娯楽小説の愉しみがギッシリ
久々の本の紹介です。
圧倒的娯楽チャンバラ小説の三部作。
この辺りのキーワードに興味をそそられる人は、ハマる人かと。
重厚な長編小説や、人情物の書き下ろしシリーズなども手がける直木賞作家が、エンターテイメントに振り切って描いた本作。
全三部作のうち第二部まで刊行され、未完の状態でコミカライズも同時進行中。
時は明治維新。まだ世には終焉を迎えつつある武士たちが燻っている頃。
ある日全国に聞いたことのない新聞が配布され、そこには「大金を掴みたく腕に覚えのあるものは集まれ」と。
コレラに罹患した妻子を救うためにお金を必要とした主人公が参加してみると、そこには全国津々浦々から集いし猛者どもが。
それぞれに札が与えられ、ここから東京まで向かえと。
ただし、各関所において所定の数の札を持参していないと脱落とみなされ、脱落者には相応の報いが。
そして会場には、自身と同じような理由で参加した年端もいかぬ小さな娘も。
また、かつて一緒に修行をして生き別れた弟妹たちまでもが参加していることが反面。
血に飢えた猛者たちの襲撃を掻い潜りながら、娘を守りつつ、果たして主人公たちは東京に行き着けるのか。
次から次に出てくる強豪たちの魅力的で濃厚なキャラクター造形と技の数々。
本当にこれは三冊に収まり切るような物語なのかと疑いながらもページをめくる手は止まらなくなること必然。
二冊目を読み終わった時、一体三巻はいつ出るんだとネット検索をするはめになることでしょう。
没頭できる読み物をお求めの方には是非。
今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。
嬉しいです。 サポートしていただきまして、ありがとうございます。 こちらからもサポートをさせていただくことで返礼とさせていただきます。 どうぞ宜しくお願い致します。