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会社の成長を支えるナンバー2の育て方 vol.71 社員が助け合える環境を作っていますか?

「いい会社を作りたい」、そう考える経営者は多いと思います。

自ら先頭に立ち、売上を作り、困ったことがあれば何でも引き受け、社員を大切にし、日々忙しく頑張られている経営者はそういう思いで経営をされているのではないでしょうか。

経営者によって、いい会社の定義は異なるでしょうから、ここでは「従業員の仕事に対する満足度が高く、その結果、収益性も高い会社」と定義します。

ではそのために必要な要素は何でしょうか。

・カリスマ的なトップの元で働くことでしょうか?
・会社の規模や売上が大きいことでしょうか?
・高い給与水準でしょうか?
・便利なツールを活用することでしょうか?
・生産性の高い組織であることでしょうか?
・理念や情報の共有が密になっている状態でしょうか?
・福利厚生制度が充実していることでしょうか?
・心理的安全性が高い職場であることでしょうか?
・ワークライフバランスが取れていることでしょうか?
・柔軟な働き方ができることでしょうか?

昨今、マネジメントの取組みとして目立つキーワードを並べてみましたが、全部あったら良いかもしれませんし、ないよりはあった方がいい要素ばかりで、理想的な組織運営を行うためには考えておいた方がいいことが多いですね。

私自身もナンバー2として渡り歩いた会社員時代を振り返ってみても、意識して取り組んできたものばかりです。

みな大事なことばかりではあるものの、とはいえ、なにかしっくりこない気もしませんか?

根本的に大事なこととはちょっと違うという違和感です。

働く場において大事なことをシンプルに掘り下げると、個性や能力の異なる人たちが安心してそれぞれに活躍できることが根本的に大事なことではないかと思い至るのではないでしょうか。

そしてマネジメントの原理原則も社員の能力を引き出して、その能力を最適に組み合わせる、掛け合わせることでもあるのでこれが根本であることは明らかです。

会社には実にさまざまな人が在籍しています。

・営業が得意な人
・計数に明るい人
・人をまとめるのが得意な人
・その場を明るくしたり、和ませてくれる人
・優れた技術を持って、黙々とできる人

このような人たちが得意なことを持ち寄って組織というのは成り立っています。

そして、理想は各人がその得意なことを十分に発揮してもらうことが大事で、その前提として助け合える関係性があることです。

助け合える関係性を違う表現で言えば、協働というものです。

協働とは、複数の個人や組織が共同で目標を達成するために協力し合うプロセスや取り組みのことを指します。

こうした環境下では異なる専門知識やリソースを持つ人々が互いの能力を活用して協力することで、より効果的な成果を生み出すことができます。

お互いの個性や能力を尊重し合える間柄だと人間関係のストレスが減り、のびのびと仕事ができます。(①関係の質

こうした間柄であれば、他人の意見に素直に耳を傾けることで新たな気づきを得ることができ、組織の目標達成のために自分がなにをすべきかがわかり、当事者意識を持てるようになります。(②思考の質

周囲の理解と協力があれば、自発的、能動的に頑張れる気持ちになります。(③行動の質

頑張ることで成果が出る可能性が高まり、出ない時も課題を共有して、協力しながらクリアしようという気持ちになります。(④結果の質

極めて簡潔に成功の循環モデルを解説するとこんな感じになります。

こういう環境だったら従業員が今以上に頑張れるかもと思う方も多いのではないでしょうか。

冒頭で、いい会社は「従業員の仕事に対する満足度が高く、その結果、収益性も高い会社」と定義しました。

この定義を満たすのであれば、他にもパターンがあると思います。

・成果主義で、個人として成果を出しさえすれば対価をより多く得られて、やりがいを感じ、会社の業績もよい。

・家庭の事情で、時短やリモートワークしかできないけれど、収入確保できるからありがたい。会社としても貢献してくれて人件費が安いのはありがたい。

何が正解かは会社の数だけあるので一概に断言できませんが、極端に走ると、成果主義では某中古車販売店のような会社になりますし、時短のリモートワーカーなどは業績次第で切り捨てられる手駒みたいな存在になります。

「会社にしっかり売上利益が出ていればそれでいいではないか」、「どうせ従業員は数年で入れ替わる存在でしかない」、「従業員も給料のことしか考えていない」というのが本音の経営者の方も実に多いと思いますが、現状のやり方で数年後も業績が保障されている訳ではありません。

売上を作るためだけの存在として従業員を捉えていると、その会社の足元はいつまで経っても脆弱な状態で経営を続けないといけないことになります。

10年、20年という立派な業歴がある会社であっても、蓋を開けてみると、活気がなく、創業期から規模は大きくなっても、自律せず、当事者意識がなく、言われたことをやるだけの従業員ばかりだとしたら会社として成長していないのではないでしょうか。

そして、世の中は不確実性の時代と言われていますね。

変化に対応する柔軟性や対応力がないとどんな大企業でも消えていくことが日常化しています。

当たり前ですが、会社というのは結局は人次第ですから、本当の意味で従業員の仕事の満足度を高めることが盤石な体制を築き、柔軟性を持った組織になるために必要となります。

仕事の満足度を高めるためには、シンプルに言ってしまえば、困った時にはお互いさまで支え合うことができること、他人と協力して目標を達成する経験をたくさんすることが不可欠です。

リーダーシップであるとか、仕組みであるとか、目標達成技術であるとか、コミュニケーションスキルであるとか、そういうのは人が困っている時に声をかけられる、困っている時に困っているから協力してと安心してと言える関係性を作ってからはじめて考えることではないかと長らくマネジメントの仕事に携わってきて思うところです。

では、そうした関係性を育むためにはどうすればいいのかということですが、役職や年齢、性別などを別にして、他人を尊重することができる文化を少しづつ作るしかありません。

・自分は年上でキャリアも長い上司だぞと相手を委縮させる
・同僚や部下、他部門が遅くまで残業していても無関心である
・仕事で最低限の会話しかせず、お疲れ様、ありがとうという言葉もない
・居酒屋に仲良しグループで行き、人の悪口で盛り上がる
・他人の意見を頭ごなしに否定する

こんなやり取りが社内で常態化しているのであれば、危険信号です。いい会社への道のりはほど遠いと思います。

ポイントはこんなところにあります。

・偏見や先入観があるならそれらを減らすためにどうするか
・相手の立場で考えてみるとどう感じるかを考えてみる
・感情に振り回されずに冷静に物事を考える習慣をつける

虚心坦懐と言いますね。
人の話を好き嫌いで判断するのではなく、素直な気持ちで一旦聞いてみることです。大事なことは、誰が正しいのではなく、何が正しいかです。

これを従業員に各自で考えろと言ったところで、誰も真剣に考えませんし、仕事はできても精神が幼い人間もいます。

ですので、社員全員で考える機会を作ることをお勧めします。

自社で取り組むならどうするか、ぜひ考えてみてくださいね。



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