葉隠(はがくれ)

1960年代生まれの研究者です。 シンガポールに3年、イギリスに19年住んで、今はデン…

葉隠(はがくれ)

1960年代生まれの研究者です。 シンガポールに3年、イギリスに19年住んで、今はデンマークで生活してます。

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自己紹介

ヨーロッパでの独身シンプルライフ、国際ニュース、外から見た日本観などについて書いています。 イギリスからデンマークへ移る前の古い記事(2016年から2018年の期間に、独自のブログ「英国ミニマルライフ」で書いたもの)は、こちらの別リンクにまとめています。ご一読いただければ幸いです。

    • コペンハーゲンの自宅

      イギリスからデンマークに来て、かれこれ6年たちます。いま住んでいるコペンハーゲンの住まいは、ちょうど4年前の2020年に買いました。当然、住宅ローンを組んでですが。 イギリスで所有する小さいフラットはローンをすでに完済しているので、それを売ればデンマークでの住宅ローンを返済できそうなんですが、なんとなく、まだそうする気になれません。なので、イギリスのフラットは、地元の不動産会社を介して賃貸にだしています。 コペンハーゲンの自宅は、日本でいうところの2K(2部屋+小さいキッ

      • 実は職場でのハラスメントが多いらしい北欧

        ハッピーな国のイメージが強い北欧ですが、職場でハラスメントや暴力の被害をうけたことのある人の割合において、北欧5カ国すべてが、世界順位でワースト10位内に入っています。 これは、イギリスの慈善団体であるロイド・レジスター・ファウンデーション (Lloyd’s Register Foundation) が定期的に発表している世界リスク調査によります。 2021年度のランクは以下の通りです。カッコ内は「何らかのハラスメントを職場で受けた経験がある」と答えた人のパーセンテージで

        • イギリスに里帰りしてました

          先週末、4日間だけイギリスに帰省していました。本来の意味での「帰省」ではないですが。 今回のイギリス訪問は、学会に出席するのが目的であり、イギリスの自宅に立ち寄ることもなく、プライベートで誰かを訪問するわけでもなかったので、いつもの学会がたまたまイギリスであって、それに出席してきただけ、ってことです。 学会は、とあるイギリス地方都市で開催されました。ただ、そこの空港に到着した時に最初に感じたのは、 嬉しい。。。わけもなく嬉しい。 べつに取り立てて良い出来事があったわけで

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          デンマークにおけるフレキシキュリティ政策の功罪

          実は昨年の秋に、私が勤務している大学でリストラがありました。 職員(事務の人)だけでなく教員(講師や教授とか)も対象にして、かなりの額の人件費を削減する、けっこう大規模なものでした。 結論から言うと、私はなんとか生き残ったのですが、そのリストラの経緯たるや、なんというかデンマークの実態を垣間見たというか、あぁこれがいわゆるデンマークの「フレキシキュリティ」というやつか、と思いました。 フレキシキュリティとはフレキシキュリティ(Flexicurity)というのは、1990年

          デンマークにおけるフレキシキュリティ政策の功罪

          いくら親しい相手でも、お金を預けてはいけない

          大リーグの大谷選手が巻き添えをくったとされる最近のニュースで、自分が経験したことを思い出したので書いておきます。(大谷選手と彼の通訳であった水谷氏については、今後どういう展開になるかわからないので、ここでは特にとりあげません) 私には姉が二人いるのですが、子供の頃は、圧倒的に下の姉と仲が良かったです。まぁ年齢が近かった(2つ違い)というのもあるし、下の姉は人当りもよく、誰にでも合わせられる人です。つまりは私と真逆で、誰にでも好かれるタイプです。どんな話でもうんうんと聞いてく

          いくら親しい相手でも、お金を預けてはいけない

          年上の友人、ローズマリー

          私はデンマークで友達は殆どいないのですが、その数少ない交流関係の中でかろうじて友人と呼べる人のひとりにローズマリーという人がいます。このローズマリーはイギリス人で、年齢は 80代半ばです。 コペンハーゲンにある英国教会で知り合ったのですが、この人、それはそれは元気です。彼女は教会の世話やいろんな役割なんかも精力的にこなしていて、80代とは思えないエネルギーです。 元気なシニアを絵にかいたような人ローズマリーは身長が170cm以上あり、イギリス人女性にしてはかなり背が高く、

          年上の友人、ローズマリー

          英語能力指数:デンマーク人の英語をディスってみる

          非英語圏の英語能力を示す「英語能力指数 (English Proficiency IndexI)」の、2023年度版 国際ランキングが発表されました。 これは、スイスに拠点を置くEF Education Firstという語学学校運営企業が毎年おこなっているものです。合計 200万人以上に及ぶ成人のテスト・スコアをもとにしたもので、国別だけでなく、都市別、性別、年齢別などの英語能力の傾向を示すのに利用されています。 とはいえ、民間の一企業がやっていることなので、調査の手法に

          英語能力指数:デンマーク人の英語をディスってみる

          デンマークの永住権を取得した

          タイトルそのまま、デンマークの永住権を取得しました。 デンマークのビザ事情に詳しい方なら、え、なんで?と思われるでしょう。 というのも、日本人がデンマークの永住権を取ろうと思ったら、8年間継続してデンマークに在住するだけでなく、条件を満たす一定の収入があって、なおかつデンマーク語の試験に合格しないといけないからです。 私はデンマークに来て5年たったところです。デンマーク語は全く話せません。学術職なので、まぁ収入はありますが。 ではなぜそんなにすぐに永住権が取れたかという

          デンマークの永住権を取得した

          デンマーク料理がマズすぎる件

          イギリスからデンマークに移り住んで5年が経ちました。うそぉ…5年もたったの?信じられん。日々いろいろあるし、まぁ考えることも多いのですが、デンマークについてはあんまり書く気になれません。 というのも、デンマークについて日本人が書いている事って、「幸せの国デンマークって『特別』、そして、そこで暮らす今の私もなんか特別♡」みたいなノリのものが多いので、私が下手にデンマークのことを書くと、それらに水を差すことになり、一種の背信行為のような気がするからです。 とか何とか言いながら

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          人は7年ごとに変われるのか

          俗説に、「人は7年ごとに変われる」と言うのがあります。 おそらくこれは、「人間の細胞は平均 7 ~ 10 年ごとに再生する」ことに由来している説だと思います。 なので、「体も心も生まれ変われるから、7年後の自分を意識して切磋琢磨しましょう!」みたいな触れ込みのポジティブ思考の指南書もあります。 前向きに生きるのはいいことです。が、そもそも、人体の細胞は本当に7年ごとに生まれ変わるのか、と言うと、答えは "Yes" でもあり "No" でもあります。 細胞の再生周期結論を

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          「日本国籍」は国籍法に基づく

          日本の国籍について、昨年末から何度か日本のメディアで報道されているニュースがあります。たぶん皆さんご存じだと思いますが、京都在住の50代の女性が日本国籍所持の確認を求めて、国を相手どって提訴している件です。 なんでも、そのかたは 2007年にカナダの国籍を取得し、その後、親の介護のために2018年に日本に帰国。現在は日本の大学で教授をしているとか。 ちなみに、毎日新聞の見出しは『「日本人なのに不法滞在と宣告されました」:国籍法問う教授の闘い』。 は? なにそれ。 日本国籍

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          トランスジェンダー問題とデンマーク政府のヤバさ

          前回の記事を読まれた方の中には、日本の LGBT法に比べると、デンマークは比較的マトモかも、という印象をもった人がいるかもしれません。 しかしながら、北欧神話信者が日本でさらに増加すると困るので、今回は、デンマーク政府のヤバさについて一点明記しておきます。 その前に先ず強調しておきたいのは、トランスジェンダー問題については、政治的左派・右派の二元論はこの際さけるべきです。これは党を越えていろんな意見・立場があるからです。 ただ、だれが政権を担っているかは重要なので一応書い

          トランスジェンダー問題とデンマーク政府のヤバさ

          デンマークの LGBT事情

          日本で LGBT法案が物議をかもしていますが、デンマークは、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー(LGBT)については先駆的存在であり、LGBTの権利保護についても世界最高水準にあるとされています。 ただし、詳しい話をしだすと問題点も多々あり、そもそも私がデンマークのことを良く言う事はあまりないので、それについてはまた別の機会にするとして、今回は、デンマークにおける LGBT事情をざっくり書き留めておこうと思います。 性の定義が信じがたいほどユルいデンマー

          デンマークの LGBT事情

          LGBT法案の目的とは

          日本でLGBT法案が採決されたそうですね。こうなるともう止められないんでしょうか。LGBT法が成立・施行された場合、日本の社会問題が助長されるのは時間の問題です。 LGBTの「T」(トランスジェンダー)海外、特にアメリカではすでに大きな問題になっています。ここで特筆すべきは、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)とひとくくりにしがちですが、一番問題になっているのは LGBT の "T"、 Transgender (トランスジェンダー)である、とい

          LGBT法案の目的とは

          ビール・ヨガ:やっぱりデンマーク人は馬鹿なのだろうか

          ビール・ヨガですってよ、奥さん。(だれ) ええ、文字通り Beer Yoga です。ビールを飲みながらするヨガです。 最近デンマークで流行っているらしいです。 教育レベルが高く知的能力に優れた同僚に言わせると、「いや、流行ってるってほどでもないと思うけどぉ…」と言葉を濁しますが、少なくとも、首都コペンハーゲンでは最近とみに開催されており、頻繁にニュースにもなっています。 開催、と書いたのは、このビール・ヨガのクラスは、デンマークではなぜか大人数(100人くらい)を集めて屋

          ビール・ヨガ:やっぱりデンマーク人は馬鹿なのだろうか