見出し画像

「ヨーロッパと江戸」・・・フルート、ピアノ、常磐津三味線。違和感しかない三つが見事にコラボした。


「ヨーロッパと江戸の融合」・・・おおたかの森ホール 流山市


「ヨーロッパと江戸の融合」と題されたフルート、ピアノ、常磐津三味線のコラボコンサートを鑑賞した。

「融合」とタイトルにはあるが、当初、フルート、ピアノ、三味線を
どう並べて空想しても違和感しか思いつかなかった。

だが、フルートは山形由美さん。ピアノは菅野潤さん、三味線は五世常磐津の文字兵衛さんという出演者、当日までに不安は期待にとってかわられた。

当日、ドビュッシーのピアノ曲、を皮切りに、フルート、ピアノ、常磐津の始めて見るコラボレートが、様々な形で展開していった。

特に、五世常磐津の文字兵衛さんの作曲された「猫」と「叙情回路」は小品ながら、まさにヨーロッパと江戸の融合を感じさせる。

さらに、お三方で演奏される「春の海」「荒城の月」などは
日本の曲の馴染の良さもあって、実に興味深かった。

以前、別の機会に、琴で演奏するビートルズの曲を聴いたことがあった。
その際、演奏者は、琴の弦の張りを西洋音階の「ドレミファソラシド」に
調律し直して、楽譜通りに演奏していた。

今回はどちらが歩み寄ったのであろうか、フルートは篠笛に少し近づいているようにも思えたが、ピアノでそのような事は無理であろう。だからと言って、三味線をいじってしまっているようにも思えなかった。

ただ、演奏者たちが舞台で語っていた中で、「西洋音楽は楽器が複数あれば、きっちり音の出るタイミングを音符通りに合わせていく。しかし邦楽で弾き語りと合わせる場合は、わざと少しズラして、ドンピシャに合わせないようにする」という話があった。
フルートの山形さんなどは、それでかなり苦労されたようだが、
その「わざとズラす」という辺りに、ヨーロッパと江戸が融合できる「容認さ」というか、懐の広さがあるのかもしれない。

さらなる可能性を感じた演奏会。又どこかで開催されれば是非伺ってみたい。

                   おわり

画像1




#ヨーロッパと江戸の融合 #ヨーロッパ #江戸 #文化 #音楽 #演奏 #フルート #山形由美 #ピアノ #菅野潤 #常磐津 #三味線 #文字兵衛 #中棹 #コンサート #春の海 #モーツアルト #ドビュッシー #トリオ #猫 #コラボ #不思議 #謎


ありがとうございます。はげみになります。そしてサポートして頂いたお金は、新作の取材のサポートなどに使わせていただきます。新作をお楽しみにしていてください。よろしくお願いします。