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エステは脂肪を燃焼できるのか?真実と顧客が求めるギャップの現実

あなたがエステに求めるものは?
エステ界隈とトレーナーによる考え方の違い。
真実が違うとわかっていても抗えない人間の本質にせまる。

エステとトレーナー

筋膜リリースや血行改善、セルライトの除去など、美容と健康に関する話題は常に私たちの関心を引きます。しかし、これらの主張には科学的根拠が必要です。

今回は、エステ業界と一個人のトレーナーから見た観点の違いから、「エステで脂肪燃焼は可能なのか?」を解説していきます。
※全てがこうである。と言った内容ではありません。


結論

生理学的上、エステによる脂肪燃焼の考え方は、過度な広告であり現実的ではない。しかし、実際の顧客が"効果を感じている"ことも事実である。結果として、実績がある以上エステ業界でも「脂肪はなくなる」と公言出来るプロセスが完成されている。

【ここから分かること】
・生理学上は脂肪は燃えていない
・顧客が求める「脂肪燃焼は見た目の変化に寄与している可能性が高い」
・エステ界隈での「痩せる・脂肪燃焼」はマーケティング戦略としての口実であり、実施者がエビデンスとして保持している内容規模は店内実績や一部のエリア内に止まるものが多い。

具体的な見解やまとめは最後に記載しています。

エステ業界の見解

揉むことによる筋膜(Facia)の柔軟性

筋膜は、私たちの体の各部分を包み込む膜のことで、筋肉や心臓、胃などを保護しています。筋膜を揉むことで柔らかくなるかというと、揉むことだけでは不十分と言わざるを得ません。筋膜を緩めるためには、筋膜リリースが有効であり、軽い圧迫と伸張を加えた状態を2〜3分ほど保つことが推奨されています。

【実際に聞いたエステ業界の考え方】
・揉むことによって筋膜(Facia)の柔軟性が高まり、揉み込んだ部分の血行が良くなることで脂肪が落ちる。
・脂肪細胞に照射することで壊死させ、マクロファージ(貪食細胞)によって脂肪が減る。

なかなかにすごい理論です…。
トレーナーとしての見解は最後にまとめて話すので次にいきます

血行改善と脂肪の減少

血行が滞ると体の基礎代謝が悪くなり、体内の老廃物が脂肪となって蓄積されてしまいます。適度な運動を取り入れることで、筋肉が伸び縮みし血流を良くすることができます。定期的に続けていれば筋肉量が増えるため、代謝アップにもつながりダイエット効果を期待することができます。

【実際に聞いたエステ業界の考え方】
・血流改善することで、脂肪も一緒に流され排出されやすくなる。

セルライトの除去

セルライトは、脂肪細胞に老廃物がまとわりついて、変形してボコボコの状態になってしまったものです。セルライトが消えることはないでしょう。しかし、日々筋トレで筋肉を鍛えていると脂肪は燃焼しやすくなり、筋力もUPしてセルライトが解消されやすくなります。

【実際に聞いたエステ業界の考え方】
・血流の改善が脂肪燃焼にも影響するため、セルライトの除去にも影響してくる。

サロンと医療の照射威力の違い

医療脱毛と脱毛サロンの違いは、脱毛方式や施術を行う人、施術を受ける場所が異なります。医療脱毛は、強い出力でレーザーを照射して毛の生える器官に働きかけ、細胞を破壊します。一方、脱毛サロンでは、一定以上、照射出力を強くすることができないため、痛みは感じにくいと言われています。

【実際に聞いたエステ業界の考え方】
・最新のマシンだから、医療と同じ性能を持つ。そのため同じ効果が期待できる。

科学的根拠の規模

科学的根拠とは、確かな情報と判断するための実験や調査による証拠のことを指します。科学的証拠の基準は探求の分野により違うが、科学的証拠の信頼性は概して統計学的分析または対照研究の結果の信頼性に基づいています。

【実際に聞いたエステ業界の考え方】
・エビデンスは存在する(一部店舗内実績・エリア内)

トレーナーの見解

様々な考えを聞き、「確かにな!」と思う部分と異なる部分があったので、考察も含めまとめていきます。

Q.揉むことによる筋膜(Facia)の柔軟性が高まり脂肪がなくなる
A.脂肪がなくなったのではなく、既存にあった部位から移動したことにより、体の見え方が変わったのではないか。

Q.血行改善と脂肪の減少
A.エステ行為自体にそのような効果はない。定期的なメンテんすにより血行が改善されてく中で、顧客の食生活や活動レベルも絡み合い、結果的な副産物として「痩せる」に至った。

Q.セルライトの除去
A.脂肪そのものがなくなる訳ではないので、除去のための手段として「血行改善」に利用する。それと合わせて食生活と適度な運動の掛け合わせが最適ではないでしょうか。『エステ×食生活×運動』

Q.エステと医療の照射と効果
A."消費者庁"勧告からもわかるようにエステによる「〇〇kg落ちる」「寝るだけ脂肪燃焼」のようなセールスは信頼とサービスの品質を問われるとされています。そもそも医療であれば施術者の任も重要とされる中で、「うちのマシンは医療と同じ最先端です」というのであれば、”施術者の腕は問われない”と自分で言っているようなものです。

Q.科学的根拠
A.モニタリングケースの規模が圧倒的に低いです。私たちトレーナーが基準とするエビデンスとは「一つの課題に対し、何百何千人、複数パターン、肯定的、否定的結果によって導き出された長期的研究によるものです」それでも状況や環境が変化することによって結果の内容も異なってきます。そういった複雑なプロセスを踏んだものを参考にそれぞれに仮説を立て、より確率的に高いものを自分の引き出しとして、所持しています。なので一部エリア・店内単位と言われても「ちょっと情報としては薄いかな」と思わずにはいられません。

まとめ

とは言っても、「顧客が満足している」という点を考えると、やはりエステに通うだけの価値はあるように感じます。

真実は異なっているとしても、事実顧客の体が変化し、「痩せた」と思わせる効果があるというのは、サービス業としては「本質的部分」を捉えているのではないでしょうか。



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