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これがホントのあぶない刑事

2007年4月25日に投稿したブログより。

極悪な刑事のお話の第二弾です。

何だか好きなシリーズ物なのですが、とにかく主人公の徹底ぶりが凄いです。全ての基準は自分にとって利益になるかどうか。そのためには警察の権力は最大限に利用しますし、警察内部の上長だろうとなんだろうと、弱みを見つけては骨の髄までしゃぶりつくしていきます。

ヤクザ顔負けというか、じっさいにヤクザもひいこらしてしまう悪徳振りですし、かといって弱者に優しいかというと、弱きもくじくこの根性、凄すぎます。

で、この小説の面白いところは、主人公であるハゲタカ(愛称です)の内面描写には一切触れないところ。

主人公については、本人のセリフと、周囲にいる人間の内面描写からしか語られません。ですので、何でそういう行動にいきつくのか、とかは全て憶測でしかなく、本当のところは最後まで伏せられたままという形。

そういう描き方にも関わらず、あくどい主人公の魅力が溢れているのは、やはりその行動が読んでいて気持ちいいから。権力に逆らったり、我を通す生き方は、読者をスカッとさせるアナーキーさに溢れています。

優等生作家には描けないこのシリーズ。早く続きを読もうと思います。

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