見出し画像

【さっき見たヘンなユメ】ネカフェ水害

ウンドワン的なアミューズメント施設のインターネットカフェで働いている。実際には訪れたことのない場所だったが、私はそこで何十年も勤続しているベテランという立場で、なぜか同僚だけは現実の会社のメンバーと同じだった。

深夜シフト出勤中に、細長くて狭いネカフェの個室で、一歳くらいの息子と私がシャワーを浴びていると、息子にシャワーヘッドを一瞬奪われてしまい、カーテンで仕切られた隣の部屋に水を噴射してしまう。

隣の個室では若いカップルがネットサーフィンをしていたようで、予期せぬところからの水害に狼狽する声が聞こえてきた。

「大変申し訳ございません!」

私は慌てて声を上げて、息子からシャワーを奪い返した。ところがシャワーヘッドはまるで生き物のように暴れ出し、再び勢いよく水を隣の部屋に噴出してしまった。しかも、紙風船のような材質で出来た仕切りのカーテンが、水がかかったせいでヘナヘナと縮みだし、親子そろって全裸の姿をカップルに目撃されてしまう。

「申し訳ありません」を連呼しながら、あわよくば見過ごしてもらえないかと思っていた私をよそに、カップルはすでに受付に電話していて、支配人を呼び出そうとしていることがわかった。

これ以上の事態の悪化を防ごうと、私はとにかく服を着ようとしたものの、靴下が一足しか見つからないうえ、息子も裸のまま部屋を飛び出してしまって姿が見えない。そうこうしているうちに、上司と同僚が様子を見にやってきた。

「事故っちゃいました」

平静を装って、私は上司に経緯を報告する。子供がシャワーでイタズラしたので仕方なかったなどと説明すると、そもそもなぜ職場に子供を連れこんでシャワーを浴びているんだと追求された私は、確かにその通りで長年の慣れによる自堕落だったと痛感し、何も言い返せず無言になってしまった。

そこで私は目が覚めた。

©2021 halflung, all rights reserved.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?