想像できてしまう行動の限界とサメ

まずは想像してみて？

YOUの目の前にはとってもキュートなカクレクマノミが数匹います。オレンジ色の体でパタパタ羽ばたくように泳ぐ姿が可愛らしいです。

しばらく見ていると不思議なことが起こりました。
中の一匹が、じっとYOUの方を見て、口をパクパクし始めたではありませんか。そのアピールは何秒にも及んで続き、YOUは「なんだろう？」と思いました。

さて、では質問です。
この後、カクレクマノミがとった行動はなんでしょうか？

ということで、
今回はそんな質問の答えになるかもしれへんお話やで。

★★★★★

人の思考を読み取るってムズいやん？

たとえそれが家族やったとしても、人の考えてることを正確に読み取るのはホンマにムズいねん。

YOUが「そこのアレ取って！」とオカンに言われたとするやん。もし目の前に『しゃもじ』と『リモコン』と『マスカラ』があったとしたら、YOUなら何を渡すか考えてみ。

多分その答えは『人によってちゃう』やねん。

オカンが台所で料理してて、YOUがたまたまそこ通りかかって目の前にしゃもじあったらしゃもじ渡すやん。でもオカンがテレビ見てて遠くにリモコン転がってたらリモコンや思うしな。夜の仕事に出かけるオカンやったらマスカラかもしれへん。状況や環境は人それぞれちゃうからな。

何が言いたいかっちゅうと、思考を読み取るには、『その場その場の外的要因』まで読み取らなあかんっちゅうことやねん。

でもな、そんなんいっつもちゃうやんか？
そもそも単純に相手が何考えてるかすら分からへんのに、その上相手の状況まで全部考えて読まなあかんのやで。

そんなんできるわけあらへんやん！

と、思うやろ？
でも限定的に、こんな場合やったらどないやろか。

多目的トイレの中から渡○建が出てきました。数秒後、時間をズラして佐々○希じゃない知らないお姉ちゃんが出てきました。ずっと私にその光景を見られていた二人の頭の中は、今どないな感じでしょうか？

どや？
なんとなく想像でけてしまうんやない？

結局相手の思考を読み取るってのは経験則やねん。赤の他人やったら一切分からへんくても、どこかで聞いた、経験した場面なら、そこでその相手がどんなこと考えてるか、ある程度想像がつくねんな。こんなのを高度に扱って利用してる例が「お医者さん」とかやろか。

はい。
そんなら最初に話を戻そか。

ここまでの話を読まへんかったとして、
最初にYOUはカクレクマノミがどんな行動とったと思ったんや？

カクレクマノミ、やで？

ちっこいちっこい魚、やで？

少しでも、
「何か自分に訴えてる」なんて思った人は、そん時の自分の頭ん中を想像してみ？

もしかして「僕を飼ってほしいとアピールした」とか、「クルッと一回転して可愛らしさを魅せつけた」なんて恥ずかしいこと思ってないやんな？

もう一度言うで。
相手は、ちっこい魚、やで？

これって結局、YOUの経験則が1個も通用しない未知の相手ってことやんか。要は、1個も知らへん脳ミソちっちゃい魚の行動なんて、何の情報もなく分かるわけないねん。

そら明確に答えを出してしまった人もおるやろ。でもこんな場合、正解があると思うこと自体がアレやねんで。もし魚と話ができるなら別やけど、そやないならYOUは意味不明な状況に飲まれて変なこと考えてるファンタジー人間てことやねん。

「これはトリコディナ病かもしれへんな」とか「もしかしてアミルウーディニウム病の可能性も」と経験則から考えたくらいなら全然ええけど、もしこんなんと全然ちゃうファンタジーな答えやったら、多分やけどYOUは日々の生活見直してみた方がええ思うわ。

「あの馬、走る気ぃするで！」とか、
「今日はあの(競輪)選手の目ぇがちゃうで！」とか、
「今日の(パチ屋)店長は気合入ってるで！」とか、

こんなこと平気で言うてへんか？
答えは全部最初の質問と一緒やねんで。

そんなんな、ただ見ただけで分かるわけないんや。

もう1回言うで？
分かるわけないねん。

こんなふうに、分かるはずないことを分かったなんて言うてしまうと、結果的に損するでって話や。どや、参考になったやろ！

ちなみに最初の質問のホンマの答えも教えとこか。

ホンマの答えは、
「慌てて海藻の茂みに逃げて隠れた」やで。

そらそやで。
だって、おのれの背後から腹ペコの巨大サメが迫ってたんやから。そもそもクマノミも警戒して止まってただけやねん。

ワシ、「YOUは水槽の前に立ってます」なんて言うたか？
ホンマはダイビング中で水ん中におって、しかもそこは結構危険な水域で、近くでインストラクターが逃げろてジェスチャー出してるかもしれへんて一度でも想像したか？

もしなんも考えてへんとしたらアレやな。
・・・自分、今頃もうサメに食われてるで？

そんなら、お後がよろしいようで…
ヒヒヒヒヒ