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【Vol.30:グラヴィスお話会(2023年3月某日)レポート① 】

代表の妙子です。

2023年3月某日、グラヴィスルームにて『グラヴィスお話会』が開催されました。
グラヴィス研究会主宰の岩城安宏が、なぜ自己調整なのか、なぜ帯なのか、なぜ重力調整と言っているのか、などなど、グラヴィスにまつわる内容を様々な角度からお話させていただきました。

当初私は「ブログでのレポートは内容を厳選して、ポイントをまとめたものを記載しよう」と考えていたのですが、文字に起こした結果、どの内容も重要で面白く・・・これはほとんど削れない!全部繋がっているなぁ、と何ともグラヴィス的な結果に🌈

そういう訳で、長文なのですが読み応えのある、充実した内容となっています。

ぜひご覧下さい✨


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僕は昔、大島紬の図案師という仕事をしていました。
最近奄美大島が有名になって、テレビをつけると結構出てくる。

何故そうなっているかというと、世界自然遺産。
世界遺産登録となると観光客が増える、と昔から言っていたけれど、いわゆるIターンの人も結構いるんですよ。

人の交流もネットが無かったら今のように盛んにならず、奄美に行って仕事を探すのは大変だけど、今はそういうことが気軽にできる。気軽にIターンして、そして2、3年勤めて、また他のところに行くと。

自分が働きたい場所で働く、そして楽しみながら働く、奄美の自然が素晴らしいからそれを楽しみながら、マリンスポーツをやりながら。

 
僕の経験から話すと、ある紬業者と知り合って、奄美の田舎の方に住んでいる人で、僕の家は奄美の東京・・・市内というか。だから田舎のように人間関係は濃くなかったんですよ。

その知り合った人が、今日は「焼肉をする」というニュアンスで「肉食べに来い」と。
初めて伺うから、ギリギリに行ったら申し訳ないと思って、ちょっと早めに行った。

そして着いて尋ねた、「親父は?」と。
そしたら「浜にいる」。
何をしているんだろうと思って覗きに行ったら、なんと牛一頭解体していて。屠殺場も当然あるんですよ。

そこの集落は、初めての人をもてなす時に、そうやって牛一頭解体するということを後から聞いて知ったんだけど、それを自分たちでやっている。
びっくりして海に降りて行ったら、「お前もやってみるか?」って。
そんなことやったことないから、包丁の使い方とか、どこの部分をどうやる、とか教えてもらって、とりあえずやってみた。

でもね、それでその肉食べられますか?今まで生きていたものが肉の塊になって。
それを「どうぞ」と言われても、喉を通らない。
もうそれだけでも笑い話というか。
 
その紬業者の庭は、ものすごく立派なんですよ。いろんな石があるわけ。
これはすごい、どれぐらいお金がかかったんだろうと聞いたら、「いや、この石はあの山。あの石はあの山。」つまり自分でユンボで行って、取って運んできて設置しているという。自分で勝手に作っていた。これもびっくり。

つまり彼の家は、縁側にしても庭にしても、ほとんど全部本人が作って全体の管理をしている。彼らは別にそれを当たり前としてやっている。

こんな小っちゃな島にも、これだけ驚くような発見があった。
 
そして、どんなに偉い人が来ても別に普通。忖度が一切なし。
「そこに座って食べろ」と。例え町長が来ても、誰が来てもそんな感じ。
すごくフレンドリーなわけ、全く差別がない。

昔からその集落はそういう習慣だから、何か自分のところに手に入ったら、みんなに分ける。お金なんか関係ない。

お前たちとせっかく知り合って歓迎しているんだから、もっと食えと言われたけど、もう食えない。
じゃあ持って帰れって、すごい肉の塊を持たされた。
本当にあれは強烈なもの、自分の人生の中でも。


静岡も集落というか、そこが狭い空間であればあるほど、絶対にそこ独自のものがあると思うんですよ。
ところが都会に住んでいると、そういうのは全く関係なくて、他人と自分とを完全に分けるよね。

でも静岡の山間部だと、例えばお茶の収穫とか農業とかがあると、みんなが力を合わせて何か協力するのは当たり前になっていたでしょう?

Kさん:うちなんか、本当に近所のおじさんが全部やってくれている、みたいな感じですね。

岩城:その近所のおじさんは、あなたの家族の名前とか、歳とか、どういう関係性とか、ある程度知っている?

Kさん:うん。ある程度、もちろん。

岩城:だからそういう関係にならないと、その集落で生きていけない。都会はそんなことない。完全に別です。隣の部屋で何をやっているか、全然分かんない。そういう人たちが奄美に住むと、どうなるか。
 
奄美の集落は、誰か周辺に引っ越ししてきたら、「こんにちは」も何も言わず上がり込んでくる。そして、「片付けとか手伝うよ」と。「何やる?」、それが当たり前なの。
 
結婚したら、その日に隣近所からワイワイ家に入って、酒飲んで食べて、全部そのまま。
でも後で奥さん達が来て、次の日に片付けてくれる、自分がやる仕事はないぐらいキレイに。
おっちゃん達は「じゃあね」って帰っていく。なかには、部屋でそのまま寝てるやつがいる。

こんなことが365日続いたら、どうなりますか?東京の人だったら、同じ日本人であっても、全く違う人種と感じる。
東京から来た奥さんが、半年持たなかった。三ヶ月たった、帰った・・・。こういう話はいくらでもある。
 

しかし今はちょっと変わってきた。

これまでは敬遠されたような集落の生活スタイルに、ものすごく違和感じゃなくて、不思議というか魅力を感じて、集落に住む。

集落の人たちと色々とワイワイやって、そして今まで自分が持っていた人間関係よりも、ものすごく深い人間関係を味わうことで、だんだん人間性というか、そういったものが回復できてくる。
そして海に入る、山に行く、そういう自然の中で暮らしているうちに、2、3年すると、すごく身体を病んでいた人が勝手に治っていく。
そういうことはあるそうです、よく話を聞きます。

 
 
これ(大島紬の端布、写真①)、よく見るでしょう?

写真①:大島紬の地と絣


12.5mだいたい。点点点があります、これをかすりと言うんです。

つまりこの点点点は、糸を括って染料が入らないようにして、そのまま縦糸を全部まとめて締めていく、絣を作って。そして黒の部分というのは。地と絣によって柄が構成されていて、同じものが実は繰り返されるんです。

連続模様を最初に計算して、そして絣という点点を全部図案上に落とし込んでいくんです。
その図案を元にして加工が始まる。つまり作っていく織物の作業工程を全部指示するんですね。
 
調整と言って、つまり形を整える。
絣をどんどん織っていくと、ちょっとずつズレますから、縦糸と横糸を調整して、また織っていく。
織りながら調整していって、約半年から一年ぐらいかけて、一反織る。

大島紬の加工(締機)の様子

だから大変な作業になるんだけど、織り手は普通のおばちゃん。
そのおばちゃんが、こういう高度な数学の世界を全く理解してない。すべて経験。
そして名人と言われる織り子さんが織ると、この絣と地の調整が実に見事なんです。
柄がぴったり合うし、そして全体がしっとりして、整ってくる。
グラヴィスをやった時に、なんかしっとりしてきますよね。全く同じような感覚で織り上げているんです。

だからこの紬を見て、僕は驚いたの。
図案を自分が書いて、そういうことを知っていくと、誰が考えたの?いつ考えたの?どうしてこれができるようになったの?と疑問だらけです。

その疑問だらけを、紬の先輩とか、いわゆる先生に尋ねて、自分が思う疑問を言うでしょう。でも「知らん。」それで終わり。紬組合の理事長という、偉い人に同じ質問をして「知らん。」と言われて、喧嘩になったんだけど・・・。 


結婚する時に仲人いるでしょ?僕の頃はあった。
でもね、「仲人」って名前だけのおじさんだった、ただの酒飲み。
そのおじさんのところに行って、飲みながら同じことを言ったら、彼は「それはお前の疑問だろ。そのことを他人に聞いて、腹を立てるお前がおかしい。」すごく明快に答えた。

つまり、自分が疑問に思って「分からん」となったら、自分でその答えを見つけろと。そしてその事を人に教えろ、ということを、私は20代の時に言われた。
ただの酒飲みだと思っていたけど、初めてその時「いいこと言うな」と思って。
それが島を離れるきっかけになった。島じゃ誰も答えられないし、図書館に行っても大体本は決まっている。文献もないし、だから島をその後離れた。

そして答えとして作ったのがこれ(写真②)。いわゆる帯。

写真②:グラヴィス帯


その前に『調整』ということが、すごく頭を離れなかった。
なぜかというと、『地』という見えない世界があって、『絣』という見える世界を調整していく、と思った時に、僕らの身体のことじゃないかな?と。
 

そういう事をキッカケに、僕が治療という世界に一時身を置いたから、どこのバランスが悪いという事を情報としてキャッチすることができた。
そしてそのバランスの狂いを、『他人の僕が他人の調整をする』、これが問題だった。

つまり身体というのは、自分で調整ができる。
織り子さんは紬を織りながら自分で調整できる。だから無理なく仕事が続けられる。この織っている人と調整する人が違ったら、大変でしょ?

織っている本人、つまり『自分が自分の身体の調整をする』、それが最も理にかなっているし、実は身体というのは、地と絣に似ている。
これは大島紬の例え話だけど、見える部分と見えない部分があって、そして織手が自分で調整をする。
 
絣が狂っているようにバランスが崩れ、病気というのはだんだん自分の中に詰まりとなって、臓器に現れてくる。それを病気と呼んでいる。
そういうことが、だんだんわかってきたんです。
だから病気になって病気を治そうと思うより前に、バランスの調整を自分でやる。
それは織り子さんが分かるように、自分で分かります。
「あ、なんとなく柄が合ってくる」と。フィットしてきたのは、身体の問題よりも周りの環境。
環境とのズレが合ってくると、不思議と身体の不調がだんだん無くなってくる。
環境との調和もあるし、それから人間関係の調和もあるし、時間的調和もある。

 
心のバランスが狂うと、身体に現れてきますね。でもじゃあ「心を出してください。ここに。」これはできないですね。
そのように日常の中で私たちは、『見えるもの』と『見えないもの』のバランスを整えることが大事、だという事がものすごく分かっています。
 
身体がおかしい・・・、じゃあどうします?
ほとんどが病院に行きます。つまり『他人に任せる』。

それを紬で例えると、自分自身の生活として『織っているもの』を持っている人は、調整役というか医者、紬で例えれば加工業者に行って、「あの調整をやってください」とは頼みません、絶対。
 
最終的に自分の心と身体を持って、環境の中で生きて行くのは誰ですか?
 
例えば、息子さんであっても、その息子さんは息子さんの人生を歩む。
だから、そこに親が介入することはできません。いのちが違うから。
『自分で調整する』ということ以外にないんですね。

でも調整ということを、ご自分が知らなかったら教えようがない。
だからよく新しい環境にいく子供に、「先輩や会社の人の言うことを聞いて、頑張るんだよ」と言いますけど、「自分の身体をちゃんとバランス調整するんだよ」と言って送り出す親がいると思いますか?
残念ながら、自分が分からない事は人に伝えられないんです。


■続きはこちらから↡ 


 
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■グラヴィス研究会設立者:岩城安宏のブログページ⇩
岩城安宏(Yasuhiro Iwaki)|note

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