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週刊小売業界ニュース|2024/1/8週

2024/1/8週(昨年12/31-今年1/12)にピックアップした小売業界ニュースをお届けします。今週のおさらいにぜひどうぞ!


リテールメディア市場は成熟するか 「ファン化」が鍵 - 日本経済新聞

リテールメディア、小売りとメーカーが協力して購買データを活用する広告・販促サービス、が成長している。これにより、個々の消費者に合わせた広告配信が可能となり、効率的なマーケティングが実現。日本でも大手小売店が参入し、市場が活性化している。この動きは小売りとメーカーの売り方に大きな変化をもたらし、消費者行動の変化と市場の活性化を促している。

担当者による要約

2022年にバズワードとなった「リテールメディア」。

広告配信事業を行う電通グループ企業、株式会社CARTA HOLDINGSによれば、日本におけるリテールメディア広告市場は、2023-2026年比で約3.5倍に伸びると予測されています。

現在注目の的であるリテールメディアとは、何なのでしょうか。

リテールメディアとは小売店が運営するECサイト上の各種オンライン広告や小売店の店舗に設置されたサイネージ広告などに見られる、「小売店が媒体社として提供している広告媒体」です。

今注目のリテールメディアとは』(電通報)

リテールメディアの活用により、メーカー等の商品をPRしたい企業が、小売事業者が持つ「1st Partyデータ」を活用して、顧客のターゲティングおよびオンラインでの広告配信や店舗での販促活動により、顧客に購買を促すことができます。

身近なリテールメディアの例では、FamilyMartのレジ上でデジタルサイネージが広告映像を流しているのを見たことがありませんか?
「FamilyMartVision」と呼ばれるこれは、商品の広告やエンタメ情報などを配信しており、一部の宣伝商品は売上が10%強向上したとされています。

近年になり、このリテールメディアが注目されている背景として、上記のような形態で広告を訴求できる技術インフラが成熟したことに加えて、個人情報の取り扱いの厳格化があります。

個人情報漏洩などのデータ侵害に関する問題が増加したことを受け、個人情報の保護を目的に、検索ブラウザ各社が外部Cookieの廃止を進めていることは皆さんご存じかと思います(Safariはすでに廃止、Chromeは2024年後半に廃止予定)。

広範かつ柔軟に顧客データを得づらくなったことをうけ、企業が取得している顧客データの活用に注目が集まっているなど、リテールメディアは現代に則した広告形態と言えます。

加えて、顧客情報の質や、顧客に直接アプローチして販促を行える点も、リテールメディアが支持される要因です。

小売業者たちは、ホリデーセールの返品商品への対応に備える - WSJ

全米小売業連盟によると、昨年の統計では、オンラインや店舗で購入した商品の16.5%を返品し、その額は8170億ドル近くに達することが判明した。これは2019年の返品率の2倍という計算。過去 4 年間で、パンデミック中にオンラインで買い物をすることが増えた消費者は、例えば自宅で試着できるよういくつかのサイズや色を注文して要らなかったものを返品することに慣れているなど、買い物習慣の変化により返品の量が急増している。

担当者による要約

Eコマース業界は、顧客の購買体験をストレスフリーにすることを目指し、それが業績向上につながることを常識と捉えてきました。

実際、Shopifyに返品プラットフォームを提供している米Loop社の調査では、「買い物客の73%が定期的に返品ポリシーを確認し」ており、また「箱なし返却といった返品オプションを希望し、それにお金を払う」ことが明らかになっています。

しかしここ数年、売り手側の想像を超える顧客行動に、業界が対応を迫られています。

コロナ禍でECでの買い物に長けた消費者は、例えば試着用にいくつかのサイズや色の商品を注文し、要らなかったものを返品することに慣れており、返品の量が急増しているとのこと。

アメリカのある小売商品物流センターでは、
(以下、ピックアップ記事より引用)
「配送料、倉庫保管料、人件費が追加されるため、販売業者が 100 ドルのオンライン注文の返品に対応するのに約 27 ドルの費用がかかると見積もっています。」(担当者訳)

このような流れを受け、今年のホリデーシーズンでは、一部のアメリカ小売り大手で返品ポリシーの厳格化が見られました。

・アマゾン:これまでは10月上旬~翌1月末までを返品期間としていたところ、これを3週間短縮し、11月頭~翌1月末までとした。
・メイシーズ:同社のロイヤリティプログラムに加入していない顧客には、オンライン注文商品の返品に$9.99を請求(店舗購入品の返品は引き続き無料)。
・ベストバイ:商品が開封されている場合、返品手数料を請求。

「カプセルコーヒー」に着目…韓国 東西食品、売り上げ停滞から脱出し再始動

東西食品は来る18日新規カプセルコーヒーマシン「カヌーバリスタペブル」を発売する。昨年2月、「カヌーバリスタアーバン」と「カヌーバリスタブリーズ」を発売し、カプセルコーヒー市場に進出してから約1年ぶりの新製品発売だ。健康を重視する消費が広がり、砂糖や着香料が入ったインスタントコーヒーの消費が減少し、一方でカプセルコーヒー市場が拡大している状況に乗る試みだ。

担当者による要約

KB金融経営研究所の調査によると、韓国の成人1人が1年間に飲むコーヒーの量は353杯に上り、世界平均である132杯の約3倍にもなるそうです。

またコーヒーショップやカフェの売上高は、米国や中国に続く3位にラインクインし、人口差を考慮すると、韓国人がいかにコーヒーにお金を費やしているかが分かります。

韓国ではこれまで、お湯を注ぐインスタント製品や、シンプルなドリップ式が主流でした。
しかしコロナ禍により、本格的な味を楽しめるカプセル式コーヒーマシンの売上が伸び、巣ごもり期間を楽しめる本格派マシンが脚光を浴びた形です。

消費量の多い欧州の国々でも、すでにカプセル式マシンの利用が主流になりつつあります。
湯沸かしや専用機器を用意する手間をかけずに、味にこだわりたい消費者の間で強い人気を獲得してきました。

一方、現在の日本では欧州・米国・ブラジルに次いで消費量が多いが、カプセル式の普及率はいまだ数%にとどまっています。

「カプセルコーヒー市場は、2028年まで年平均成長率20%で拡大していくとUCCは予測しています。 消費量全体が増え、消費大国ではカプセルコーヒーが段々と広がっている現状があります。」

『カプセルコーヒー』日本で普及なるか UCCが開拓に本腰

日本市場の成長を見込み、UCC上島珈琲は2023年9月26日、カプセル式コーヒーマシン「DRIP POD YOUBI」を発売、大手:ネスレ・ネスプレッソに巻き返しを図る形です。

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