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短詩「オンリーワンのゆくえ」・・・と今期のドラマ。


今期のドラマは、
「汚部屋に住む女」と「出版社」が多いなぁ。
ざっと思いついただけでも・・・

「ラブコメの掟〜こじらせ女子と年下男子〜」 栗山千明主演
コミック出版社と汚部屋の女

「レンアイ漫画家」 鈴木亮平 吉岡里帆
漫画家と女の汚部屋の女

「カラフラブル〜ジェンダーレス男子に愛されています〜」 吉川愛
コミック出版社と女の汚部屋の女

「コタローは1人暮らし」 横山裕
汚部屋と漫画家

「あのときキスしておけばドラマ」 麻生久美子 松坂桃李
漫画家

「半径5メートル」 芳根京子 永作博美
女性週刊誌編集者

「ソロ活女子のススメ」 江口のりこ
主人公が出版社勤務

「生きるとか死ぬとか父親とか」 吉田羊 國村隼
主人公がエッセイを連載

この他にも、出版社や汚部屋がいくつか出てくる。
別に良いんだけど・・・ねえ。


『オンリーワンのゆくえ』


掃き溜めに鶴。鶏群の一鶴。泥中の蓮。

彼女の存在は、常にそう呼ばれた。

彼女は常に「オンリーワン」でいるために、たくさんの努力をした。
その中には、決して綺麗事では済まないものもあった。

横を見れば、いつの間にか追いついてくる者がいる。
前に出れば、足並みを揃えろと言う同調圧力がまとわりついてくる。

今や彼女は、それらに負けそうになる
自らの心の弱さと戦うのに疲れ果てていた。


「とりあえず、あの時はオンリーワンだったから」

そんな耳障りの良い言葉で殻を作り、自分に都合の良い平和の中に潜んで、
目を閉じてしまおうかと思う瞬間が増えてきた。


ある日、彼女は、庭に咲く一輪の花が目についた。

「万緑叢中紅一点」

万緑の森の中で早咲きの赤い椿が一つだけ咲いていた。
そしてその回りには、今から咲こうとしているたくさんの蕾があった。

「オンリーワンではなく、ザ・ファーストになれば良い」

それから彼女は、周りからの同調圧力を気にしなくなった。
自分が一歩前に出て何かを作り出せば、周りが勝手に同調してくるのだ。

ところが面白いことに、同調する者が増えれば増えるほど、
「ザ・ファースト」を探すものが出て来て彼女が注目された。

それが世の理で、それが当たり前のことだと
信じられるようになった。


今、成功の秘訣について聞かれると、彼女はこう答えている。

「人の目は、横には付いていない。
ただ前を向くようにできているの」と。

                                                           おわり



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