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「一枚が二枚・・・」・・・ガマの油とアートの祭典。巡る、つなぐ、ということの重要性。


「一枚が二枚、二枚が四枚・・・・」という口上はある程度の年齢の方以上ならご存じであろう。
つくばの「ガマの油売り」の口上である。
「ガマの油」は、つくば特産の古来より万能薬とされる塗り薬だが、現代でも売られている。

そのガマの油の里、茨城県つくば市に行ってみた。

目的は「つくばアートサイクルプロジェクト」。
この芸術のイベントは、つくばの様々な観光地や施設などで
彫刻や絵画、インスタレーションなどの展示が行われるというイベントで、
「つくばの町と山をつなぐ芸術祭」と銘打たれている。

筑波山神社を中心とした山エリアと、つくば市街を中心とした街エリアに分かれ、つくば各地の様々な観光地や古民家などに、作家たちが作った芸術作品が展示されている。

その中で、私が特に興味を持ったのは、「旧小林家」という古民家での展示である。
一つ一つの作品の魅力もさることながら、展示会場になった「旧小林家」の佇まいが心を打つ。

落ち着いた雰囲気、窓から見下ろす市街の眺め。
満開の桜など、静かで穏やかな時間が流れている。

その時に気付いた。
「つなぐ」という意味は、街エリアと山エリアを車で移動して繋がる、という意味だけではなく、人の生きてきた足跡と芸術の生み出す息吹を繋ぐという意味も含まれているのだろう。

「ガマの油」の効能の一つ、どんな切り傷もたちどころにつなぎ(塞ぎ)、出血を止めてしまう、という効能に通じるものがある、と考えるのはさすがに深読みしすぎとは思ったが、それほどの「異種融合感」があった。

それほど、ここの環境は居心地が良い。
作家たちの作品に加えて、調度や柱の装飾など、古民家に残されている品々が、この空間と心を、つなげてくれる感じがする。

心のつながりが希薄になりがちで、日々の出来事がとてもせちがらく思える現代に、ただ穏やかに過ごせる時間があることが、とても贅沢に感じられる。

今後はアートをただ置いてみるだけではなく、多くの人が参加して生み出していく形のものが増えていけば、新たな街の活性化も可能なのではないか、と思う。

人々の心を動かし続けていくことが、「アート」の本来持っている可能性であり、使命であるとも思うからだ。


ちなみに、ガマの油売りの口上を録音したCDが売っていたので、買ってみた。
「又、ゲテモノ買いの癖が出たな!」
と妻に叱られたが、止められないノダ。




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