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最高のナンバー2になる方法 vol.3 ナンバー2は嫌われ役を喜んで引き受ける
ナンバー2は事業の推進役を担います。
社長から構想や計画などを聞かされて、内容によっては内心「えーっ」と感じることもあるでしょう。
特に、現場に今以上に負担をかけるような施策の実施や各種ルールや運用を大幅に変更する場合などは社員の不満や反発も生じます。
その際、部下に対して、
「いやー、社長からの指示でね。自分もどうかと思うんだけど、みんな何とか頼むよ」
こういうセリフを吐くようではナンバー2の資格はないです。社員から「社長の伝書鳩」と思われるだけで、部下を統率することなどできません。
社員にとっては不利益と受け止められかねないことをナンバー2は推進しなければならない場面も多々あります。
そういう立場でありながら、その都度このようなセリフを部下の前で吐き、社長を悪者に仕立て上げ、自分も社長の被害者みたいな顔をしているようではナンバー2は務まりません。
自分が知らないところで、部下から社長に、「〇〇さんもみんなの前ではこんなこと言ってましたよ」と言われて、社長からの信頼を失うのがオチですし、推進役としても機能しません。
推進役というのは社員から上がってくる不満や反発を一身に浴びるのも仕事のうちです。
部下からは嫌われ、憎まれることもあるでしょう。この時にだからどうしたと思えるようでなければいけません。
そもそも、社長からそうした話を聞かされた時にきちんと議論をしたかどうかです。
社長も理由があって、それをやると決断している訳です。社員が疑問に思うようなことはあらかじめ社長に対して当然、質問や確認をするでしょう。
そのうえで、目的が何なのか、手段として妥当なのか、課題は何か、対応策は何か、今やるタイミングなのか、そうした議論をするのが本来の姿です。
目的に動機の不純さがある、手段が稚拙なら言葉を選んで指摘するべきです。
それすらもしていないのであれば、部下から伝書鳩、無能なイエスマンという批判を浴びても仕方ありません。
そして、現場に指示をする際に、不満や反発が生じるのは想定の範囲内のはずで、どう説き伏せるか、どういった手順で実行するのかまで考えておくのは当然です。
ここで、中国古典からこんなエピソードを引用します。
昔、鄭(テイ)という小国を率いて、名宰相の一人と呼ばれた子産という人物がいました。
宰相に就任して子産が着手したことは国力の立て直しで、彼が実行したことは、農村振興策と新たな徴税制度の導入でした。
農業の発展を支援する一方で、軍事費を賄うための新たな徴税を行ったので、負担に耐えかねた農民からは猛反発を受け、宰相である子産を殺してしまえという声が上がったほどです。
ところが、数年経ち、農村振興策が軌道に乗り、農民の生活が向上するとそれまで子産に批判的だった農民は手のひらを返したように子産の施政を称えるようになり、国の財政も潤うことになったそうです。
部下というのは目先の損得にしか考えが及びません。
短期的な視野ではなく、先見性によって取り組むこと多くは批判を受けやすいものです。
社長と議論した結果、やるべきと同意したのであれば、社長の面子を汚さずに部下の不満など涼しい顔をしてやり抜く覚悟をしないといけません。
誰からも嫌われたくない八方美人でいたい人にナンバー2は無理です。
社長を支える実行力のあるナンバー2となりたいと願うのであれば、覚悟を持つ必要があります。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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