若槻嘉亮 Hiroaki Wakatsuki

若槻嘉亮です。株式会社アングラーズの代表をやっています。月間150万人以上が利用する国…

若槻嘉亮 Hiroaki Wakatsuki

若槻嘉亮です。株式会社アングラーズの代表をやっています。月間150万人以上が利用する国内最大級の釣りSNS「ANGLERS」を運営。 https://corp.anglers.jp/

最近の記事

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創業9年でようやくスタートラインに立てた話

PMFに至るのは簡単ではなかった スタートアップ界隈では、「PMF(Product/Market Fit)がない事業は成功せず、PMFは事業成功の唯一の必要条件」と言われ続け、PMFという言葉を作ったBenchmark CapitalのAndy Rachleffは、 The only thing that matters is getting to product/market fit. プロダクトマーケットフィットに至るかどうかのみが重要。 と説いています。Marc

    • 挑戦する勇気をもらった話

      先日、前澤友作さんのドキュメンタリー映画の試写会に行ってきました。関係者の方々が参加し、私も出資いただいている関係でお声がけいただきました。 当日は、映画の試写会だけではなく、関係者との交流や、前澤さんが当時どのような心境だったのか。そのあと周りからどのような反応があったのか。また、今までの人生や価値観のお話などがありました。 そのお話を伺うなかで、改めて挑戦する意欲が湧き出たというか、挑戦する価値を再確認したので、その話を感情や記憶が新しいうちに言語化したいと思い、今回

      • 感情的緊張をうまく解消できなくなると、パフォーマンスが低下する

        楠木建さんが推薦されている書籍、ピーター・センゲの世界的なベストセラー「学習する組織」の中に、「創造的緊張」と「感情的緊張」という言葉が出てきます。 創造的緊張とは、現状と目標との乖離に生じる緊張(エネルギー)のことです。現状と目標の二つが極めて近い距離にあれば、それほどの緊張は生まれません。 一方、現実と目標の距離が遠ければ遠いほど、緊張は強くなります。書籍の中ではこれをゴムバンドに例えて、遠いほどゴムバンドは伸びて、二つのあいだに引っ張り合う強力な力が生まれます。

        • やる気のある人がパフォーマンスを発揮できる環境が、心理的安全性の高い状態

          先日、山中湖の近くでアングラーズ合宿を行いました。その中のコンテンツの一つに「心理的安全性」をテーマにしたものがあり、改めてその定義について考える機会がありました。 企業内での心理的安全性とは?リクルート社が定義している内容は、下記のようです。 私なりの定義を少し付け加えると、事業などの目的に対して、言わなければいけないことを言える状態も一つの心理的安全性だと思っています。(攻撃的な表現にならないことは前提として)ときには内容として厳しいことも伝え合う場面が出てきます。

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        創業9年でようやくスタートラインに立てた話

          事業をつくるときの「判断基準」 vol.2

          前回、事業をつくるときの「判断基準」を書きましたが、今回はThink Bigの考え方の中でも未来からの逆算について記載します。 価値のある事業や仕事とは何か?容易にパッと思いつく施策におぼれているときほど、この問いがぐさっと刺さります。今からやろうと考えていることが、「待ってました!」「早くよこせ!」というくらいに、果たして本当にユーザが喜んで使うものなのか?という問いに置き換えても良いかもしれません。 もしこの問いの答えが不明瞭であるならば、何かがまだ紐解けていなかった

          事業をつくるときの「判断基準」 vol.2

          事業をつくるときの「判断基準」

          事業の判断は大小合わせると色々ありますが、その中でもっとも大事にしていることは、 です。これは、安易に運営者目線でのラクな施策におぼれて、多くの顧客が喜ばない新規事業や機能実装しないためにも重要な考えだと捉えています。 10Xで考えると、不思議と自社だけではなく、必ずユーザ・取引先・社員のみんなもwinになっていることに気づきます。 自分たちが面白いと感じる事業は大切ですが、それだけを追ってしまい社会へのインパクトが小さい打ち手を選んでしまうと、最終的にはメンバーさえも

          事業をつくるときの「判断基準」

          明日を変えられるのは今を変えた人

          たまたま秋田ひろむさんが作詞作曲した中島美嘉さんの曲を奥さまが聴いていて、その中で琴線に触れるフレーズが耳に入ってきたのでメモ的なつぶやきです。 「明日やろうは馬鹿野郎」という言葉もありますが、明日を変えようと思ったときに、明日の自分や会社(他の人)に変えてもらうことを期待するのではなく、今日の自分の行動を変えていないと明日が変わることはないと思っています。 スタートアップはとくに(世界や業界の)明日(未来)を変えるための会社です。明日(未来)を変えるために、今ここで何か

          明日を変えられるのは今を変えた人

          パフォーマンスのすべては集中力次第

          先日、食中毒になって体調を崩しました。 その間もなんとか仕事に集中しようと努めていたのですが、体調が悪いと全然目の前のことに集中できず、パフォーマンスがかなり落ちてしまいました。周りの方々にはご心配をお掛けいたしました。。よく健康は、崩したときにその有り難みに気づくと言われますが、私も身をもってそれを痛感しました。 また、そのとき改めて、集中力とパフォーマンスは密接に繋がっていることに気づかされました。パフォーマンスは、集中力次第と言っても過言ではないほど影響しています。

          パフォーマンスのすべては集中力次第

          子どもは遊びながら仮説検証する

          子どもたちが遊ぶのを観察していると、日々いろんな新しいことを試して実験していることに気づかされます。 未知のものに対して、それが何なのか。できるかできないか。美味しいか美味しくないか。などを知っていき、できないものはできるように何度もチャレンジしています。 やっていることはすべて日常の些細なことではありますが、そのサイクルやチャレンジ精神は、まさに起業家そのものだと感じさせます。 その源泉となっているのが、目の前の物事に対する圧倒的な好奇心です。 道端に生えている雑草

          子どもは遊びながら仮説検証する

          健全な危機感を持つチームが、事業を成功に導く

          当事者が強い危機感を持っているプロジェクトほど、上手くいきやすいと常々感じます。 スタートアップは、市場の変化に柔軟に適応しながら開発を行なっていますが、世の中の前例を踏襲するだけでは上手くいきません。自社が挑戦している領域やプロダクト、ユーザなどの状況により最適解を見出さなければいけない場面が日常茶飯事です。 そのような状況で事業や企業の舵を取っていくためには、まず圧倒的な当事者意識が必要です。 当事者意識がないと「このままではまずい(危機感)」は芽生えない 事業やプ

          健全な危機感を持つチームが、事業を成功に導く

          頭のネジを外すのが、 重要な価値観になっている

          ここ最近、ますます世の中の変化が速くなっており、それについていけない企業は市場から置き去りになっています。 他領域でも圧倒的なネットワーク効果を築き、他プレイヤーが全く牙城を崩せない状況だったところから、市場の変化に対応できずにシェアが奪われてしまった事例があります。 ずば抜けたユーザ支持を築いたプロダクトでさえもそうなるのであれば、どんな企業でも足をすくわれる可能性があるということです。 それほど市場やユーザ自身の興味関心の移り変わりは速いですし、今までの状態に変にこ

          頭のネジを外すのが、 重要な価値観になっている

          会社の「水」の話

          今日はいつもと毛色を変えて、少し会社の話をしたいと思います。アングラーズには三つのバリューがあり、その中の一つに、 誠実でありつづける というものがあります。 ごく当たり前のことかもしれませんが、アングラーズは「誠実」であることをとても大事にしているため、行動指針の一つとしています。 昔ある企業の方と話していたら、「会社の中で誠実でいることは意外と難しい」と仰っていました。その方が言うには、実は誠実でいられないような構造的問題が、多くの会社には存在しているとのことです

          会社の「水」の話

          「長期的に重要なこと」はなぜ後回しになってしまうのか?とその解決法

          仕事でもプライベートでも、長期的に重要なことは後回しになりがちです。 スティーブン・R・コヴィー博士が、成功者に関する200年分の文献を緻密に調査・分析してまとめた名著「7つの習慣」でも、人生の最優先事項は「緊急ではない重要なこと」であり、それにより人生の幸福度合いが決まると説いています。 しかし多くの人は、本質的なことが後回しになっています。それをしないからといって、今すぐ命を落とすわけでも、明日会社が潰れるわけでもないので蔑ろになっています。 これは多くの経営者も久

          「長期的に重要なこと」はなぜ後回しになってしまうのか?とその解決法

          不要なバイアスは、どうすれば剥がれるのか

          生きていると色んなバイアス(先入観、偏見)が染みつき、それがその人の常識や習慣となります。一度染みついた「こういうものだ」という印象や思考、偏ったものの見方はなかなか取れません。 自分自身では気づかない無意識の先入観は、環境要因からの影響が大きいですが、理に適っている点もあります。 バイアスがあることにより、わざわざ思考を働かせなくても自動で判別をしています。「こういうものだ」と決めつけることにより、判断のスピードが早くなります。自動化は考える必要性を無くすので、カロリー

          不要なバイアスは、どうすれば剥がれるのか

          決断することはCXOの仕事

          経営者は、日々決めなければならないことが沢山ありますが、情報が完璧に揃うことはありません。あらゆる意思決定は、中途半端な情報しか揃わない状況で迫られます。 「もう少し有益な情報があれば、躊躇なく決められるのに」という状況にも関わらず、その選択により企業の方向性、明暗が分かれる意思決定が度々訪れます。 かといって、情報が揃うのを待つわけにはいきません。 いつ揃うのかもわかりませんし、待つことにより、事業スピードが減速してしまいます。意思決定の遅さはスタートアップにとっては

          決断することはCXOの仕事

          会社経営をしていると、「人に優しくすること」の本質を深く考えさせられる

          ジェフ・ベゾスが祖母に放った「残酷すぎる一言」には、ある一言で祖母を泣かせてしまった、という自らの苦い経験が語られています。 喫煙家の祖母に対して、1日に吸うタバコの本数とタバコ1本につき何回吸うかなど、およその数を幼い頃のジョブズは計算。そして鼻高々に「ひと吸いで2分なら、もう寿命が9年縮んだね!」と伝えたところ、祖母がわっと泣き出したのです。 するといつも寡黙な祖父が、 「ジェフ、賢いよりも優しいほうが難しいんだ。いつかおまえにもわかるときがくる」 と諭したという

          会社経営をしていると、「人に優しくすること」の本質を深く考えさせられる