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人生で初めて上野にあるバーに行った時の話

短大生の頃、大人の世界に飛び込んでみたくてちょっと背伸びをして上野にあるバーに友人と行った。

その日は湯島に住んでる友人と上野を開拓しようと意気込んで散策していた。始めに入ったのはチェーン店の『hub』。英語を勉強していた自分達はブリティッシュパブの雰囲気も好きだったのでお店に入ってみたが、平日だったこともあり店内はガラガラでレッドブルウォッカを一杯飲んでお店を出た。

hubを出て二軒目を探した。磯丸水産などの普通の居酒屋に行っても良かったが友人と2人だったので落ち着いた雰囲気のところで呑むことにしようと決まった。そこで歩き回りながら見つけたお店が『ピンクエレファント』というバー。

バーに入ったことのなかった自分達はせっかくだからとバーを探していて、ちょうどバー未経験にも入りやすそうなポップな雰囲気のお店が見つかったのでそこに決めた。

ピンクエレファントはこじんまりとしたお店でカラフルな照明が特徴的だった。BGMは洋楽が流れていた。自分達が入った時には奥のテーブル席には常連客らしき3人のサラリーマンたちが呑んでいて、空いていたのはカウンター席だったのでそこに座った。

席に着くとマスターから「何にしますか?」と聞かれた。お酒の知識がなく初めてのバーだった自分達は「初めてバーに入ったんですけど、何を頼めば良いですか?」と質問返し。マスターは「ウイスキー系のものと、カクテル系を作りますね」と親切に対応してくれた。バーテンダーのモノマネでシャカシャカする動作をカクテルを作る時にやっていたので「本当にバーテンダーはやるんだな」と感じたことを覚えている。

数分後に出てきたのはハイボールとカルーアミルク。マスターは「ウイスキーの中でも飲みやすいMaker's Markでハイボールを作りました。カルーアミルクは居酒屋で出てくるものとは別物なのでぜひ飲んでみてください。」と丁寧に説明してくれた。

友人と交換しながらハイボールとカルーアミルクを飲んでみたら初めて美味しいお酒を飲んだ感覚だった。特にカルーアミルクは口当たりが柔らかいので飲みやすく、全くアルコールの違和感がなくお酒とミルクが調和した味で感動した。

お酒を飲みながら友人とマスターと楽しく会話していたら先に来店していた常連客の方々が「こんな若者がバーに来るなんて珍しいね。何でここの店に来たの?」と話しかけてきた。「自分達はバーに来るのが初めてで、お店の看板が入りやすそうだったのでここにしました。」と応えた。そのやりとりをキッカケに常連客の3人とマスターと自分達2人で会話が始まった。

その常連客方々はJINROで働く会社員の方とJINROの卸売業者の方で仕事を通じて仲良くなったらしく、ちょくちょくこのバーで呑んでいるらしい。

「好きなお酒は何?」と聞かれて「鏡月とかはよく飲みますね」と応えると「鏡月はサントリーが販売している韓国の焼酎で、韓国の焼酎を最初に日本で売り始めたのがJINROだよ」と自慢げに説明してくれた。そこに付け足して「鏡月はJINROの二番煎じだから、JINROの方が元祖で美味しいよ」と宣伝もしてきた。

お酒業界の裏話や自分達が通う短大の話などで盛り上がり時間はあっという間に午前4時半に。常連客の方々は始発で帰るらしく席を立った。その時に常連客の方々が「これから鏡月じゃなくてJINROを飲んでくれる?」と聞いてきた。自分達も「これからJINROにしますね!」と応えた。その後常連客の方々は「彼らの分も一緒にお会計で」と言って自分達の料金もまとめて払ってくれた。自分達が「えっ!?」と驚いていると「JINROを宜しくね」と言って常連客の方々は帰っていった。

自分達もその30分後くらいにバーを出たが本当に常連客の方々がお会計をしてくれたみたいでお代は払わなかった。友人と2人で6杯くらいは呑んでいたのでかなり良い値段だったと思う。正直なところ、学生の自分達からするとありがたかった。店を出ると未知な大人な世界を感じれてちょっと高揚感があった。

バーでマスターがお酒の説明をしてくれたので少しだけお酒の知識が増えたこと、知らない人達とお酒を通じて仲良くなり楽しくお酒を呑めたことは良い経験だった。色々な人たちと仲良くなれる空間が存在するバーは良いところだなと思った。

先日、友人とキャンプでお酒を飲むためにスーパーでチャミスルを買った。

今、若者の間で人気の韓国のお酒「チャミスル」。よく見たらJINROが販売している商品だった。そういえば上野でJINROの人達とお酒を呑んだなと思い出した。

「毎回ではないけれど、ちゃんとJINROのお酒飲んでますよ」とここで一応アピールしておく。そして何よりあの日の上野のバーでの呑みは忘れられない出来事だ。

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