結局、コーヒーは体に良いのか?悪いのか?(コーヒーが健康に与える影響を調べたレビュー論文より)健康上のメリットをもたらすカフェイン摂取量は?
コーヒーは、中枢神経系への刺激効果と味と香りのために、世界中で最も人気があり広く消費されている飲料の1つです。
コーヒーは800以上の揮発性化合物の複雑な混合物ですが、カフェインとクロロゲン酸が最も一般的な化合物です。なかでもカフェインによるアデノシン受容体の拮抗作用を通じてコーヒーの主な効果を発揮します。
コーヒーが健康に与える影響を調べたレビュー論文[文献1]より、
・まだ結論が出てない領域
・およそコーヒーを飲むことにより利点が得られる領域
・推奨される摂取量
を紹介します。
コーヒーが有益な効果をもたらすかどうかまだよくわかっていないのが、
・心血管疾患への影響
です。
「コーヒーの摂取により心疾患リスクを上げる」「心疾患リスクを下げる」「コーヒーの摂取量と心疾患には関係がない」
と様々な結果が見られます。心疾患系のコーヒーの影響は、今後の研究結果をさらに吟味する必要がありそうです。
一方、近年、疫学研究および実験的研究を検討すると、コーヒーの摂取により次の2点については予防に役立つ可能性が高いです。
A.2型糖尿病
B.肝疾患を含むいくつかの慢性疾患
それぞれ見ていきます。
A.2型糖尿病について、
1109272名の研究参加者と2型糖尿病の45335の症例に基づく系統的レビューとメタアナリシスによると、コーヒーの消費と糖尿病のリスクとの間に強い逆相関があることを示しています。コーヒーをまったく消費しない場合と比較して、6杯/日のコーヒーは2型糖尿病のリスクが33%低くなる。[文献2]
という結果が出ています。
B.肝疾患を含むいくつかの慢性疾患については、
たくさんのポジティブな結果があります。
・高いコーヒー消費量(1日当たり2カップ以上)がより低いリスクと関連しし、コーヒーを飲まない人と比較して、ALTレベルが上昇した慢性肝疾患のリスクが44%低くなる。[文献3,4,5]
・アルコール性および非アルコール性肝硬変の330人の患者を対象とした最近の大規模コホート研究[文献6]では、特に大量のアルコールを飲んだ人において、コーヒーの飲酒(1日当たり4カップ以上)と血清酵素レベルの上昇との間に強い反比例の関係していた。
・コーヒーの摂取により肝硬直が減少し、これは、非アルコール性脂肪肝疾患、C型およびB型肝炎ウイルス感染症の患者の線維化と炎症が少ないことを示している。[文献7]
肝臓系には良い影響があると言って差し支えなさそうです。
まとめ
コーヒーは、2型糖尿病や肝臓疾患等、代謝系には良い影響がありそうです。一方で、心疾患系にはまだコーヒーが良い影響を与えるかどうかがわかっておらず、むしろ悪影響をもたらす可能性もあります。
以上を踏まえ、レビュー論文の著者は、
健康上のリスクより健康上の利点が上回る適度な量のコーヒーは、「成人で3 ~4カップ/日(カフェイン換算300〜400 mg /日)」
と推奨しています。
また、カフェイン感受性に個人差があるため、適宜、増減することも言及しています。特に子供については、摂取量を減らすことを推奨しています。
・心疾患に持病をお持ちの方などは、念のため量を減らすのが無難でしょう。
・一方で代謝系を改善したい方は1日4カップ程度とやや多めに飲んでも良いかもしれません。
当記事は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?