見出し画像

ぐん税ニュースレター -社会保険労務士の部屋から- バックナンバー 2021年1月号

この記事は2021年1月に発行されたニュースレターvol.17から「社会保険労務士の部屋から」の記事を再編集したものです。法改正などは最新の記事および官公庁の情報をご確認ください。

採用最前線!
採用を成功させるために知っておきたい、
内定辞退を引き起こす要因とは?

やっと採用したいと思える人材に出会ったのに、突然内定辞退となってしまったことはありませんか?面接では話が盛り上がり、雰囲気も良く、お互いに好印象だったにも関わらず…です。実は、採用活動で最もツライのが”内定辞退“です。ようやく掴んだ採用活動の成果と、その人材を採用するのにかけた時間・コストに相当なダメージを受けます。現在の売り手市場では、以前に増して新卒・中途ともに内定辞退が起きているといわれています。
こうした状況の中、企業が採用競争に勝つためは、いかに内定辞退を防ぐ施策がとれるかが重要になります。採用は“結婚”と同じと言われますが、やっと結ばれた相手から結婚式直前になって婚約破棄されないために、今回は内定辞退を引き起こす要因とその対策について、青田努氏の著書「採用に強い会社は何をしているか」より引用してお伝えします。

1.口説き始めるタイミングが遅い

内定辞退の申し出を受けてから対策を講じても、候補者の気持ちを変えるのは至難の業であり、多くの場合手遅れです。ですから、採用担当者は選考過程の序盤から、候補者の志望度を高め続け、自社の魅力に引き付ける仕掛けを行って下さい。例えば、採用に強い会社の面接では候補者の見立てばかりに時間割くのではなく、内定可能性のある候補者に対して、自社の魅力を理解してもらうことに多くの時間を費やしています。

2.候補者の情報が少ない

採用活動は競合企業との情報戦あり、情報が不足していれば候補者の心情を理解できるはずもありません。『候補者が他にどのような会社を受けているのか』『自社のどこに魅力を感じてくれているのか』『どのようなことに不安を感じているのか』など、採用担当者はあらかじめ情報を十分に少ない
収集し、クロージングに向けて準備を整えます。候補者の心情が十分理解できれば、戦い方を考えることが出来るのです。そして候補者・自社・他社の状況を総合的に考え、伝えるべき情報と伝え方の設計をして下さい。ただし、むやみに口説くことは禁物です。

3.採用担当者の技術が不足している

採用業務は巧拙さが如実に表れる仕事です。フロントに立つ採用担当者の技術が拙ければ、なかなか成果には繋がりません。候補者の心を掴むために、候補者が自身の意思決定に納得できるようなオファー理由を伝えることや、内定までのプロセスにおいて候補者と真剣に向き合い、本音の意思疎通をすること、タイミングを計り、時には駆け引きをしつつ必要な時に必要な対
策をとること、そして候補者に安心感を与え、不安を極力減らすことなどのクロージング技術を身に着けている必要があります。

4.内定が軽い

人は、簡単に手に入るものには有難みを感じにくいものです。これは採用内定も同じで、あっさり与えられた内定よりも苦労の末に勝ち取った内定の方が、重みが違って感じられます。ただし、いたずらに選考フローを増やすということは意味のない重みとなり得る可能性があるので注意が必要です。意味のある重みを生むためには、候補者の理解度や互いの本音感、企業の姿勢(真摯さ)、候補者が感じる特別感や期待感などが重要であり、それば候補者と正面から向き合うことで実現できるものです。

5.場当たり的で戦略が無い

人の心情には流れがあり、候補者の心情を想定し、動かし、心の流れをどう導くかを考えます。つまり、マーケティング手法を応用することで採用活動のヒントを得ることができます。候補者とのあらゆる接点を時系列に見通して、採用したい人材と結ばれるまでの一連のストーリーが成立するよう、候補者の心情・認知がいつ、どのような施策によってどのように変わっていく
かを設計することが重要となります。

6.役割分担ができていない

採用する人数や規模感にもよりますが、一人の採用担当者がすべてのフローを設計し実行するのは困難です。特に面接では、担当する面接官の役割分担が重要になります。採用活動に関わる人物の個性もそれぞれ異なるため、採用担当が複数いる場合はチームで採用基準を確認したうえで、役割を細分化し最適な布陣で採用活動に臨んでください。

かなり重要!内定後のフォローを徹底する

内定を応諾してもらったら採用担当者はホッと一息つきたいところですが、
実は内定応諾後に落とし穴があることを忘れてはいけません。例えば、採用担当の油断によって、内定者に対する関心が一時的に低くなることや、他の企業が内定者にアプローチを掛けてくるリスクがあります。また、内定者との接触機会の減少により、内定者の心変わりや動きを察知しづらいという危険もあります。ですから内定後は、内定応諾後の辞退を防ぎ、入社初日を気持ちよく迎えられるようなフォローが非常に重要になります。

社会保険労務士 高橋


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?