博報堂アイ・スタジオの「サステナビリティ・CSR」について
こんにちは、博報堂アイ・スタジオ(アイスタ)広報のあきやです。
最近、「サステナビリティ-CSR」や「SDGs」という言葉をよく耳にするようになりましたね。サステナビリティを直訳すると「持続可能性」です。これが企業に使われる場合、目先の利益だけを追い求めるのではなく、自然環境や社会システムの維持にも目を向け事業活動を行おうという考え方や活動をさす言葉になります。また、CSRはCorporate Social Responsibilityの略で、日本語だと「企業の社会的責任」です。つまり「サステナビリティ-CSR」は、「社会からの要請に向けた企業の持続的な対応」と言えると思います。
また2015年、国連サミットで持続可能な世界を実現するための17のゴールと169のターゲットからなる「SDGs」が採択されました。今では、日本はもちろん世界のあらゆる企業や団体が、各事業活動、製品やサービス提供などを通じて、このゴール達成に向けさまざまな取り組みを行っていることは報道などを通じて皆さんもご存じのことと思います。企業や団体の事業活動が自然環境や社会システムに及ぼす影響には、プラスとマイナスの両面があります。そして、「プラスの影響を最大化すること」また「マイナスの影響を最小化すること」が社会から求められています。
今回の記事では、デジタルクリエイティブ企業としてのアイスタが、これらに貢献するために行っている取り組みについて、いくつかご紹介したいと思います。
▶人と人との想いをつなげ支援につなげる「チャリティー年賀状」
(学生が制作したチャリティー年賀状の一部)
「チャリティー年賀状( https://charity-nengajo.com/ )」は、アイスタが向き合うその時々の社会課題に対し、デザインの力で支援する取り組みです。前段であげた「プラスの影響を最大化すること」に通ずるものです。「チャリティー年賀状」という商品を開発し、それをインターネットサービスで販売することで支援金を生み出しています。
現在は、経済的な理由で学校外教育を受けることができない子どもたちの教育格差解消に取り組まれている、公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン様に寄附することで、その活動を支援させていただいています。
この取り組みを開始したのは、東日本大震災が起こった2011年。社内メンバーの入れ替えはあるものの、現在まで毎年取り組んでいます。始めた当時は「多くの方が悲しい想いに直面している中、『おめでとう!』と言って年賀状を送り合ってもらうことを不謹慎だと思われないだろうか・・・」という不安がありました。
それでも、年賀状は年に一度、人と人との想いをつなぐもの、その想いを伝え合うことがみんなを元気にし、復興支援にもつなげられるのではないかという気持ちを強く持ち取り組みました。結果として、2012年のお正月用「チャリティー年賀状」から東日本大震災被災地の復興支援として、50万円ほどを寄附することができました。
そして、取り組みを始めてからの支援金総額が、今年度の寄附で1,000万円を超えることができました。
商品として販売する「チャリティー年賀状」のデザイン制作にあたっては、当初よりプロのデザイナーやアーティストではなく、若者の代表である学生に協力してもらっています。学生には、この体験を通じて、「自分たちが活動することで社会を良くすることができる」という想いを感じてもらいたい。そして、年を追うごとに次の世代、またその次の世代へと想いをつなげていけば、今は小さな支援でも、いずれ大きな支援に育てることができるのではないかと考えたからです。そこで始めたのが、学生を対象にした「チャリティー年賀状 全国学生デザインコンテスト」です。
(2011年度 第一回 全国学生デザインコンテスト大賞作品:1本のつながった赤い線で47都道府県を描き、日本の国旗、また新年の日の出のように表現し、日本の元気につなげようと願いが込められた作品)
コンテストでは、年賀はがきのデザインを募集し、応募されたデザインの中から100点ほどを優秀作品として選出します。そして、インターネットサービス「スマホで年賀状」「ネットで年賀状」で販売することで支援金を生み出す商品として「チャリティー年賀状」は生まれています。
2022年お正月用の「チャリティー年賀状」は、コンテストへ応募された学生の作品1,299点から選ばれた101点でした。ご利用いただいた「チャリティー年賀状」1枚あたり10円を公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン様へ寄附させていただきました。
そして、コンテストへご応募いただいた学生に賞を贈ることで、その功績をたたえると同時に「自分たちが活動することで社会を良くすることができる」という想いを深め、そんな気持ちを持って社会で活躍してもらいたいという願いを込め受賞者表彰式を開催しています。
販売期間中、一番多くご利用いただいた「チャリティー年賀状」には、もっとも社会に貢献できたデザインとして「大賞」を、二番目に多くご利用いただいた作品には「準大賞」を贈っています。そして、後援団体のご担当者様が選んだ作品や、アイスタのクリエイターが選んだ作品など数点を受賞作品として選出しています。
(受賞者へ贈るトロフィー 制作:(株)石巻工房、(株)くりこまくんえん)
受賞した学生からは、「自分のデザインが社会に貢献できたことを誇りに思います。また、このようなコンテストを開催してくださったアイスタには感謝しています。」というコメントをいただきました。コロナ禍以前は、アイスタの表彰式会場にお越しいただいていましたが、現在は、コロナ感染拡大防止を鑑みてリモートで開催しています。
また、東日本大震災で被災した地域の学校に赴き、子どもたちにデザイン手法を教え、地元への想いを散りばめた年賀はがきのデザインを我々と一緒に作る「デザイン教室」も開催してきました。丸、三角、四角の単純な図形の組み合わせだけでデザインします。
(気仙沼市立唐桑中学校で開催したデザイン教室:生徒がデザイン作業をしているところ ※2015年実施時)
(デザイン教室で生徒が制作した年賀状デザインの一部)
今後も、「チャリティー年賀状」の取り組みを通じて、学生にはものづくりの場と社会貢献の機会の提供を、またアイスタ唯一のコーズ・リレーテッド・マーケティングとして、アイスタのロイヤリティー向上と同時に、社会課題解決に取り組んでいる団体をこれからも支援していきたいと考えています。
▶月に一度、浴槽約270杯分の「CO2排出削減」、環境にやさしい「廃棄物処理」を目指して
アイスタはデジタル領域のクリエイティブ企業です。デジタル領域というと、パソコンやスマホ、インターネットを活用した事業領域で、紙は一切使用しないイメージがあるかもしれませんね。ところが、クライアント企業への提案資料をコピー用紙に人数分出力したり、社内で保管すべき情報を紙に出力しているケースはまだまだゼロではありません。もちろんコロナ禍で、打ち合わせなどをリモートで完結することが多くなりましたが、それでもコピー用紙への出力が行われるケースがあります。
デジタルだと資料の更新をするにもパソコンやスマホ上で完結できますが、一度コピー用紙に出力したものを修正するには再度出力する必要があります。そして利用された紙は役目を終えるとすぐにゴミになり、焼却処分されるのが一般的ではないでしょうか。そして、この焼却の際にCO2が空気中に排出され、地球温暖化に加担することになってしまいます。
アイスタでは、日本フォレスト株式会社が提供しているサービス「データ プロテクター Mr.あんしん」を2018年から利用することで、環境負荷軽減に少しでも貢献しようとしています。前段であげた「マイナスの影響を最小化すること」に通ずるものです。これは、機密情報資料として出力された紙を、情報の機密性を保ったまま回収し、焼却することなく100%リサイクルしてくれるサービスです。機密情報の廃棄と聞くと、「それって、情報セキュリティに関する取り組みじゃないの?」と思う方も多いと思います。でもそれだけじゃないんです。環境にもちゃんと貢献しているんです。
紙が可燃ゴミとして処理される場合は、燃やされてCO2が大気中に放出されます。この「データ プロテクター Mr.あんしん」のサービスは、燃やさずにリサイクルするのでCO2排出抑制になるというわけです。さらに、資料を綴じるのに使用したホチキス等をはずさず、金庫式の回収ボックスに束のままポンと入れるだけなので、仕分けの手間もかからず助かります。
(社内に置かれた機密情報廃棄ボックス Mr.あんしん)
では、いったいどれくらいのCO2排出抑制ができているか気になりませんか? このサービスを利用している中のある1カ月を例にあげると、CO2を134キログラム※1排出抑制できたとご報告いただいています。「CO2が134キログラム?」ってちょっと想像しにくいので例えると、一人暮らし用マンションの浴槽(250リットル)、約270杯分※2になります。結構多くないですか。。。
※1:リサイクル時に発生する二酸化炭素を省いた量
※2:1気圧0度で計算
【計算式】
【単位等の規定】
g:グラム
mol(モル):物質量:6.02×1023個
CO2の1molの重さ:44g
気体1molの体積:0°C、1気圧:22.4ℓ(アボガドロの法則から)
ただ、アイスタが購入しているコピー用紙が製造、輸送される際にもCO2は排出されています。提案資料用に出力される紙や、社内で情報保管用に出力される紙を全てデジタルに置き換え、紙を購入せず企業活動を進めていくことが望ましいのは間違いありません。2020年10月に菅前内閣総理大臣の、2030年までに2013年比で46%、2050年までにCO2排出実質ゼロ、いわゆるカーボンニュートラルの宣言が行われたのは記憶に新しいことと思います。アイスタもこの宣言に寄与できるよう、取り組んでいければと思います。
また、アイスタでは、産業廃棄物を捨てる際のマニフェストを電子化し、ここでも紙の使用削減に貢献しています。また、産業廃棄物の引き取りも、環境に配慮した処理をしている業者を指定し環境負荷軽減を心がけています。
▶従業員の健康に寄り添う「なかにわランチ」の取り組み
一般的に会社運営のなかで、そこで働く従業員には、健康、働く時間、収入のバランスが取れていることが大事だと言われています。アイスタでは数年前から数カ月に1度、従業員の健康面と、従業員同士のコミュニケーションの活性化に着目しランチを提供しています。
この取り組みを「なかにわランチ」と呼んでいるのですが、この「なかにわ」とは、従業員の「休憩スペース」および「社員同士のコミュニケーション」のための広めのスペースのことです。名前は社内公募され、「みんなが自然と集まるような憩いの場になるように」という思いが込められたものが選ばれました。
(なかにわ)
ここでケータリングやお弁当を従業員に提供することから「なかにわランチ」という取り組みになりました。また最近では、コロナのまん延状況も確認、対策しながら開催時期を決めたり、提供方法に配慮したりするなど、慎重に取り組んでいます。
提供するランチのメニューについては、従業員にヒアリングしながら最終的には総務と広報メンバーで決めています。オーガニックな食材を扱っていたり、トレーサビリティーを明らかにしてメニューを提供したりしている業者を選定することはもちろん、従業員によっては体質的に食べられない食材を使ったメニューもあるので、1回の「なかにわランチ」のメニューも複数用意し、できるだけ多くの従業員に食べてもらえるよう対応しています。
業務に追われて簡単に昼食を済ませてしまう従業員も少なくありません。まして一人暮らしだとお昼だけでなく、朝食を抜いたり、夕食も簡単なもので済ませてしまったりすることが往々にしてあるのではないでしょうか。私も一人暮らしの時はそうでした。そんな従業員に少しでも健康的に業務にあたってもらえるよう、今後も「なかにわランチ」を推進していきます。
▶アイスタの「サステナビリティ- CSR」の位置付け
ところで、アイスタの「サステナビリティ-CSR」は、博報堂DYホールディングスが掲げるグループとしての「サステナビリティ-CSR」( https://www.hakuhodody-holdings.co.jp/csr/basics/ )に準拠しているんです。その基本理念は「私たち博報堂DYグループのCSRは、生活者と社会の幸せを生み、つなげ、ともに拡げていくことです。」。そして、従業員一人ひとりが「Basic CSR」と「Advanced CSR」に取り組むことを掲げています。
「Basic CSR」は、国際規格や法令、「博報堂DYグループ行動規範および遵守事項」など、企業として果たすべきすべての義務を誠実に果たすことです。また、「Advanced CSR」は、日々の仕事を通し、自らの「クリエイティブの力」「伝える力」「一人ひとりの個性」を主体的に発揮しながら、生活者と社会のために責任を果たすことです。
そしてアイスタでは、独自の取り組みを第三者の目からも評価されるよう、環境に関する国際規格であるISO14001を2016年に取得し、現在もその認証を保持しています。
▶さいごに
今回は、アイスタの「サステナビリティ- CSR」についてご紹介しました。世の中にはとてもたくさんの社会課題があります。もちろん、全ての課題に向き合うことはできません。ただこれからも、アイスタの事業を通じて解決につなげられる社会課題に目を向け取り組んでいければと思います。
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