越本 大達 (こしもと ひろみち)

京都の染め工房で修行してる人です。

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流彩染めクラファン企画 染め職人・西田清さんを1年間見てきて思うこと③

はじめに2020年5月、就職活動中の大学4回生だった僕は、京都の染め職人・西田清さんに弟子入りすることを決めた。弟子入りしてから約1年の期間がたち、現在は社会人1年目を迎えている。 この1年間、弟子としていろんな角度から西田さんのことを見てきた。そんな西田さんのこういうところがカッコいいんだよなというところをこのクラウドファンディングを通して知ってもらいたいと思い、3回にわたってnoteの投稿をしている。 クラファン終了まで残り2日にして、今回はいよいよ最終回。 3.人

    • 流彩染めクラファン企画 染め職人・西田清さんを1年間見てきて思うこと②

      はじめに2020年5月、就職活動中の大学4回生だった僕は、京都の染め職人・西田清さんに弟子入りすることを決めた。弟子入りしてから約1年の期間がたち、現在は社会人1年目を迎えている。この1年間、弟子としていろんな角度から西田さんのことを見てきた。そんな西田さんのこういうところがカッコいいんだよなというところをこのクラファンを通して知ってもらいたいと思い、3回にわたってnoteの投稿をしている。今回はその2/3回目。 (余談) 西田さんには、このnoteのことを「社長のカッコよ

      • 流彩染めクラファン企画 染め職人・西田清さんを1年間見てきて思うこと①

        はじめに2020年5月、就職活動中の大学4回生だった僕は、京都の染め職人・西田清さんに弟子入りすることを決めた。弟子入りしてから約1年の期間がたち、弟子としていろんな角度から西田さんのことを見てきた。西田さんは自分の仕事を「そんなええもんやろか」と言って謙遜することが多いので、今回このクラファン企画を通して、西田さんのこういうところがカッコいいんだよなというところを知ってもらえたらいいなと思う。今回はその1/3回目。 1.仕事/染色への向き合い方西田さんの仕事への向き合い方

        • 職人弟子入り日誌 1日目

          「やめておけ」 工場への初出勤の日、予定していた時間よりも随分と早く起きてしまった僕は、いつもは飲まないはずのコーヒーを飲みながら、出発までの時間を過ごしていた。ちらちら時計を確認するが、なかなか時間は進まない。そんな状況に僕はしびれをきらして、「だいぶ早いけど、まあいいか」そう思って家を出た。家から工場までの道のりは自転車で30分ほどかかる。いつもは中須さんと一緒にバスで工場まで行っていたので、その日は何度も自転車を止め、道のりを確認しながら工場へと向かった。  指定され

        • 固定された記事

        流彩染めクラファン企画 染め職人・西田清さんを1年間見てきて思うこと③

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        • 流彩染めクラファン企画
          3本
        • 職人弟子入り日誌
          6本

        記事

          職人弟子入り日誌 0日目⑤

          ~職人に弟子入りするまで~ ⑤職人との出会いと決意  まわりの人の話し声がどんどん聞きとれるものになり、看板や景観も見慣れたものに変わっていく。そうやってまた長い時間をかけて、僕はトーゴから日本へ帰ってきた。帰国するとすでに大学の夏休みは終わっていたので、僕はあわてて履修登録を済ませ、いつもの大学生活に戻っていった。ただ、いつものような生活に戻っても、僕の生活態度はトーゴに行く前とは異なっていた。大学の授業を一番前の真ん中で受講したり、フランス語サークルを立ち上げて、フラ

          職人弟子入り日誌 0日目⑤

          職人弟子入り日誌 0日目 ④

          ~職人に弟子入りするまで~ ④トーゴで学んだこと  ドタバタしながらも様々な手続きを済ませ、僕は中須さんとトーゴ共和国へ向かった。片道30時間くらいのフライトを経てトーゴに到着すると、照り付ける日差しの中、空港にはガソリンのにおいが漂っていて、なんとなくではあるが「アフリカに来たんだ」と実感したことを覚えている。そこから相席タクシーに乗りこみ、ぎゅうぎゅう詰めの状態で目的地のホテルへ向かったのだが、ここでも車内から見えるのは、植物が生えまくっている広大な山々や、日本では見

          職人弟子入り日誌 0日目 ④

          職人弟子入り日誌 0日目 ③

          ~職人に弟子入りするまで~ ③トーゴへの出発  中田さんに「ちょっと来て」と呼ばれ、連いていった先にいた感じのいいお兄さんの正体は、アフリカのトーゴ共和国と京都をつなぐ事業をしている中須俊治さんだった。中田さんが「この子、就職活動で悩んでるらしいで」と言って僕を紹介すると、中須さんは「僕も学生時代シューカツで悩んでたんです」と返して、僕と話し始めた。 僕:「はじめまして!立命館大学の越本大達です。」 中須さん:「おお、よろしく。越本くんか 君、大学では何て呼ばれてるん?

          職人弟子入り日誌 0日目 ③

          職人弟子入り日誌 0日目 ②

          〜職人に弟子入りするまで〜②学び場とびら  勢いで就活塾をやめることにしたのはいいものの、そこから何をしたらいいかわからなかった僕は「就職活動で悩んでて…」と、いろんな大人に相談してみることから始めた。相談に乗ってもらった人のなかに「1か月間、ごみ拾いでもしてみたら?」と提案してくれる人がいたので、「せっかくアドバイスをもらったし、ちょっとやってみよう」と思い、友達を誘ってゴミ拾いをした。そんな姿を見た友達や先輩には「なにやってんの?」と笑われた。しかし、自分にできることを

          職人弟子入り日誌 0日目 ②

          職人弟子入り日誌 0日目 ①

          〜職人に弟子入りするまで〜①就活塾をやめる  今回、就職活動をやめて京都の染め職人さんに弟子入りすることにした。同級生の多くがリクルートスーツを着て名の知れた企業を目指す中で、僕は染め職人を目指すことに決めた。 どうして僕がこの決断をするに至ったのか、染色について知らないことだらけで、きっとこれからたくさんの壁にぶつかっていくと思うが、その時の自分を少しでも励ませるように、まずはそこから記録していきたいと思う。  ちょうど去年の今頃、3年生の秋から就職活動をしなければい

          職人弟子入り日誌 0日目 ①