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女神の壊れた天秤19~自転車事故 裁判の行方~

「汝に法を与えん」裁判所に上告をしてから約八か月。 とうとう判決の日を迎えることになりました。 とても長く感じましたが、これでも短くおわったほうと言われました。 経緯を知る、協力してくれた周囲の方々はみな、 この戦いの結末を楽観的に考えていましたが、 私は最後の最後まで不安でたまりませんでした。 もちろん法律的にも、事故の事実としても、 自分の過失が低い自信はありました。 しかし、あまりにも長く、そして強く、 何の証明も説明もされないまま、 「加害者なんだから」と言われ

    • 女神の壊れた天秤18~自転車事故 裁判の行方~

      裁判はいよいよ大詰めを迎え、最終尋問となりました。 今までは書面で主張をしたり、それに証拠をもって反論したりを 繰り返してきましたが、今回は裁判官や相手の弁護士から 直接いろいろな質問をされます。 これまでやりとりした内容の総まとめにもなるので 一番、気合をいれて対応していかなくてはなりません。 ここで矛盾やおかしな発言をしてしまうと、 裁判官や司法委員の心証が一気に覆ることもあるからです。 今回は欠席でしたが、もし相手が出廷した場合は、 こちらからも相手に対し質問す

      • 女神の壊れた天秤17~自転車事故 裁判の行方~

        虐げられている人たちにとって 相手はコロコロと主張を変え、ついには 「原告(私)が路外から歩道に猛スピードで侵入してきたから  被告は避けきれずに衝突した」と言い出しました。 確かに公園や駐車場から歩道や道路に侵入する場合、 その注意義務は侵入する側に強く求められ、 事故が起きた時の過失割合も高いものになっています。 しかし今回は横断歩道前の信号待ち。 まったく事実と異なっているのです。 しかしそれを確実に証明していかなければ、 (もし事実かもしれないという可能性を残し

        • 女神の壊れた天秤16~自転車事故 裁判の行方~

          正義は与えられるものじゃない 相手が主張を変えたことにより動揺しましたが、 裁判官や司法委員がほぼ100%、 こちらの主張を支持してくれていることを知り、とても安堵しました。 しかし、この後さらに怒りに震えるような 驚く展開が待っていたのです。 今回は主張に基づく証拠も添えられていました。 被告と原告それぞれの衝突前の位置(状態)と、 衝突位置が書き込まれた現地の地図でした。 「外部のリサーチ会社が相手に対して聞き取り調査した結果」と 銘打っており、本来ならばれっきとした

        女神の壊れた天秤19~自転車事故 裁判の行方~

        • 女神の壊れた天秤18~自転車事故 裁判の行方~

        • 女神の壊れた天秤17~自転車事故 裁判の行方~

        • 女神の壊れた天秤16~自転車事故 裁判の行方~

          女神の壊れた天秤15~自転車事故 裁判の行方~

          法は些事にこだわらず 第一回の口頭弁論は、静かに、つつがなく、短時間で終了しました。 次に自分がやることは、相手が出してきた答弁書(訴状に対する反論)に 対して、それを事実でない部分は証拠をつけて覆し、 また自分の正当性を(同じく証拠を添付し)主張するのです。 法廷では何も言えない(いう機会がない)ため、 この書面でできるだけ確実に、裁判官に主張を伝えなくてはいけません。 しかし… 横断歩道前で、信号待ちからの発進であると、 事故後に提出した書類にはもちろん書いてあり

          女神の壊れた天秤15~自転車事故 裁判の行方~

          女神の壊れた天秤14~自転車事故 裁判の行方~

          沈黙する者は同意するものとみなされる 数々の証拠や判例を添えた訴状を問題なく提出することができ しばらくは放心状態でした。 保険会社には、最後の電話で「裁判しかないですね」と言われ その際に「そうですね」と返事をしたので (訴訟を起こす意思を伝えたことになるかと) わざわざ連絡はしませんでした。 相手にもすぐに訴状は届いたようでしたが、 結局保険会社からは裁判が終わるまで連絡がくることはありませんでした。 (もうなにも連絡することがないため当然ですが) そんぽADRとは

          女神の壊れた天秤14~自転車事故 裁判の行方~

          女神の壊れた天秤13~自転車事故 裁判の行方~

          我に事実を与えよ 訴状自体はフォーマット通りに記入していくだけのものですが 証拠については、あれもこれもと盛り込みたくなるのが人情です。 特に過去判例は、裁判にとってとても重要なため (本来は保険会社が過失割合を決定する際にも重要なはずですが…) これは類似と思われるものは全て添付しました。 また交通法に関しては、裁判官はもちろんご存じですが こちらも添付したほうが良いと弁護士さんに言われました。 証拠はとにかく分かりやすく・伝わりやすいのが良いそうです。 そのため相手が

          女神の壊れた天秤13~自転車事故 裁判の行方~

          女神の壊れた天秤12~自転車事故 裁判の行方~

          権利の上に眠るものを法は救わない 相手がもし、まともな感覚の持ち主で、 違法な過失割合を主張しているのが、実は保険会社だとしたら。 そう考えていた私でしたが、実際に会って話し、 また後日、自分に関する嘘の情報を保険会社に流されたことで 相手に対する気遣いは無用なのだと思い知りました。 もちろん保険会社に対しても、これ以上こちらの言い分を伝えたり 相手の意志をくみ取ろうとする作業に時間を費やすのは とても無駄なことだと分かりました。 (かなり前からそれは痛感していましたが、

          女神の壊れた天秤12~自転車事故 裁判の行方~

          女神の壊れた天秤11~自転車事故 裁判の行方~

          剣なき秤は無力、秤なき剣は暴力 私に公的機関からもらった過去判例や交通法を見て また警察から、子どものためにも 現実的な見方をするようたしなめられ、 事故の相手の親は初めの勢いを失っていました。 するといきなり、過失割合にはもともとこだわってない! などと言い出したのです。 それはさっきまで「うちの子が完全に被害者だ!」 などと言っていたこととは矛盾するのですが、 ともかく話を聞いてみました。 調査員の話になった時には「そんなの知らない」を繰り返していました。 「調査なん

          女神の壊れた天秤11~自転車事故 裁判の行方~

          女神の壊れた天秤10~自転車事故 裁判の行方~

          何人もその思考に関して罰せられない 前回、保険会社を経由して、人身に切り替えることと、 裁判に移行する可能性が高いことをきちんと確認しました。 本来、そんな確認などしなくても病院の診断書もある大けがをした以上 承諾など得なくても切り替えることは可能です。 しかしこれまでのやり取りで感じたことは この過失割合によってメリットがあるのは主に保険会社なので 当の本人(事故の相手の学生)がもし、何にもこだわりはなく 今回の件にかかわっていなかった場合、 そちらを攻撃することになる

          女神の壊れた天秤10~自転車事故 裁判の行方~

          女神の壊れた天秤09~自転車事故 裁判の行方~

          法の目的は平和であり、これに到達する手段は闘争 そんぽADRセンターの介入を経て、保険会社の対応は少し改善されました。 (ふざけた物言いは減り、強引に同意させようとすることはなくなった) しかし過失割合については一切変わりませんでした。 こちらの保険会社の言い分では、事故の相手が強固に 「うちの子は完全に被害者だ!」と譲らないそうで、 「S様(私)のように落ち着いた話は全くできないんです・・・」 とボヤいていました。 私は相手に誤解されていたようですが、 気弱なわけでも達

          女神の壊れた天秤09~自転車事故 裁判の行方~

          女神の壊れた天秤08~自転車事故 裁判の行方~

          良き法律家は悪しき隣人? そんぽADRに勧められた調停は「紛争解決手続」といい 私と相手(保険会社と事故の相手)、 そして中立的な紛争解決委員(弁護士さんなど)が集まり 話し合いをして解決を試みる方法です。 ただ以前、新聞等の記事にもありましたが 基本的に争いである交通事故での話し合いにはあわないため 問題解決に利用されることが低かったり、 解決にたどり着かないことが多いようです。 電話にすらでない相手が話し合いの場に来てくれる可能性は低く あの見当違いな資料(過去判例で

          女神の壊れた天秤08~自転車事故 裁判の行方~

          女神の壊れた天秤07~自転車事故 裁判の行方~

          選ばれた者は凡人社会の法を無視する権利がある 複数の法律相談所で、この過失割合が違法だと言ってもらえたのは 本当にうれしかったです。 しかし実際の、保険会社とのやりとりは何一つ変わっていませんでした。 私はなんとか状況を打破しようと、さまざまなことを試し 過失割合の是正を訴え続けました。 (状況をシンプルに伝えるため、時間の経過を感じないかもしれませんが  実際は2,3か月くらい交渉を続けました) そして前回の法律相談所で、最初の手段として紹介されたのが そんぽADRセン

          女神の壊れた天秤07~自転車事故 裁判の行方~

          女神の壊れた天秤06~自転車事故 裁判の行方~

          「正義の尺度は声の多数ではない」 相談に乗ってくれた自治体の弁護士さんは、 この異常な過失割合についていろいろな情報を教えてくれました。 (この交通法律相談の窓口は無料なのですが  予約さえすれば何回でも相談に乗ってくれる上、  大変親身に、かつ客観的な意見も述べてくれ  いろいろ助けていただきました。  もちろん愚痴を言う場ではなく、今後、  問題解決のために具体的にできる策をいろいろ授けてくれました。  ただし代行や裁判への参加は無理なので、  自分できちんと進めていく行

          女神の壊れた天秤06~自転車事故 裁判の行方~

          女神の壊れた天秤05~自転車事故 裁判の行方~

          「権利を主張して咬みつかれるよりも」 ~意味不明なやりとり~青信号で横断歩道を渡り始めた瞬間、 自転車の側面に衝突された私の過失が7で、 徐行すべき下り坂の歩道を猛スピードで下ってきて 急な進路変更でぶつかってきた相手の過失は3。 それが今回の事故の過失割合といわれて、 私は言葉を失いました。 調査員から相手がとても非協力的で連絡が取れないと聞いたというと 保険会社の担当は焦ったように、 「え、あ、聞いたんですか?あ、まあ、そうなんですけど」 と答えましたが、妙に強い口調

          女神の壊れた天秤05~自転車事故 裁判の行方~

          女神の壊れた天秤04~自転車事故 裁判の行方~

          「疑わしいときは被告人の利益に」 ~調査員による質疑応答~事故直後とうってかわって、 相手が自分が被害者だと言い張っていることを知りました。 かといってこちらが悪人(加害者)として話を収めるのは どうしても納得がいきません。 態度を変えたことも腹立だしいですが、 それ以上にあの学生が、事故について反省するどころか 被害者としてあの運転を続けることが考えられるため 事故の再発につながる可能性もあり、 それは子どもの親としてとても恐ろしいことだと感じました。 私がその過失割合

          女神の壊れた天秤04~自転車事故 裁判の行方~