Miho Hagino はぎのみほ

メキシコ在住美術家

Miho Hagino はぎのみほ

メキシコ在住美術家

最近の記事

基礎

私はメキシコシティのロマ地区でLas Costumistasというブティックを4人のアーティスト兼デザイナーと共に運営しています。 Las Costumistasにはとても明るくて、人生を卓越したルセロさんという縫い子さんが朝から夕方まで常勤でいて、メキシコ、フランス、ハンガリーのルーツを持つデザイナー、Sophie Massunのアフリカの生地を使った優雅な服を毎日せっせと作り続けています。 先住民族のコミュニティの人々と一緒に制作していて、なかなかクオリティの面で問題

    • 幼少の頃から、「そんなバカなことを言って」と夢を否定されるような言葉をかけられることが多くありました。そんな暴言を日常的に受けていた理由が若い女性だったから、と気づいたのは随分後になったからです。そのような苦い経験が若いときに日本を出ようと思ったきっかけとなったと思います。 カナダに住みにゆきます。 バイクでアメリカ大陸を横断します。 メキシコで芸術家になります。 芸術でより良い社会を築きたいです。 振り返ってみると、たとえ規模は小さくても、完璧にうまくいっていなくても実

      • 善と悪について

        キリスト教の世界では、善と悪が白と黒に別れ、その思考が文化や生活に深く刻まれていて、時々、真っ黒な悪に出会うと混乱して心理的な負担が生じます。 嫉妬や利己的な感情を強く持つ悪は良い人々たちが安心して楽しく暮らしている状況にまるで良い人のようにそっと忍び寄り、お互いの間で不信感をつのらせるような言葉をささやき、恐怖を与え続け、内部から崩壊していくように様々な工作をとります。 じっと観察していると、まるで世界の定規であるかのように自分たちが世界で一番正しく、利口だと皆が思うよ

        • ミステカ族の人々

          先日、縁があってオアハカ州のノチストランからさらに3時間ほど砂利道の山道を登った果てしない場所へと行く機会がありました。久しぶりにメキシコシティを離れて北海道の景色を懐かしく思い出しながらのドライブは、良い気分転換になりました。 オアハカ州のマドレ山脈の頂上付近の60件しかない集落で慎ましく暮らしていたのは小さな農業を営む家族。庭鳥や豚やヤギを飼って、パンを作って暮らしている人々。何もないけれど、何もかもある生活。 個人主義で自己中心的な文化を持つ人々と密な時間を過ごすと

          旧友の誕生日

          音楽家のマヌエル・ロチャの誕生日に呼ばれて行ってきました。20年以来の友人で、いろいろ気を使ってくれて助けてくれているのが私がメキシコのアート界で生き延びられている理由の一つであります。 昔から誕生日や食事会の時に呼んでくれるので彼の家族や親戚、近しい友人に会います。その時々の入れ替わり、歴史の重みを感じます。いつも顔を合わせるメンバーは大体決まっていて家族のような愛情さえ感じます。マヌエルの弟の建築家、マウリシオ・ロチャ、双子ファッションデザイナーのパウリナとマリナリ、パ

          パイサヘソシアル

          昨日は、初めてプロニニョデラカジェでの子供向けのワークショップ。ルイサが担当してくれた。暫くぶりのワークショップだったので反省点もあるけれど、何より子供たちがとても素直で楽しかった。プロニニョのスタッフの愛情のおかげ。今日はイサナさんが来てくれてミーティング。足りないところを補ってもらえるとのことで心強い。

          パイサヘソシアル

          読書 世界遺産マチュピチュに村を創った日本人 「野内与吉」物語 - 古代アンデス文明の魅力 -

          4年前に亡くなった父が手に取りそうな本が家にあったのを見つけて、クリスマスの深夜に久しぶりの読書。この本を読んで、数年前にリマで経験したことが頭の中でやっと繋がった。日系人の偉業はラテンアメリカの中で、研究者によってポツポツと語り始められていて、昔は出版された本の多くは研究者向きだったけれど、この本はとてもわかりやすく一気に読んでしまった。当時のラテンアメリカでの日系人の大変な生活、ビジョンを持った人々による改革、発展。とても興味深い。 ペルーのリマに行ったのは2018年8

          読書 世界遺産マチュピチュに村を創った日本人 「野内与吉」物語 - 古代アンデス文明の魅力 -

          6月13日 日曜日 長崎の被爆者、山下泰明さん

          今日はサンミゲルでアジェンデ在住の山下泰明さんからご連絡をいただいて、1日シティを散歩。Semilleroにて美味しいベジタリアン朝食をいただいて、徒歩でセントロ方面へ。ガンディで本を購入して、フランツメイヤー美術館にてイタリア人デザイナーのAlexander Girardの展覧会を鑑賞。 68年にメキシコにいらしたときからの興味深いお話をじっくり聞けました。優しいお声でゆっくりと当時の芸術家や作家との交流の話を聞けるのはとても楽しい。そして、歴史の本にかかれたこととは違っ

          6月13日 日曜日 長崎の被爆者、山下泰明さん

          金曜日 舞台セット

          朝はいつも通り連絡と書類に追われ、ダッシュでイレネさんのお家に向かう。車で劇場に到着。フアン桃太郎舞台セットの大まかなインスタレーションを決める。伝統的な舞台セットと違って、桃以外は当日即興で作りこむ予定なので、イレネさんやメンバーの方達に理解しずらいらしく反応は、まだ薄い。けれど、全然心配していません。素敵なものができそう。 日系文化に関するものを制作する時に気を使うのは、日本人の目から見て日系文化が日本文化の偽物に見えないように工夫すること。日本とメキシコという世界の中

          金曜日 舞台セット

          文化の違い

          朝に書類提出メール。昼からイレネさんとカメラマン役者の方達と国立芸術センター劇場の下見。ハビさんと舞台大道具のデザインのことで意見の違いが発端となり、日本だったら絶交になるほどの勢いの言い合いが3時間ぐらい続いたけれど、彼いわく今日の話し合いはこれからの将来にとても役に立ったと満足して去っていきました。確かにスッキリして軽い気持ちになりました。文化の違いを埋めるのには大変な労力が必要です。 この会話で気づいたのはメキシコで移民として生活している私の環境、言語の問題や幼少の頃

          月曜日と水曜日

          月曜日は人権団体センターに行き、アテンド中の子供たちの状況について相談。その後はロマ地区の日本食レストランへ。数年ぶりにメキシコの兄、イスラエルと、同じく、メキシコの叔父、画家の父クワテ (彼らもお互い30年以上の知り合い)と画家のアミトラと会食。しばらく会わない間にイスラエルは高齢のお母さんの面倒を見ながらマルチメディアの大学で授業をしていると近況を話してくれました。体を壊さないか心配していたら、逆に彼が私のことをずっと気遣ってくれて、涙が溢れそうになります。 水曜日は朝

          今日は大切な書類を作り、久しぶりに市場に買い物に行き、帰ってきてから書類の続き。サラのおかげで3つ完成。日が暮れてから散歩に行き、夜はラティハポの皆さまとミーティング。これから楽しそうなことが起こりそう、ありがとうございました!

          今日は大切な書類を作り、久しぶりに市場に買い物に行き、帰ってきてから書類の続き。サラのおかげで3つ完成。日が暮れてから散歩に行き、夜はラティハポの皆さまとミーティング。これから楽しそうなことが起こりそう、ありがとうございました!

          土曜日 27日。コートジボワールの友だちの誕生日だったのでメッセージを送ったら驚きの電話。素朴で毎日生きるのに頑張っている人々が懐かしい。今週は忙しく、雷に打たれたように、全然動けない1日でした。

          土曜日 27日。コートジボワールの友だちの誕生日だったのでメッセージを送ったら驚きの電話。素朴で毎日生きるのに頑張っている人々が懐かしい。今週は忙しく、雷に打たれたように、全然動けない1日でした。

          金曜日 ミーティング写真制作、雑用

          ロスの旧友、キュレーターのひろりかちゃんと、仕事のミーティング兼おしゃべり。話が尽きない。というか話のペースが速すぎて、言いたいことのボキャブラリーが間に合わなくて、言葉足らずになってしまう。ロスには2002年から2003年にかけて半年しか住んでいなかったのに、大切な経験と記憶がつまっている。あの頃、有色人種のアートはほとんどロスの美術館で見なかったと思う。時間とともに様々なことが変わってゆく、女性でも移民でも。そんな時代に自由に活動できることは、大きな幸運なので、もっと進も

          金曜日 ミーティング写真制作、雑用

          木曜日 パイサヘソシアル

          朝は頭痛で目覚める。平日に飲みに行くのは良くないと反省。11時にコロンビア人のアーティスト、マヌ・モヒトとのミーティング。その後サラとクラウディアが事務所に到着。ミーティングのあと、お昼を食べて彼女たちは女の子の家の施設でのオンラインワークショップ。女の子たちが挨拶したいと言ってるとサラが呼んでくれたので、一言元気にご挨拶。「日本語で何か話してー」と言われ、こんにちは、ありがとう、さようならを教える。そして、キャーキャーと一緒に騒ぐ。こういう日常が心を元気にしてくれるし、嬉し

          木曜日 パイサヘソシアル

          水曜日 平日飲み会

          この日は子供のシェルターでルイサ・コレアの製本のワークショップがあるのに、助成のために提出した書類のことで落ちつかない朝。昼は子供用の演劇のセットを一緒に作っているハビとのミーティング。プロダクションのための大切な1日。 夜はタコスの美味しいお気に入りのバーでクワテとピーターと会合。この二人はどんなに変な話でも、突拍子のない話でも真面目に聞いてくれるのでありがたい。今日はなぜ世界がお金や権力で支配されるようになったのかの起源について、生まれた子供の父親を特定できない男性の嫉

          水曜日 平日飲み会