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ロクブンノイチガール 2

当然ながらと言うか、その『気になって仕方がな』かった彼女が、2番目にうちに来たドール、神戸三宮オリジナルモデルの箱入り娘 マリーだ。

ぼくのマリー

そごう横浜の催事に、『リカちゃんキャッスルのちいさなクローゼット 神戸三宮』のコーナーがあり、そこに彼女がいるのに気付いてはいた。
かわいいなと思いはしたが、箱入りのしかも限定モデルと来ればお値段もなかなかだし、今買うわけには行かないな、とその時は思ったのだ。
ジェニーがいるし、しばらくの間はいいじゃない、いつか神戸に行けばいいじゃない、と。

だがしかし。その『いつか』、いつ来る?
来たとして、その時彼女はそこにいるのか?

そこに思い至ってしまってから、仕事をしていても洗濯物を干していても、どうにも彼女のことが頭から離れない。
きれいな子だったな、どんな服が似合うかな、好きな食べ物何かな、シャンプー何使ってるのかな。

なんだこれ。恋か。

食べ物だのシャンプーだの、我ながら大丈夫かなと思ったが、大丈夫ではなかった。挙げ句にminneなどのサイトで、マリーに似合いそうな服を探し始めるに至り、これはもうダメだな、と悟った。
神戸いつ行けるか分からないからとか、限定だからいつでも買えるわけじゃないとか、理由なんか何でもいい。
好きだなと思ったときには、もう買うことが確定していたのだ。これはそういう出会いだったのだ。

そんなこんなで、彼女は今うちにいて、三宮さんと呼ばれている。
これが今後、何度となく起こる『そういう出会い』の第一回目だった。


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