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冬は「腎」〜経絡ヨガのおはなし

大寒の日、夕方の外気温はマイナス17℃。
車から降りた瞬間、靴底が地面に吸い付く、というか凍りついた感覚です。

私の住む北海道のみならず、冬は寒さとの戦い、という人も多いでしょう。
ところが、真冬でも裸足で過ごす、とかダウンジャケットを脱ぐと半袖、なんていう猛者もいます。

東洋医学では、冬は「腎」「膀胱」の経絡が弱まりやすい、といわれています。
「膀胱経」はなんとなく想像ができると思いますが、主に水分代謝、それに実は脳とも関係が深いところです。

今回メインでお伝えするのは「腎」。
結局、ひとは「腎」によって生かされている、という話なんです。


「腎」には、生命の源を司る「精」を貯蔵する、という役割があります。

生まれる前にお父さんとお母さんから命の源(精)をもらった私たちは、まずそれを腎の中にしまいこみます。
この「先天の精」と呼ばれるものは、一生涯、私たちの生老病死に関わって、この精が尽きた時、私たちは寿命を迎えます。

しかし、生まれつきの精だけでは、私たちは生きていくことができません。
飲食物や大気中のエネルギーによって、常に腎に精を補充していく、このことを「後天の精」と呼びます。

ちょうど、老舗のうなぎ屋さんが、タレを継ぎ足し継ぎ足しして使うようなものです。

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生老病死、と書きましたが、腎が大きく関わってくるもののひとつに「生殖」があります。

人は、成長して自立する、という目的以外にも、生き物として子孫を残す、という仕組みを備えています。
実行するかしないかは別として、生殖にむけて身体はさまざまな準備を、順を追って発動させます。

女性の一生の身体の変化を測るモノサシとして、腎気の7年周期説というものがあります。

これは女性ホルモンの分泌とも関わりが深いのですが、

7歳で永久歯に生え変わり
14歳ごろ初潮を迎え
21歳で女性の身体ができあがり
28歳で生殖にもっとも適した充実期を迎える


ここからはだんだんと下降線をたどり
35歳で衰えを感じ始め
42歳で白髪が目立ち始め
49歳ごろ閉経を迎える


このような波で、生(生まれる)→長(成長)→壮(盛りを迎える)→老
というプロセスを実行していきます。

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腎の不調は、毛髪や肌、骨や歯の衰え、耳の聞こえの低下・・・そのまま「老化の現象」として現れることが多いです。

残念ながら、「老いる」ことは腎の営みとしてプログラミングされているので、避けることはできません。
ですが、その現象をゆるやかにすることは可能である、と考えます。

大切なのは、「腎の精」を無駄遣いしないこと。
極端な寒さや暑さなどの環境に身をおくことや、
働きすぎ、夜ふかしなどの生活習慣を避けること、
また、生命を脅かされるような恐怖や、多すぎる生殖も腎を消耗させると考えられています。


さて、最後に経絡ヨガのご案内。
陰ヨガ、ハタ・ヨガ(普通のヨガ)とポーズ自体は一緒なのに、そこに経絡の意識を取り入れると、何が違うのか?
経絡ヨガ考案者の高村マサ先生は、『同じレッスンが7倍の価値を持つ』とおっしゃっています。

目には見えないエネルギー(気)の通り道である経絡。
わたしたちが不調を感じる時、14本の経絡のどこが滞っているのか分かれば、そこに気を通すような動きができるはず。

経絡別パーソナルヨガでは、その人の体質・その時々の体調をみて、どの経絡の流れをよくすればいいか診断し、ヨガのポーズを処方します。

特に「」は、オール電化の家に例えれば、おおもとの電源のようなところ。ここのスイッチがオンになれば、また全身に気が巡りだす。
冷えを自覚しているわたし自身も、冬場は特に「」に意識をむけてヨガを行うことを心がけています。

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