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ビジュアルノベル おわかね制作日誌 第7回「ノベルゲームがもっと流行ってほしい」

今回はノベルゲームの魅力について語りたいと思います。
昨今のインディーズゲームのブームがきておりますが、ノベルゲームの市場はそこまで広がっていないのが実情ではあります。
しかし、フリーゲームなどノベルゲームの魅力が盛り上がっているシーンも多いです。
ここからは私の主観を混ぜて実際に世にリリースして色々見えたお話しができればと思います。


インディーゲーム市場は凄く盛り上がっている

現在、いろいろなインディーゲームが世に出てくる時代です。
誰もが簡単にゲームを作成し、プラットフォームに出せるようになり、インディーシーンのゲームが大量にリリースされています。
SteamやDLSiteなどプラットフォームごとの色もあり、それぞれにファンが形成されています。
そして、その中でも大ブレイクするゲームもあります。
最近では「スイカゲーム」や「8番出口」などは記憶にも新しいです。

イベントも多くなってきており、パブリッシャー企業だけではなく出版社などが投資の対象としております。
インディーゲームがswitchやPSでできるなんて最近では当たり前になってきています。
ゲームアイディアを形にするための選択肢も増えてきています。

現実と理想

それでも全てが売れてハッピーなわけではありません。
多くのゲームを作っている方が感じているのはインディーゲームのリリースが増えると差別化に悩んだり、作り切ることへの熱意やリリース後に売れなかったり、価格帯と労力のバランスに悩んだりします。
特に大作を作れば作るほど労力やコストがかかり費用回収に悩んだり、手間をかける=売れるわけではないのでシンプルなゲームで勝負する流れも強くなってきているのも事実あります。

ノベルゲーム業界の流れ

ノベルゲームの歴史は長く、最近「16bitセンセーション」がアニメ化され、その歴史を垣間見ることができます。
(歴史を知るのであれば原作のほうをお勧めします)
でも、ここ最近はノベルゲームのようなシンプルなものにプラス要素を入れたソシャゲが多く、FGOやヘブバンのようにメインゲームとは別に物語を届けるパートとされていることも多いです。
しかし、その物語をしっかり伝えるという場面においてノベルパートは最適なシステムでもあると言えます。

複雑な操作がない部分は読むことに集中しやすい

フリーゲーム市場の影響も大きい

ノベルゲームにおいてはフリー公開のエンジンやふりーむ、ノベルゲームコレクションなど自由に発信する場が増えており、フリーゲームが増えているのもあります。
しかし、ノベルゲームはシンプルに作ろうとすればかなりシンプルに作れるのが長所でもあるので、そこは「誰もが手軽に作れる」を実現できていると言えるでしょう。(複雑にすればいくらでもできるとも言えますが)
フリーゲームとしてリリースされたナツノカナタもクオリティが高く評価が反響が凄かったのを覚えています。

ただ、昨今は有償ノベルゲームもインディーゲームで増えています。
こちらはRPG同様にフリーゲームと違いを求められるが故のレベル感が徐々に高くなっています。
その性質上、コストも大きくかかっており単価も徐々に高くなってきていたりと、作る側もフリーゲームと事情が変わってきています。前記にもあるように理想はそれで大きく利益が出ればいいのですが、フリーゲームの質も高まり、それを超えるためにボイスやグラフィック・システムでコストが広がり投資に対するリスクが高くなっています。
葛藤の記事を貼っておきます(笑

ただネガティブなことだけではありません。
熱量があるからこそ、作りたいからこそ作るを貫き通し利益よりも作品の質を求めていくことで、今でもよりレベルの高い有償ノベルゲームが沢山インディーズから出ています。
有名な「ナルキッソス」も同人からリリースされ100万回ダウンロードされてヒットしました。
最近では
「シロナガス島への帰還」や「嘘から始まる恋の夏」などインディーズゲームのノベルゲームでもボリュームやクオリティが商業に近いものも多く出てきております。

商業ノベルゲーム市場も様々

そんな中、商業は衰退している部分も多く見えます。
それはノベルオンリーではなく、物語を魅せるための演出としての機能とされることが大きく、そこに課金をするユーザーが減少したことも多いとされています。特に18禁ゲームのメーカーやブロンドが倒産や解散のニュースを目にすることが増えた気もします。
投資するリスクを抑えるために、活発化しているインディーゲーム業界で人気の高いノベルゲームをパブリッシャーがコンシューマーでリリースする流れも一定あります。
そんな中でもオリジナルコンテンツを貫き作り続けるゲームブランドも、まだまだ沢山あります。

しかし、そんな中でANIPLEXさんが美少女ゲームブランド「ANIPLEX.EXE」を立ち上げ「私が魅了され続けている『ノベルゲームだからこそのおもしろさ』に触れて頂く、一つのきっかけになるようなブランドにしていきたい」と発信していました。
そんな中でゲーム「ATRI」が誕生し、アニメ化まで決定していることに衝撃を覚えました。
マーケティングからすると、かなり勝負になる市場にあえて切り込んでいき、クオリティの高いゲームは多くの人の心を動かすことを証明してくれたと思っています。

Cynical Honeyがノベルゲームを選んだ理由

それではなかなか有償ゲームも戦国時代のようなノベルゲームで、あえてそのジャンルをCynical Honeyが選んだかというと、「物語と世界観を見せたい」というのが一番ありました。
確かにミニゲームや色々なシステムはUnityで開発できそうではありましたが、本作「終わりの鐘が鳴る前に」はあえてテキストとビジュアル・音楽・サウンド・演出で魅せるようにアドベンチャーゲームのなかでも、シンプルなノベルゲームを選択しました。

キャラクターの魅力も分かりやすい

そもそも以前からゲームは作ろうとしていたが…

ただ私はもう20年近くゲームを制作したかったのですが、作りかけ途中でサークル参加者が脱退、資金不足などを繰り返してきました。
以前、知り合いと「グリーングリーン」というGROOVER(現OVERDRIVE)からリリースされたゲームがあり、当時に盛り上がったメンバーと「作ろう」と言い出したのが最初だと記憶しております。

時間がかかる中で多くのメンバーが環境の変化で参加が難しくなったり、自分も含めて仕事の忙しさでなかなか作りきれないことが続きました。
しかし、今回は一定私のみで作りもシンプルにし、色々な協力者の方と「終わりの鐘が鳴る前に Chapter.1」を完成させることができたのです。

「終わりの鐘が鳴る前に」のルーツとは

多くの方がkey作品のAIRを連想されているのかもしれません。
確かに自分のシナリオの原点はkey作品だろうなって思うのですが、今作の「終わりの鐘が鳴る前に」は実は1つの作品に影響を受けています。
 「ジョー・ブラックによろしく」という映画です。これは「死神」というヒントになっておりますが、「死生観」や「幸福」などが題材にもなっているのでとても影響されています。
他にもPCゲームの「同級生」など影響があったものもありますが、一番が映画になります。
では、映画でいいのではないか?と思うかもしれませんが、そこであえて私はテーマが伝わりやすいノベルゲームにこそ転換し、伝えたいことを自分なりに変換させて届けたいと思いました。

こだわりをもっていること

逸れてしまいますが、ノベルゲームだからこその「こだわりポイント」は個人的には世界観・音楽・サウンドです。
もちろんシナリオなども重要ですが、小説と違って絵があり音がある。アニメやアクションゲームと違って動きも少なく、単純に物語を彩る周囲のコンテンツを堪能できる部分に力を入れています。
もちろん届けたいテーマに力を入れており、それをより効果的に感じていただくために世界観などに強くこだわりを持っています。

細かい設定やキャラの個性も力を入れています

ノベルゲームのいいところ

で結局、ノベルゲームの魅力って何?と言われると、私なりには色々書きましたが映画やアニメコンテンツよりもシンプルで、他ジャンルゲームよりも物語をノイズも少なくダイレクトに楽しみ・感じることができる点でしょうか。
小説などもありますが、大きく違うのは具体的なイメージがあることで多くの方に共通のテーマや世界観を実感していただける点だと思います。
小説だとどうしても想像に頼るところが大きいのが特徴的です。
ただ小説は人によっての解釈が分かれることもありますが、それこそが小説の良さだと私は思っています。
反対に読み手の妄想力などに左右されない形で届けられるのがノベルゲームの良い部分でもあります。
だからこそ、誰にでも手軽で、何より親しみやすい部分が大きいノベルゲームの魅力を私は2024年以降も推していきたいと思います。

現在、続編制作クラファン実施中です!
是非ともご支援・応援よろしくお願いいたします。

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