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日本はヘンなところで贅沢なのだ〜イタリアでの就職活動番外編覚書

5月21日付けでFacebookに投稿した内容のコピペ。

最初の記事と語調がいきなり違いますが、記事により変幻自在となる可能性は大アリです。

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イタリアでは箱ティッシュを買うなんて勿体なくて携帯用(しかも日本製のように洗濯したら超悲惨、な目には絶対遭わない頑強この上ない頼もしい奴。さらに4層になった1枚1枚を丁寧に剥がして薄い一枚づつを出し惜しむようにチビチビ)だけ時々使い、基本鼻を噛むのもトイレットペーパーだった。家の電気は省エネのために6個あれば半分は電球無し、の家もざらだったのがイタリア。というか私の知り合いの範囲では北も南もそんな感じ。
ゴミが日本のように大量に出ていた記憶もない。市場があったし。

修復学校を卒業して修復士の仕事も探しつつ、生きながらえるために職安に行ってみるか…と、ローマの辺鄙な荒寥とした光景の中に建つ職安に行き、帰りに再び(ナンニ・モレッティのパゾリーニに捧げる映画「親愛なる日記」を若干彷彿とさせるような)辺鄙な郊外のバス停でバスを待っていたら、フィリピン人のおじさんがやってきて二人で無言でバスを待った。


そのうち陽気そうなそのおじさんが「シニョリーナ、ガム食べる?」と話しかけてきた。確かガムは固辞したが、そのうちキミはどこの国の人か、なんでこんなところにいるのか等々聞かれて二人で話し始めた。


「ええ、日本人?羨ましい!うちの親戚はみんな日本に行ったよ!なんでオレだけイタリアなんだ。行けるものなら日本に行きたいよ。イタリアで仕事するより日本に帰ったほうがいいだろう?物好きだな(´⊙ω⊙`)」

と、おじさんは行ったこともない日本への愛を語り始めたのだった。


あまりに恐ろしく辺鄙な場所だったので結構最初は恐怖感も隣り合わせだったのだが、そのおじさんは本当に世間話がしたいだけだった善良なフィリピン人だった。そうだ、結局ガムは貰ったんだ。バスの中でもずっと噛んでたような。

イタリアでは渋滞で(主には信号で)車が止まると、車の合間を縫うようにバングラデシュ人のお兄さんがよくティッシュだライターだと売りに回る。その顔がまた、人生こんなに楽しいことないよというぐらい楽しそうに空中にくるくるティッシュを回しながら仕事をしてるものだから、あー悩むのもバカらしいな、楽しんだほうが得だなとよく思ったものだ。


今でもあの楽しそうな様子を時々思い出す。

あのフィリピン人のおじさん、今どこで何をしてるのかな。

なかなか陽気なバングラデシュ人のお兄さんのようにはいかず、結局はお気楽から1億光年ぐらい離れたイタリア生活をしていた自分だった。
でも懐かしい、大切な思い出。


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