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ぐん税ニュースレター RPAバックナンバー 2020年7月号

この記事は2020年7月に発行されたニュースレターvol.15からRPAの記事を再編集したものです。

前回、RPAの特徴を簡単にお伝えしましたが、今回はもう一歩踏み込んで、RPAの導入が適している業務や、どのようなツールがあるのかについてお話ししていきたいと思います。

RPAが得意な仕事とは?

およそパソコン内で完結できる作業であれば、 RPA化することは可能だと思います。 しかし、実際にRPA化する場合、さらに次の2つの条件を満たすものが適している(投資効果が高い)と言えるでしょう。

【1】 定期的に発生する繰り返し作業であること
前回お伝えした通り、RPAのメリットは繰り返し精度の高さにあります。 10回でも1,000回でも、同じ動作を同じ時間で行い、同じ結果を吐き出してくれます。 単純だけど時間の掛かる作業、 毎日のように発生する作業は、 特にRPA化の効果を感じられやすいでしょう。時間だけでなく、社員の心理的負担の低減も見込めます。

【2】 ルール化が可能な作業であること
RPAツールを動作させるには、人が行っている作業を一連のシナリオに落とし込まなければなりません。すなわち、Aの場合は動作Xを行い、Bの場合は動作Y→Zを行う、といったように作業手順やルールが明文化できなければなりません。
例えば、売掛金滞留のアラートを出したい場合、 「ここは危なそうだな」という経理担当者の経験と勘による判断はシナリオにできません。「2か月滞留している」とか 「直近1年間で2回以上滞留が発生した」 といった誰の目にも明らかなルールが必要なのです。

どんなツールがあるの?

RPAツールは大きく分けるとデスクトップ型とサーバ型の2つに分けられます。

●デスクトップ型
・個々のパソコンにインストールし、それぞれのパソコンで実行・管理する。
・小〜中規模のシステム構築に向き、 年間利用料は数十万円~数百万円程度。
●サーバ型
・サーバにインストールし、サーバ上で実行または個々のパソコンから呼び出して実行する。
・サーバによる一元管理が可能で、 中〜大規模の組織的なシステム構築に向いている。
・年間利用料は数百万円〜1,000万円超。

デスクトップ型は比較的安価で業務担当者レベルでも対応可能な製品が多い反面、個々のパソコンにインストールするためシナリオが個々のパソコン環境に左右されたり、管理体制が属人的になる可能性があります。

一方、サーバ型は高価な製品が多く、対象範囲も広くなるため開発段階含めてランニングコストが嵩みがちですが、100を超えるシナリオを動作させることも可能で、業務を横断的に管理できるため全体最適を実現することが可能となります。
どちらが優れているかについては様々な意見があるかと思いますが、弊社のお客様である中堅中小企業の皆様には、デスクトップ型からの導入がおススメです。 専門的なシステム知識のある社員がいないことが多く、何より安価で工数も少なく済むためスモールスタートが可能です。

◎RPAツールは年々増えていますが、 代表的な製品を挙げると次のようなものがあります。

WinActor デスクトップ型 (オプションで中央管理可)
NTTのグループ会社が開発した純国産のRPAツールです。もちろん完全日本語対応で、 国内シェアNo.1と言われています。
【導入事例】 大同生命保険、東京ガス、キリンHD、など

UiPath デスクトップ型 (オプションで中央管理可)
米UiPath社のRPAツールで、ここ数年で国内の導入実績を伸ばして います。小規模から大規模まで幅広く対応可能で、個人や一定の小規模事業者等には無償版も提供されています。
【導入事例】伊藤忠商事、キヤノン、損保ジャパン、など

BizRobo! サーバ型
RPAテクノロジーズ社が提供するツールで、海外の 「Kofax」というツール
を日本向けにアレンジしたものとなっています。こちらも国内での販売実績が多く、小規模向けにBizRobo! mini!というツールも提供を開始しています。 【導入事例】 太陽生命保険、 ブラザー工業、三菱地所、など

Blue Prism サーバ型
RPAの元祖とも言われる英BluePrism社のツールです。グローバルでの販売実績が多く、特にセキュリティやコンプライアンス面でアドバンテージがあります。
【導入事例】 日本航空、 楽天、凸版印刷、など

実際に使っているツールは?

上記で有名どころを掲げましたが、 実は弊社で使っているのはEzRobotという少々マイナーなツールです。 (株)RPAソリューションズが開発しているツールで、昨年4月に製品版がリリースされたばかりですが、会計事務所を中心に導入実績を伸ばしています。
採用理由はいろいろありますが、第一にデスクトップ型で安価であること、第二にサポートが豊富であることが挙げられます。特に、数多く公開されているサンプルシナリオは他社が開発したものが提供されているため、実践的なアイディアを得ることが可能となっています。

システム部 田中


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