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星の言葉_軌跡_大澤壽人を讃えて 作品1
曲名:星の言葉/軌跡-大澤壽人を讃えて 作品1 Title: Star words / Trajectory -in honor of Hisato Ohsawa Op.1 作曲:Koukyu Monden (Edward Denby) ピアノ独奏:Michiko Narita (解説) ベートーヴェンをも凌ぐ偉大なる楽聖・大澤壽人は1953年10月28日に天に召された。 2023年は没後70年にあたり、尊敬してやまないこの作曲家に対し捧げる曲を書こうと思った。 タイトル中の「星の言葉」とは大澤の逝去直後に出版された『ABCホームソング集』(朝日放送刊)の巻頭において、当時の朝日放送社長である原清 氏が大澤の音楽を「星の言葉」と表現し追悼したことに由来する。 また、「軌跡」は大澤を音楽界という巨大な夜空に燦然と輝く星に見立て、その足跡を讃える意味、そしてこれまで作曲家の研究に対し多大なる貢献をされている大澤資料PJ「煌めきの軌跡」に対する賛辞も込めてこの言葉を付した。 曲はアーチ型の小ロンド形式とでもいえる形をとり、A部分は大澤のピアノ協奏曲第3番における主要な音素材(変イー変ホーヘ)と、ピアノ協奏曲第2番のエッセンスを借用して始まる。 B部分は上行音型の伴奏に乗ってメロディが流れ、雰囲気を保ったまま中間部としてのC部分に入る。ここでは一瞬の盛り上がりを見せるがすぐに静まり、再びB部分へ移るがメロディは途中で断絶(大澤が召されたことを暗示)し、A部分に回帰して冒頭の「変イー変ホーヘ」を鳴らして終曲する。