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行く道を探す

日本は比較的バリアフリーが進んだ国だとは言われるが、当事者からすれば不便なことも多い。歩いていけば5分で済むところ、遠回りしたあげく、歩いて行ける人には屋根があるのに、なぜか車椅子ユーザーや歩行困難な人は屋根がなく雨に濡れてしまうようなルート設定がなされていることは少なくない。施工主や設計者になぜ?と尋ねたくなることが何度あっただろうか。


だから、はじめて行く場所や、久しぶりに行く場所は必ずルートを調べておく。ただし、きっちり調べてもその通りにならないことも多く、ある程度のところで事前調査は終わらせておく。その分、移動のために確保する時間は非障害者の3倍程度を見積もっておく。

いろいろと不便な点はあるが、基本的に地図を見たり、路線図を見るのが好きだ。
特に方向感覚に優れているわけではないが、子供の頃から地図は好きだった。一時は見るためだけに地図を買ったこともある。(昔はネットの地図なんてなかったからね)

父が存命中、私たちは2人でよく車で旅行をした。まずは2人で目的地を決め、それから、どこを見たいか、何を食べたいか、どう回るか、旅行雑誌などを参考に具体的に計画を練る。ルートの決定には、実際に運転する父がかなり関与したが、事前に地図を見ながら行く先を想像をするのが一番楽しい時間だ。目的地では、私は地図を片手に父のナビをしたが、私のナビはポンコツで、しばしば地図は私と父の間を往復した。

そんなふうに、自分で計画を作って実行するのが好きだ。父亡き後は旅行など出来ないが、週に1度の外出をどう過ごすか自分で決めて、ヘルパーさんにはそれを実現させるためのお手伝いをしていただく。コンビニにさえ自分で行くことは出来ない私にとって、毎日自分ひとりで外出できることがどんなに幸せなことかと羨ましい。
しかし、私の外出は、何日も前から行先やルート調査、何を観て、何を食べ、何を買うか、考えて、まるで旅行するかの如く幸せが凝縮している。
計画通りに行く日も、思わぬアクシデントに見舞われる日もある。
それでも、私は自分で考えて実行していくのが好きなのだ。
誰かに決められた旅ではなく、誰かが作った安心安全な道ではなく、自分がしたいようにする。
私の人生の行く道を探すように。


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