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NO.2の育て方 vol.52 ナンバー2がイマイチとなる12の理由

「ウチのナンバー2はイマイチなんだよな」という社長の嘆きをよく聞きますが、その理由の全てはナンバー2自身の問題なのでしょうか?

いえ、違います。

社長が原因です。

え?と思われる社長も多いかもしれませんが、そう思われたとしたらそれこそ他責思考だと思います。

部下は社長の鏡というくらいですから、部下を見れば社長がわかりますし、ナンバー2を見れば、その会社の状態がわかります。

ナンバー2がイマイチとなる12の理由
①人選を間違えている
②ナンバー2のスキル不足
③役割、責任の理解不足
④権限、裁量不足
⑤環境整備不足
⑥コミュニケーション不足
⑦情報共有不足
⑧信頼関係不足
⑨承認欲求不足
⑩感謝、労い不足
⑪指導不足
⑫待遇不足

■人選を間違えている
ナンバー2の素養を持っていない人材をそもそも間違って選んでいると期待通りの働きをしてくれません。

過去の記事でも取り上げましたが、ナンバー2を選ぶ基準は、

・社長を補佐するだけの能力があること
・社長に仕える意思が強いこと

この二つが揃っていることが必須です。

創業メンバーだから、営業成績がいいからといった理由だけでナンバー2として抜擢したりしていないでしょうか?

そして、その人材は社長の考え方に共感して、社長と同じベクトルで仕事に向き合っているでしょうか?

個々の仕事は確かにできるかもしれないけれど、事業や会社全体のこととなると全く意見がないとか、自分とは全く違う方向性で考えてると感じているのであれば、社長に仕え、会社を盛り立てようという意欲が低い人材を選んでしまっている可能性があります。

■ナンバー2のスキル不足
仕事で必要なスキルと一言でいっても広いので、この文脈においてはリーダーシップやマネジメントについて言及します。

この点についてはナンバー2の努力不足もあるかもしれませんが、経験を積みつつ、体系立てて学び続けることで向上しますから、学びを促し、社長も一緒に学んでみるなどで改善を図ることができます。

いま足りないものがあっても、いくらでも伸びる可能性があるものを否定していたら人材育成などできません。

社長がリーダーシップやマネジメント能力が高いのであればそもそもナンバー2など必要ないはずです。

■役割、責任の理解不足
ナンバー2が自分自身の役割や責任を自覚していないようであればそれは社長の責任です。

教えてもらっていない、指示されていないことを自ら気づけというのはかなり乱暴な話です。

一般社員に全員が経営者になったつもりで仕事をしろと言っても何の効果もないのと同じです。

そもそも社長自身がナンバー2の役割、責任が何かを理解していないことが多いのが実態です。

ナンバー2に自覚を促すのであれば、先ずは社長がナンバー2の役割、責任をしっかり理解し、教えましょう。

■権限、裁量不足
ナンバー2にある仕事を任せたとしても、何らの裁量も与えないと、ナンバー2としても仕事が進めづらくて仕方ありません。

いちいち社長にお伺いを立て、回答を得るまで時間がかかればその間、仕事は停滞しますし、ナンバー2も自分ごととしてその仕事に取組みづらくなります。

また、わからないことや行き詰まると社長の指示や判断に委ねればいいと思ってしまうので自分で答えを出そうという意欲も減退します。

全権を委ねることはできないのであれば、一定の範囲にだけ裁量を与え、報連相のルールを徹底させればいいだけの話です。

■環境整備不足
ここでいう環境というのはナンバー2が仕事をしやすい環境作りのことを指します。

例えば、新規事業や業務改善などに着手すると社内の抵抗勢力に遭うことがあります。

中小企業の現場の社員というのは、社長の命令指示は絶対という受け止め方はしてもナンバー2に威厳や権限がないと全く言うことを聞かない場合があります。

ナンバー2が指示することは社長命令と同じという認識を現場の社員に持たせないとナンバー2は孤軍奮闘することになります。

会社というのは何をするかではなく、誰が言ったのかが重要視されることを理解して、ナンバー2が仕事をしやすいよう環境整備してやらないと成果が出しづらくなります。

■コミュニケーション不足
言うまでもなく、コミュニケーションが不足していると、後述する信頼関係や情報共有にも影響を及ぼしてしまいます。

社長の意図することがよくわからない、意思疎通がないと社長と会社のために全力で頑張ろうという意欲がわかないのはコミュニケーション不足によって引き起こることです。

たまに酒を飲む、食事を一緒にする程度のことはコミュニケーションを取っているとは言えません。

真面目な話を気楽にする関係性を常日頃から意識してコミュニケーションを取りましょう。

■情報共有不足
プロジェクトを例に挙げてみると、プロジェクト進行中には随時変更が生じたりするものです。社長が部下からの報告を受けて直接指示を出して、責任者であるナンバー2に知らされていないという笑えない状況が普通にあったりします。

「じゃあ、社長が自分で全部やればいいんじゃないの?」

ナンバー2としても面白くないですし、当事者意識が薄くなります。

そういう気持ちにさせたら上手くいくものも上手くいきません。

また、業界や市場の動向などを社長がキャッチした時にナンバー2となんら共有せず、ある日突然何かを決めて指示を出すようなことも多いものです。

あらかじめ話してくれたらもっといいアイデアや対応策を考えたのにとやはりナンバー2としては面白くありませんし、信頼されてないんだなと傷つくこともあります。

仕事として割り切っていても、こうした感情というのは成果物に影響を及ぼすことを知っておいた方がよいです。

■信頼関係不足
先に述べたように信頼関係が十分に築けないのはコミュニケーション不足によることがほとんどですが、その他には社長自身に対する尊敬や心服、共感を持てない場合があります。

会社の中で一挙手一投足を最も観察されているのは社長です。

利己的な振る舞いや社員やお客様を蔑ろにしているような言動を見かけると幻滅されます。

そのような社長のために誰も粉骨砕身の覚悟で仕事などしません。

社長こそ会社の中で一番人格を磨く努力をし続ける必要があります。求心力のないトップの元には凡庸な人材しか集まりません。

■承認欲求不足
ナンバー2も人間ですからもちろん承認欲求というものがあります。会社のためにと思って建設的な意見を述べる場合もあるでしょうし、時には社長に対して遠回しに苦言を述べることもあるかもしれません。

けれども何を言ったところで聞く耳を持たない、全否定されるような関係であればナンバー2も自分の存在意義に疑問を抱くでしょうし、良かれと思って述べたことが受け入れてもらえないのであれば自分自身を否定されているように感じるでしょう。

意見を述べることも承認欲求のひとつであることを鑑みれば、これをないがしろにするとやはり信頼関係にも影響しますし、コミュニケーションの量も質も低下するでしょう。

■感謝、労い不足
褒められて、労われて、嫌な気持ちになる人はいないでしょう。ましてはナンバー2は縁の下の力持ち、裏方の役回りですから自身にスポットライトが当てられることはほとんどありません。

・失敗すれば自分の責任
・成功すれば社長の手柄

頼りになり、信用できるナンバー2というのはこういう意識で仕事をしています。

現場の社員というのは見ている範囲が狭いので、影で、誰が最も努力し、苦労したかなどはわかりません。

成果を出した時でも存在を消しているナンバー2を褒める、労うことができるのは社長だけです。

感謝と労いを言葉で態度で示せないとナンバー2の心は次第に離れていくものです。

■指導不足
ナンバー2育成の過程ではそれまで社長がしていた仕事をナンバー2に任せる機会も増えるでしょう。

仮にも社長が担っていた仕事です。ただ仕事を割り振るだけではナンバー2も社長目線での確認や対応をすることはまず出来ません。

その仕事を社長が自らしてきた理由や処理や対応のポイントをしっかり教え込む必要があります。

指導もしてないのに思ったようにできないと落第点をつけるのは酷です。

イメージ通りにナンバー2が執務をこなせないのは社長が教えないからです。

■待遇不足
ナンバー2の働きに相応の待遇を提供しているでしょうか。可愛がっていても、感謝をしても、金銭的な満足も満たしてやらなければ残念ながらナンバー2の心は次第に離れていくでしょう。

自分を評価してくれるのは社長だけと思って、ナンバー2は社長に仕えています。成果を出してたら報われるという期待を裏切ることがないようにしたいものです。

ナンバー2も一人の社会人として家庭を持っていたり、趣味などもあるでしょう。そして将来の不安もあるでしょう。

社長は自分の勇退に備えて多額の生命保険などを会社の経費で掛けているかもしれません。

退職金制度のない会社も珍しくありません。ナンバー2がずっと滅私奉公した挙げ句に裸で放り出されるとしたら、安心して長居はできない会社だと判断せざるを得ないでしょう。

待遇について希望を述べれば鬱陶しい金の亡者扱いされ、黙っていれば搾取されている気分になるようではナンバー2はその社長の元に長くは留まりません。

こうした気持ちであると本来できることもしなくなります。ゆえに物足りないイマイチな対応にしておくわけです。

働きに見合う十分な対価は検討してあげて欲しいものです。


さて、ナンバー2がイマイチとなる12のポイントをお伝えしてまいりました。

当たり前に感じることばかりかもしれませんが、当たり前を当たり前にできていれば人材育成に苦労などありません。

全ては社長次第です。

・言わなくてもわかるだろう
・自分で考えろ
・自分はいいけど、お前はダメだ

これではナンバー2から共感される、心服されることはないです。その結果、ナンバー2も今以上に努力もせず、成果も出さず、社長からするとイマイチな存在になります。

〇〇不足というわかりやすい表現に揃えましたが、足りないものを埋めていけばいいだけです。難しい話はしていません。


最後までお読みいただきありがとうございます。

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