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女神の壊れた天秤05~自転車事故 裁判の行方~

「権利を主張して咬みつかれるよりも」

~意味不明なやりとり~

青信号で横断歩道を渡り始めた瞬間、
自転車の側面に衝突された私の過失が7で、
徐行すべき下り坂の歩道を猛スピードで下ってきて
急な進路変更でぶつかってきた相手の過失は3。

それが今回の事故の過失割合といわれて、
私は言葉を失いました。

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調査員から相手がとても非協力的で連絡が取れないと聞いたというと
保険会社の担当は焦ったように、
「え、あ、聞いたんですか?あ、まあ、そうなんですけど」
と答えましたが、妙に強い口調で
「でもちゃんとやりましたよ!」と言いました。

相手の供述(事故の状況)はどんなものだった尋ねたら、
向こうの事故状況報告書そのままでした。
(私の自転車と相手の自転車がぶつかった、としか書いてない)
それをそのまま事実とする根拠と、
そもそも相手はいろいろな交通法に反しているのでは?
と訴えました。

しかし返答は「とにかく、過去判例通りの過失割合です」。

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保険会社の担当の言い方は、
すでにこちらにとっては脅しともいえるものでした。
これ以上、過失を大きくしたくなかったら妥協しろ!と。

今回のタイトル「権利を主張して咬みつかれるよりも」は
リンカーンの有名な言葉の一部です。
『細道で犬に出会ったら、
 権利を主張して咬みつかれるよりも、
 犬に道を譲った方が賢明だ。
 たとえ犬を殺したとて、咬まれた傷は治らない。』
つまり
「こちらにじゅうぶんに理があると思われる場合でも
 理屈の通じない相手には譲った方が安全だ」
ということなのです。

たしかに金持ち喧嘩せず、とも言いますし、
多少のことは譲り合うべきだし、
相手が年少ならこちらが泥をかぶるくらいで丁度よいと私も思います。

しかし、私はこの時点で、私が誰と戦っているのか気付いていました。

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私は事実を明らかにすべく、いろいろ行動しました。
身内や友人はどうしても客観的な意見は難しいため
法律(交通法)に詳しいプロのみに絞って相談しました。

30分無料で相談に乗ってくれる弁護士事務所、
電話で相談できる公的な法律相談機関(もちろん無料)、
そして最後まで力になってくれた地元自治体(役所にありました)の
弁護士さんや交通指導員さんなどです。

こういった機関を利用することで、交通費以外の出費はほとんどなく
私は本人裁判(弁護士に委託せず訴状作成から判決まで自分一人で行う)を
終えることができました。

話を聞いてもらう際、私の話だけではどうしても偏りがあるため
(相手の供述をもってしても私の過失が少ない自信はありました)
警察で作成された書類や事故状況報告書、現場の地図など
客観的に判断できる資料を集めました。

そしてどこにいっても次のことを言われました。
「その過失割合は絶対にあり得ない」
そしてそれに基づく過去判例や道路交通法を
きちんと提示してくれました(コピーしてくれました)

そしてもうひとつ。
「最近、そういうの増えてるんだよね」

次回は「正義の尺度は声の多数ではない」


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