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こんな時、どうしたら???No8「すぐ、嘘をつく!」

いつもお読みいただきありがとうございます。
第8回目「こんな時、どうしたら???」は

「すぐ、嘘をつく!」です。

「また~!」「「また、誤魔化す・・・。」と怒られている子ども達の顔が思い浮かびそうです。

今回も、どんな子ども側の理由がかくれているのでしょうか?

《よく見られる状態》

・ついさっき、したばかり、見ていたのに、「やっていない」とウソをつく
・状況を確認するまでもなく、見ていて明らかなのに「違う。やっていない」という
・対人トラブルが起こり、介入して状況を確認するけれど、「知らない」と事実を否定する
・何が起こったのか、どうしてこんな事になったのか等を聞いていると、どんどん話がかみ合わなくなって、はじめに話していたことと違うことを言い出す(話がコロコロかわる)
・どう見ても聞いていたし、聞いている姿勢も取れていたけれど「知らない」「聞いていない」という
・その場では、事実確認があり、事実であったと確認し、反省したのに、数日たって、落ち着いて話を聞くと全く違う状況になっており、本当の状況が分からなくなる。

・・・などなど。

《原因》

・大人側が確認している状況自体が思い込みやこちら都合の受け取りで、そもそもそのような意味を持つ行為として子ども側は言動に移していない(状況理解の相違)
・”やった”といわれている行為が、そもそも違っていて、見た側のみかたで話が進んでしまっている
・衝動的に言動に移し、また、移し終わって過ぎ去った事柄なので記憶にない
・なんとなく、怒っている表情に圧倒されて、頭が真っ白になり、取り繕って話を合わせた結果
・全く違うことを考えていたのに、突然何かを言われて驚いたから、思わず返事をしてしまっただけであった
・口頭での説明が上手にできない状態を理解されず、話の途中で要約するように大人側から言葉をはさまれるために、何を説明していたのかすらわからなくなった。
・今までの経験で、「大人が何か怒っているor謝りなさいと言っている時には、話を合わせて”すいません”といった方がいい」と学んだ結果とりあえず対応したけれど、話がかみ合わない状態になっている
・表面的に口に出してしまった言葉からは、一般的に受け取られる内容で受け取られ指摘や指導が入ってしまったが、本当は、子ども本人はそのことが言いたくて口に出したセリフを言ったわけではなかったという事実が別にある

《対応》

Ⅰ、大人側が確認している状況自体が思い込みやこちら都合の受け取りで、そもそもそのような意味を持つ行為として子ども側は言動に移していない(状況理解の相違)
・”やった”といわれている行為が、そもそも違っていて、見た側のみかたで話が進んでしまっている
→2つとも共通するのは、「大人側の状況理解と、子ども側の状況理解のズレ」ですよね?この場合には、一旦落ち着いて、①から順番に対応しましょう。
①状況を再現し、子ども主体で話せるように「ね?さっき、お母さんがここにいたよね?その時、〇〇くん、ここにいたよね?」「その後、何をしたっけ?」「で、どうしたっけ?」「この~というのはさ、なんでしたの?」と状況を確認します

②「ん?」という状況説明であっても、一旦共感します。
「なるほどね~」「ってことは、〇〇くんは、~だったから、~をしたってこと?」

③次に一般論で大人側から見ると、一般的にはどのように受け取られる状況であったのか説明します
「〇〇くんのさ、~の時に~するってことはね、実は、他の人から見るとね、ただ、~した。という風にしか見えなくて~なんだって受け取られるんだけど、知ってた?」
*あくまで、感情を抜きにして、知らない人に、実はこんな風に見えて、こんな意味を持つらしいんだけど、知っていたのか?という姿勢で聞きます。↓
④この辺までくると、子ども側も「えっ?そうなの?そうだったの?そんなつもりはなかった・・・」となっていると思います。
でも、ここで、もう一息落ち着いて、この一般論で解釈をするとすれば、あなたが謝らなくてはならない立場であったり、あなたの物の言い方自体がすでに誤解を生んでいるということを伝えます。あくまであなたに悪気は全くなかったのは理解していると
「ってことはね、〇〇君は~をしたことになっているし、~を言ったことになっているんだよね。」「でもさ、そんなこと知らなかったよね?」

⑤素直に、状況理解の相違を認め、視点が違ったんだから仕方がないということに対しても受け入れた上で、謝る必要があるものに対して、「形だけでいいから」謝るという行為をする必要があることを話しあいましょう。

Ⅱ、衝動的に言動に移し、また、移し終わって過ぎ去った事柄なので記憶にない
→これも上記には似てきます。が、衝動的に言動に移しているために、実際にやってしまったことに変わりはないので、今回は一旦、状況を再現、その後、その際に何が起こったのかを見せる、どう思う(どう感じるか)聞く、どうしたらいいか確認して解決をすることになります。

Ⅲ、なんとなく、怒っている表情に圧倒されて、頭が真っ白になり、取り繕って話を合わせた結果
→一旦距離を置いた方がいいと思います。しかし、距離を置くというのは、大人側がこれ以上情報を出しても頭が真っ白になっているため、入らないから。という理由ですから、こちらがつたえたかったことを、これも同じになりますが紙に今までの経緯を全て短く書いて「今は頭が混乱していると思うから、読んでね」と置いて立ち去ります。

「①誰が何をしていました」
「②誰が何をしていた所に〇〇が~をしました」
「③近くで見ていた人からは、〇〇が~をしたように見えたので、~と言いました」
「④~という言葉(うごき?)は周りの人から見ると~という意味を持つので~と怒りました」
「⑤ここまでが、今起こっている事です。」

*注意点ですが、状況を箇条書にして渡すこと、その後、状況を理解してからどうすればいいのかについてのヒントも加えておくことが必要です。
例)「今からできること①謝る②「いや、~が~で~だった」とわかってもらえるように話す・・・・」

状況によっては、また、年齢によっては、これだけの対応をしても、”わかっていて知らん顔をする”場合があります。
その場合には「今からできること」の選択肢の中に「③知らん顔をする(これをすると、相手の怒り度があがり、ますます怒られることになる)」などのように見通し&相手の心情の動きが分かるように示しておきましょう。

Ⅳ、・全く違うことを考えていたのに、突然何かを言われて驚いたから、思わず返事をしてしまっただけであった
・表面的に口に出してしまった言葉からは、一般的に受け取られる内容で受け取られ指摘や指導が入ってしまったが、本当は、子ども本人はそのことが言いたくて口に出したセリフを言ったわけではなかったという事実が別にある
・今までの経験で、「大人が何か怒っているor謝りなさいと言っている時には、話を合わせて”すいません”といった方がいい」と学んだ結果とりあえず対応したけれど、話がかみ合わない状態になっている

→受けた返答の意味を解説します。「今の、~というセリフは~な時に使うセリフで、今回でいうと、~ということを言っていることになるけれど、合ってる?」とセリフの使い方があっているのか確認します。
「あ!いや、違う!」と返答があれば、「~と言いたかったのかな?」とこちら側が予測できる言い訳のセリフや説明のセリフなどを提示して、「どれが言いたかった?」と選択肢から選びなおさせてあげましょう。
選びなおせたということは、本当はこう言いたかったということですので、「なるほどね」で話を終わらせて下さいね。

「じゃあなんで、さっき、~なんて言ったんだ!」なんて怒って、とっさに出てしまったセリフについて言及することのないように気をつけましょう。

Ⅴ、説明が上手にできない状態を理解されず、話の途中で要約するように大人側から言葉をはさまれるために、何を説明していたのかすらわからなくなった。
→今までの対応を一からする必要があるかもしれませんね。少し、一呼吸おいて、Ⅰで説明した対応を順番にしていきましょう。

いかがだったでしょうか?

いかに、大人側って自分たちの思い込みで物事を解決したがるか・・・ちょっと耳が痛かったのではないでしょうか?
責められているなんて思わないでくださいね。これくらい、発達障がいの子ども達の視点って、予想外の所にあるんです。
屁理屈に見えたり、ごまかしにみえたり、色々感情的にはフツフツとするようなことが起こるのですが「はいはい~きたよ!これ!!」「また、こんなこと言っちゃって~、実は違うのにぃ~」なんて

少し温かく見て落ち着いて感情を抜きにして淡々と対応してもらえると、助かるなと思います。

長文になりました。でも、お読みいただきながら「うっそ~」なんて、少し世界を知って頂けたら嬉しいです。
私は、説明していて、とてもワクワクしましたよ。
きっと、お読みいただけた方が、今からやってみて下さることを考えて・・・。そして、「そうなんだよ!誰もわかってくれなかったんだよ!」と子ども達の信頼が増えてくれることが嬉しくて。

ありがとうございました。

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