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【甲陽軍鑑】話を聞く姿勢で分かる本性

甲陽軍鑑品第四十は石水寺物語として
武田信玄に関するエピソード集のようになっています。

そんな品第四十からエピソードを1つ紹介します。  

話の聞き方で見抜く人柄

戦国時代の名将、武田信玄に仕えた兵法書『甲陽軍鑑』には、侍の資質を見極めるための示唆が多く含まれています。その中でも特に注目すべきは、話を聞く態度に表れる人間の性質についての教えです。子供時代からの態度が、将来どのような人物になるかを示唆しているというのです。 

ある場面で、合戦経験豊富な三人の武士が集まり、武道について話をしていました。その座に四人の子供が居合わせ、彼らの話を聞いていたのですが、それぞれの子供の反応が異なっていました。その子供の反応でどんな大人になるか見抜けるというお話です。

まず、最初の子供は、話し手の顔ばかり見てぼんやりと聞いているだけでした。このような子供は、将来も投げやりで、他人に頼られることがなく、結局は周囲から信頼を失う人間になるといいます。

二番目の子供は、少しうつむいて耳を傾け、真剣に話を聞いていました。このような子供は、将来武勇に優れた侍になる素質を持っており、実際に信玄の時代に活躍した名将たちも、このタイプであったとされています。

三番目の子供は、話を聞いて笑顔を見せ、楽しそうに聞いていました。このタイプは、才能に恵まれ、将来的に武勇の誉れ高い侍となる可能性がありますが、その反面、傲慢さが生じやすく、人から嫌われる危険性もあります。

最後に、四番目の子供は席を立ち、その場を去ってしまいました。このような態度を見せる子供は、将来臆病者になる可能性が高いとされ、さらには他人の功績を妬み、悪口を言い歩くような人物になるかもしれないと警告されています。

『甲陽軍鑑』の教えは、単なる古の武士道の話にとどまらず、現代においても人間観察の一助となるでしょう。話を聞く態度一つで、その人の将来像が見えてくるという教えは、今もなお普遍的な価値を持っています。

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おまけ

新府城本丸での1枚

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