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チャンバラ三昧

2007年1月14日に投稿したブログより。

非道い話である。

残虐な狂った殿様が催したものは、何と平和な時代に、真剣による御前試合。

勝負に手を挙げた者たちは、それぞれに事情を抱えた剣鬼たち。

幼少時からの知り合い同士、一人の女性の奪い合い、あらぬ誤解からもつれにもつれ相対する者、腕試しの延長で互いに競いあう者、仇を討つために臨む者、怨嗟、妬み、嫉みが絡み合い試合場はどんどこ血に塗れていきます。

相手を想い合う男女とか、そういうのも出てきますが、必ず邪魔が入ります。幸せとか、そんなものとは無縁なこの非道ぶり。

でも決してつまらないわけではないんですね。

話の形式としては、お互いが争い合うことになった背景から追っていき、最後に向かい合う場面に戻り、決着がつくというもの。

果たして何人が生き残るのか、そしてその生き残りにもハッピーエンドは待ち受けているのか。

これを原作としたマンガがヒットしているため、絶版となっていたところが復刻されたという一作。マンガを先に読んでいたのですが、濃い目のキャラや技は、マンガ独自のものかと思っていたら、いやいや原作も負けじと濃かったんですねー。マンガの方のキャラや技の掘り下げた部分もそれはそれで魅力的ですけども。

分厚いながらも、全十一試合堪能できます。

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