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ミステカ族の人々

先日、縁があってオアハカ州のノチストランからさらに3時間ほど砂利道の山道を登った果てしない場所へと行く機会がありました。久しぶりにメキシコシティを離れて北海道の景色を懐かしく思い出しながらのドライブは、良い気分転換になりました。

ミルパと呼ばれる多様な食用作物を栽培している土地

オアハカ州のマドレ山脈の頂上付近の60件しかない集落で慎ましく暮らしていたのは小さな農業を営む家族。庭鳥や豚やヤギを飼って、パンを作って暮らしている人々。何もないけれど、何もかもある生活。

遺伝子操作のされていない青トウモロコシ シードバンクを作って純粋な種子を守る方法を教えてもらって、他の共同体の人々と一緒に活動をしているそうです。

個人主義で自己中心的な文化を持つ人々と密な時間を過ごすとメキシコの人々の親切さを手玉にとって、駆け引きされたり、搾取されそうになったり、彼らのために何かをすること強要されて、限界線を引くのに疲弊することがありますが、先住民族の文化を持つ人々と過ごす時間は知恵や優しさを分かち合ったり、何もしなくても話をしなくても、風景を眺めたり、コーヒーを飲んだりパンや焼きたてのトルティジャを食べながら一緒に過ごす時間を純粋に楽しむことが多く、とても心が落ち着きます。

少ない言葉で会話をしていると見えてくる彼らの哲学、経済、文化、社会システムの中で大切にしていることは、自分たちの利益がなくても、地球や人間の一番大切なことを守ることであって、個人の欲望を満たすために他人や自然や地球から搾取し続けることではありません。たとえ目の前の利益が手に入らなくても長いスパンで過去から未来まで世界が彼らに利益を与え続けていることを身体と心で知っていて、感謝をし続け、満たされている生活をしていることがわかります。

旅行から帰ってきて、早速家族のようなサポテカ族の友人たちに電話をかけました。彼らとともにゆっくりと流れてゆくメキシコの時間がとても好きです。



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