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ペンシルベニア大学が1,982人の高校生を調査!「アドバイスを与える側」の「学業成績」は変わるのか!?

【参考文献】A large-scale field experiment shows giving advice improves academic outcomes for the advisor

みなさんは、仕事や勉強に追われていますか?

仕事や勉強を進めなきゃいけないのに、なかなか手がつけられないことは誰しもありますよね。もしかしたら今がまさにその瞬間かもしれません。

そういったやる気のないときには、誰かが自分の側にやって来て、「やる気の出るようなアドバイスをくれたらな…」そう思うこともあるでしょう。しかし、そんな都合よい人はなかなか居ません。(むしろ、あまり欲しくないときにアドバイスをくれる人は多いかもしれませんが)

ところでみなさんは、良い影響であれ悪い影響であれ、アドバイスは「もらう側」に影響があるとお思いではなでしょうか。

実は、アドバイスは「与える側」にも影響が及びます。

しかも、アドバイスを与えることにより、あなたの成績UPに繋がる可能性が高いのです。

ペンシルベニア大学の研究[文献1]において、1,982人の高校生を対象に「アドバイスを与えること」により「学業成績が上がるか」が調べられました。

【方法】
●1,982人の高校生は7つの異なる高校から集められました。

●高校生らはランダムに、
A:アドバイスを与えるよう指示されたグループ
B:何も指示されなかったグループ

に分けられました。

「A:アドバイスを与えるよう指示されたグループ」は、
・自分より若い学生に向けて、14の自由形式の質問に回答する形で、「最適な学習場所」と「学習戦略」についてアドバイスを与えました。
・また、「学校でより上手くやりたい」と思っていた匿名の若い学生に宛てて「やる気を起こさせる手紙」を書きました。
介入時間は平均で8分間でした。

●それぞれの学生は、
1)パフォーマンスの向上を最も望んでいるターゲット授業
2)数学の授業(←多くの高校生が苦手とする授業)

の2つの授業を受け、それぞれの授業の最終成績が評価されました。

次のような結果が得られました。

【結果】
・「平均8分間のアドバイスを与えたグループ」は「アドバイスを与えなかったグループ」と比較して有意に学業成績が高かった。
・「パフォーマンスの向上を最も望んでいるターゲット授業」および「多くの学生が苦手とする数学の授業」の両方において有意に成績が高かった。

なお、今回の研究において、成績の違い自体はそこまで大きくはありませんでしたが、たった8分の1回のみの介入で、有意な成績の差を確認できました。

「アドバイスを与えること」は、お金もかからず、時間もあまりかからないので、私達が実践する際には、何度も行うことで、より効果が高めるられると考えられます。

また、本研究の筆者らは、「アドバイスを与えること」と「成績向上」の関連について、次の3つを考察しています。

1)アドバイスを与えることにより、認知的不協和を避ける(自分で言っておいて、自分ができていないのはストレスが掛かる)ために主張することを信じるようになる[文献2]。
2)アドバイスの生成に伴う反省は、アドバイザーが自分の生活の中で推奨される行動を実行するための具体的な計画作成を促す[文献3]。
3)アドバイスを受けることとは異なり、アドバイスを与えることは自信を高めることができる[文献4]。

もし、アドバイスを与える相手が見つからないという方は、SNSを使っても良いかと個人的には考えております。

SNSでも、他人の目に触れることにより、

上記1)のように、「他人に言っておいて自分ができないのは恥ずかしい」というプレッシャーを掛けられますし、
また、上記2)のように、アドバイスを文書化することによって、自分を振り返ることができ、そのアドバイス自体が自分の行動計画になります
さらに、そのアドバイスに対してフォロワーからフィードバックを得られると上記3)のように自信にも繋がります。

日常に「アドバイスを与えること」を取り入れれば、あなたの仕事や勉強での成績向上に繋がるはずです。

もし、身近にアドバイスを与える相手がいなければ、SNSなどをうまく活用してみてはいかがでしょうか。

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