見出し画像

ロクブンノイチガール 1

何はともあれ、私の生活に新たな趣味が加わった。
私は既婚者だが子供はおらず、夫は特撮ファンで、彼の自室にはちょっとどうかなと思う量のフィギュアがちょっとどうかなと思う密度で飾られている。私はリビングなどを大幅に浸食してこない限りは口出ししないことにしているし、夫も私の趣味についてとやかく言わない。
ジェニーを夫に見せ、買うに至った経緯を話すと、

「そりゃまたヤバいものに手を出しましたねクッキー美味い」

と言われただけだった。
つまり我が家には誰も止める者がいない。
誰憚ることなくフィギュアやドールを飾れるし、常軌を逸しない程度になら時間とお金をつぎ込むことが可能なのだ。

この『常軌を逸しない程度』というのが肝要なのだがそれはひとまずおいといて、これが私の、久々であると同時に初めてのとも言えるジェニーである。

ジェニーさん(17)

そごう横浜の催事で買ったので、『横浜ジェニー』と認識している。
もし池袋だったら、サラという名に改名したかもしれない。
飾って眺めて、手に取ってまた戻して、なんてことをしながら、かわいいものに心癒される時間は大事だなと思った。しばらくは彼女だけを大切にしていこう、と。
とか言いつつも実はこのとき既に、気になって仕方がないドールが心の中にいた。その話はまた次回。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?