ドイツ語の復習のために、グリム童話を原文で読み配信する試みをしています。
まずは『三枚の羽根』のお話を8回に分けて読んでいます。その6回目です。
王位継承者を決めるため、別の新しい条件を提示された末っ子のとんまと兄二人。父である王様が空に飛ばした羽根を追って、今度は美しい指輪を探しに行くところまでが、前回の配信の内容です。詳しくは、ひとつ前の記事にて。
6回目の配信で読んだ部分を引用します。その下にある日本語は拙訳です。
◇ グリム兄弟の童話集|Die drei Federn(6/8)
まばゆいばかりの指輪を持ち帰ったと思ったら、今度は美しい娘を、とのこと。三度目の正直となるのでしょうか。あるいは、二度あることは三度あるパターン?
ちなみに、『三枚の羽根』を訳す作業をここまでしてきて、感じたことをひとつ。
文章の構造のクセの強さは、この物語の性格ゆえか、それともグリム童話に通じる性質なのか、はたまたドイツ語のもつ特質なのか。苦笑。こんがらがった文章を、日本語に置き換える行為は、難しいけれど、思いのほか楽しいものでした。
たとえば、↑ここ↑の文章。5つに分けて、それぞれを↓直訳↓してみます。
❶にある ab-lassen(相手に対してしつこくかまうことをやめる)と、❷にある quälen(相手に肉体的苦痛を感じさせるほどうるさく迫り困らせる)の合わせ技で、二人の兄たちがどれだけやいのやいの言ったのかが伝わる描写です。苦笑
ということは、王様の心はほぼ決まっているのですかね。末っ子のとんまに王位を譲ることで(三つ目の条件はダメ押しということ?)。さてどうなるでしょうか。
アプリ版『独和大辞典 第2版』(小学館)
池田香代子訳『完訳クラシック グリム童話』(講談社)
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