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加圧トレーニングとウエイトトレーニングの比較と選択の仕方

加圧トレーニングとウエイトトレーニングの比較

一時期流行し、今もなお根強い人気を誇る少し特殊なトレーニング法があります。それが「加圧トレーニング」です。

この記事では、加圧トレーニングとウエイトトレーニング(通常の筋力トレーニング)について詳述します。

最初に結論から申し上げると、

筋肥大・筋力向上の点では、ウエイトトレーニングの方が効果的です

つまり、筋肥大・筋力向上を目指すなら、ウエイトトレーニングを取り入れるべきです。

まずは、加圧トレーニングそのものについて確認していきましょう。



そもそも加圧トレーニングとは?

加圧トレーニングは、「専用のベルトを腕や脚の付け根に巻きつけて圧力を加え、血液量を制限しながら行うトレーニング法」です。初めて知ったときは「画期的だ」と感じました。以前在籍していた施設でも非常に人気があり、受講者の多くは女性でした。

ちなみに、加圧トレーニングの料金は通常のパーソナルトレーニング(ウエイトトレーニング)よりも少し高めに設定されています。

  • 加圧トレーニング30分:4,500円

  • 通常のパーソナルトレーニング30分:3,000円

加圧トレーニングの効果

加圧トレーニングによる効果として、「ダイエット効果」「筋力アップ」が挙げられます(KAATSU TRAINING JAPAN 加圧トレーニングのオフィシャルサイト)。

ダイエット効果

加圧トレーニングを行うと増大する成長ホルモンによって、太りにくい体になります。また、トレーニングで筋肉が増えると脂肪が燃焼しやすい体質になります。

筋力アップ

軽い負荷で高い効果が得られるので、トレーニングを続けやすいのが特徴です。さらに、ケガのリスクも低いため、老若男女問わず実践できます。

 ウエイトトレーニングとの比較

加圧トレーニングには筋肥大・筋力向上効果があることは理解できましたが、その効果がどの程度かが重要です。

例えば、筋肥大・筋力向上において、ウエイトトレーニングの効果を「100」とした場合、加圧トレーニングの効果が「200」であれば、デメリットが多少あっても取り入れる価値があります。しかし、効果が「50」であれば、他のメリットがなければ取り入れる必要はないでしょう。

論文での検証

以下のような実験結果があります。

【参考文献はこちら】
Relationship between limb and trunk muscle hypertrophy following high-intensity resistance training and blood flow-restricted low-intensity resistance training
高強度抵抗トレーニングと血流制限型低強度抵抗トレーニング後の四肢および体幹筋肥大の関係

  • 30人の男性を10人ずつ3つのグループに分ける

    • 30%1RMの重量を扱う加圧トレーニンググループ(加圧G)

    • 75%1RMの重量を扱うウエイトトレーニンググループ(ウエイトG)

    • 非訓練グループ

    • ベンチプレスを週3回6週間継続

結果は次の通りです。

  • 加圧Gは上腕三頭筋・大胸筋断面積がそれぞれ4.9%・8.3%増加

  • ウエイトGは上腕三頭筋・大胸筋断面積がそれぞれ8.8%・15.8%増加

  • 加圧Gはベンチプレス1RMが8.7%増加

  • ウエイトGはベンチプレス1RMが19.9%増加

これらのデータから、筋肥大・筋力向上においてはウエイトトレーニングの方が効果的だと判断できます。

同重量を扱った場合

同重量を扱った実験はこちら。

【参考文献はこちら】
Effects of high-intensity and blood flow-restricted low-intensity resistance training on carotid arterial compliance: role of blood pressure during training sessions
高強度および血流制限低強度抵抗トレーニングが頸動脈コンプライアンスに及ぼす影響:トレーニングセッション中の血圧の役割

10名の健康な若者を対象
・一方の腕は加圧トレーニング(加圧腕)
・他方の腕はウエイトトレーニング(ウエイト腕)
を行い、週3回6週間継続する。

結果、加圧腕とウエイト腕は同等の筋肥大・筋力向上が見られました。しかし、加圧腕は圧倒的に短い時間でトレーニングを終えています。

考察

加圧トレーニングは血液量を制限するため、ウエイトトレーニングより早く限界がきます。これにより関節への負担が少なく、関節に問題を抱えている場合など、低重量でしかトレーニングできない場合には加圧トレーニングを取り入れる価値があります。

まとめ

筋肥大・筋力向上においては、加圧トレーニングよりウエイトトレーニングの方が効果的です。つまり、筋肥大・筋力向上を目指すならウエイトトレーニングを取り入れるべきです。ただし、加圧トレーニングにも筋肥大・筋力向上効果があることを忘れないでください。

パーソナルジムで、あらかじめ期間が決まった中で効果を出したい人は、ウエイトトレーニングを用いた方が効果は期待できると思います。

目的・期間によって加圧は取り入れていくことがベストな選択です。

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