い遭難』

          何が彼らに起こったか?―『セッション9』

          セッション9 session9 2001年 アメリカ この映画の舞台となる Danvers State Hospital は、アメリカのマサチューセッツ州ダンバースにかつて実在した、州立精神科病院である。 19世紀半ば、精神科医トーマス・S・カークブライドは、精神疾患の治療のためには、環境・自然光・空気循環が重要であるとして、自らの名を冠したカークブライド計画を提唱した。 病院の建築様式に始まり、あるべき機能、レクリエーション施設、スタッフの人数や配置、その男女比率、報酬

          何が彼らに起こったか?―『セッション9』

          ロクブンノイチガール 4

          さて、ボブヘアの女の子っていいよね唐突ですみません。 ボブっ子といえば何をおいてもまずは村田蓮爾先生最強なわけだが、この度うちにもかわいい女の子が来た。香港出身の18歳 スージーだ。 誰も止める者がいないということは、自分を止められる者は自分しかいないということだ。そして私は、その『自らを律する』というのがものすごく苦手なのだ。だから勉強はすぐ飽きるしダイエットも続かないし筋トレも習慣に出来ない。水は低きに人は易きにと言うまさにその通りで、楽な方へ楽な方へと行ってしまいがち

          ロクブンノイチガール 4

          輝く雪の降る場所で

          台風が来て去って、今日は少し涼しくなった。夕方の空を見て、そろそろ秋らしくなるかななんて思っていたら、天気予報では今後暑さが戻るでしょうとか言っている。 もうイヤんなっちゃうので、雪山の話でもしよう(無理矢理)。 先日読み終わってここにも感想文を書いた『魔の山』に、すごく印象的というか、意外とさえ思えるエピソードがあった。 主人公ハンス・カストルプが、療養中の身であるにもかかわらず、雪山へスキーに出かけて行くのだ。当然サナトリウムではそんなこと許可してないので、街で揃えたス

          輝く雪の降る場所で

          『魔の山』という山

          死ぬまでに一度は読まなければと思うが、きっと死ぬまで読まないだろうなと思う本が何冊かある。 ウンベルト・エーコの『薔薇の名前』とか、マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』、ジェイムズ・ジョイスの『フィネガンズ・ウェイク』などがそれに当たる。オーク材の大きな本棚に全巻並べてはあるが、誰にも開かれたことのない世界文学全集のような位置付けで、それらの本は意識の片隅に鎮座している。 トーマス・マンの『魔の山』も、そういう文学作品の中のひとつだった。 20世紀ドイツ文学において

          『魔の山』という山

          ロクブンノイチガール 3

          突然だが、中学の同級生に、白銀(しろがね)くんという男の子がいた。 名前通りかっこよくて性格も良く、スポーツも出来て勿論モテる。しかも頭もいいので弁舌さわやか、生徒会長まで務めたという、どこの少女漫画から転生してきたかというほどのヒーロー仕草だった。 私はクラスの中でも目立たない方と言うか、意図的に気配を殺して生活しているようなところがあったのだが(厨二)、白銀くんはそんな私にも気さくに話しかけてくれた。今週のジャンプ読んだ? とか、何か怖い話してよ、とか。 なぜか彼の中で私

          ロクブンノイチガール 3

          ロクブンノイチガール 2

          当然ながらと言うか、その『気になって仕方がな』かった彼女が、2番目にうちに来たドール、神戸三宮オリジナルモデルの箱入り娘 マリーだ。 そごう横浜の催事に、『リカちゃんキャッスルのちいさなクローゼット 神戸三宮』のコーナーがあり、そこに彼女がいるのに気付いてはいた。 かわいいなと思いはしたが、箱入りのしかも限定モデルと来ればお値段もなかなかだし、今買うわけには行かないな、とその時は思ったのだ。 ジェニーがいるし、しばらくの間はいいじゃない、いつか神戸に行けばいいじゃない、と。

          ロクブンノイチガール 2

          ロクブンノイチガール 1

          何はともあれ、私の生活に新たな趣味が加わった。 私は既婚者だが子供はおらず、夫は特撮ファンで、彼の自室にはちょっとどうかなと思う量のフィギュアがちょっとどうかなと思う密度で飾られている。私はリビングなどを大幅に浸食してこない限りは口出ししないことにしているし、夫も私の趣味についてとやかく言わない。 ジェニーを夫に見せ、買うに至った経緯を話すと、 「そりゃまたヤバいものに手を出しましたねクッキー美味い」 と言われただけだった。 つまり我が家には誰も止める者がいない。 誰憚る

          ロクブンノイチガール 1

          沼がまた呼ぶ 3

          これまでのあらすじ:クッキー買いに行ったらお城に迷い込んだでござる。 そんなわけで、リカちゃんやジェニーには免疫が出来ていたはずだった。きらきらしたドールやすてきなドレスを見ても、ああ今はこうなっているのね、かわいいねウフフ、くらいで済むはずだった。ここで一旦リセットしてから、クッキーの世界にいざ行かんと思っていたのだ。 ところが。 会場には名だたるクリエイターたちが手掛けた衣装を着たドールがたくさん展示されており、ガラスケースの向こうで愛らしく、或いは艶然と微笑んでいる

          沼がまた呼ぶ 3