見出し画像

けふの一句/5月28日


ワンピース濡らして金魚持ち帰る

びしよびしよになりながら、やうやく一匹掬つた金魚。透明な袋に入れた金魚を、誇らしげに目の高さに吊るす誇らしげな女の子が可愛らしい。見せる相手は、親ではなく恋人が良ささうだ。中高生くらゐのカップルだらうか。しやがむとパンツが見えるのがワンピースのよいところ。をぢさんはそれを遠い目で眺めてゐる。


|予約受付中! 6月8日発売

見えない傷(春陽堂書店)
著者:北大路 翼
二〇一七年以降の作品から厳選収録。新宿の片隅から世の中を憂う第三句集。これまでの“アウトロー”とは異なる、加藤楸邨からの”本格派”の系譜。

画像1

|この記事を書いた人

北大路 翼(きたおおじ・つばさ)
1978年5月14日、神奈川県横浜市生まれ。種田山頭火を知り、小学5年生より句作を開始。2011年、作家・石丸元章と出会い、屍派を結成。2012年、芸術公民館を現代美術家・会田誠から引き継ぎ、「砂の城」と改称。句集に『天使の涎』(第7回田中裕明賞受賞)、『時の瘡蓋』、編著に『新宿歌舞伎町俳句一家「屍派」アウトロー俳句』『生き抜くための俳句塾』『半自伝的エッセイ 廃人』『見えない傷』など。新宿歌舞伎町俳句一家「屍派」家元。「街」同人。砂の城城主。
Twitter:@tenshinoyodare
連絡先:shikabaneha@gmail.com

※フォローお願い致します!!


この記事が参加している募集

おうち時間を工夫で楽しく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?