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「恋をした瞬間から、大きく変わる生き様」・・・恋の歌少し変えるだけで、こんなに怖くなる。その4


今回は「それ」の後についてです。

恋によって、気持ちは大きく変わるもの。
別の事でも大きく変わります。歌の意味まで。


〇「逢ひ見ての のちの心に くらぶれば
   昔はものを 思はざりけり」権中納言敦忠

(大意:恋しい人とついに逢瀬を遂げてみた後の恋しい気持ちに比べたら、
  昔の想いなど、無いに等しいほどのものだったのだなあ。)


これ初めの5文字をこう変えても、怖い。

●「失いて のちの心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり」
●「手にかけて のちの心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり」
●「捕まりて のちの心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり」

少し変えるだけで、希望に満ちた歌が、後悔を歌うものになってしまいますね。

〇「花の色はうつりにけりないたづらに
  わが身世にふるながめせしまに」小野小町

大意:いまでは花の色も あせてしまった (桜に降る春の長雨のように)
ほんのひととき 移ろう恋に身を寄せた かつての私は 綺麗だった。
(そう、私は年をとった)

もっと内向きに考えてみると、途端に怖くなる。


●「花の色はうつろうことなき ただわが内にのみ 生き続くなら」

大意:花の色(愛する人)は決して 色あせることはない 私の内にのみ生きるのなら。

この「わが内」が、何なのかを想像すると、さらに恐ろしくなります。
心の内、思い出の中、土の中・・・
さらに「胃の中」では辛すぎますね。


                  つづく


#短編 #ホラー 、怪談 #短歌 #ホラー #不思議 #謎 #恐怖 #愛情 #執着 #執念 #報復 #無関心 #神罰


短歌好きの方、ごめんなさい。
言葉を学ぶための、遊びだと思って見のがしてください。

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