あなたもわたしも知らない世界(Vol.012)
不思議な世界というのを題材に記事にしています。
バックナンバーは上記に保管しています。
先に断っておきます。今日はエイプリルフールですね。
今回の話は、ちょっと怖いですが、すごく良い話です。
怖い話が苦手な方は読まない方が良いですからね。
絶対読まない方が良いですからね。
読んで失神しても知らないですからね。
これくらい強く言えば、読みたくなるかな。
それは私が19歳広島の専門学校に通い出して初めての夏休みです。
実家の愛媛に戻りました。
実家にはシロと呼んでいた真っ白い犬がいました。
シロはちょっと間抜けですが、でもすごく優しい犬です。
私が近づくと嬉ションしてしまうような犬です。
その日も私が近づくと嬉しそうに近寄ってきましたが、少し足を引きずっているのに気が付きました。
前足に出来物が出来ているようで、触れると痛がっていました。
その出来物がいつ出来たのか、大丈夫なのか全然分かりませんでした。
実家に居たのは数日です。
その間毎日シロと遊びました。
そして、次は冬休みに戻ってくるからなとシロとお別れし、広島に戻りました。
夏休みも終わり、暫くしてシロの出来物が気になって、自宅に電話します。
すると母から聞かされたのは、数日前にシロが亡くなったという話でした。
出来物が悪化したらしく、転移したと言っていたので悪性の癌のようなものだったのでしょうか。
私の事を本当に慕っていたシロの事を思いつつ、その日は眠りにつきました。
その日の深夜の二時、いわゆる丑三つ時です。
いきなり鼻を衝く異臭がして耳元で「ワンワンワン」と犬の鳴き声がして飛び起きました。
きついアンモニア臭というか、納豆の腐ったようなにおいと言うか、とにかく異臭がしてその上で金縛りにあいました。
声は出ません、首は少しだけ動きました。
そして目は開けられます。
少し顔を犬の鳴き声がした方に傾けて見たところには、白くもやが掛かっていましたが、白い犬の形をした物体がありました。
シロがお別れに来たんだと直ぐに分かりました。
口に出すことは出来ませんでしたが、心の中で言います。
シロお別れに来たんだな、ありがとな。
そう心に思っていると、白いもやっとした犬の形をしたものが、少しずつ崩れて消えていきます。
そして全く消えた時、私の金縛りも解けました。
しっかし、お別れの挨拶に来たのに、ご主人を金縛りに合わせなくても良いだろうに。
少し口に出してシロに対して文句を言いました。
でも幸せな気分のまま、そのまま寝てしまいます。
そして翌日また実家に電話しました。
シロを埋めたところは、何処なのか、どういう風にして埋めたのか確認しました。
埋めたのは畑に穴を掘って埋めたとのこと。
シロを藁の様なものでくるんで埋めたと言う話でした。
匂いの原因を想像してはいましたが、想像していた通りで、それでアンモニアのような納豆のような匂いがしたのか、においの原因も分かりました。
遠く離れた場所だろうと、飼い犬だろうと、気持ちは通じるのですかね。
私の事を本当に慕っていたからお別れに来てくれたのだと思います。
エサを待てと言っても私がそっぽを向いたりすると食べてしまう犬でした。
もしかしたら賢いのかな?
そんな私とシロの最後のお別れという話でした。
今日はエイプリルフール、言った通りの良い話でしたよね。
えっ!?怖かったって、次の奴はもっと怖いのですが・・・。
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