見出し画像

私にはその価値があるから

今日の記事のネタと構成を練っていて、ふとあるCMを思い出した。

「あなたにはその価値があるから」

CMの最後にこう言う。
調べてみたらロレアルのCMだった。

先日、誕生日の散財祭り最後のイベントとして、帝国ホテルでフルコースランチと初めてのフェイシャルエステを受けてきた。

クレジットカードの会員特典でずいぶん前から案内が来ており、行ってみたいなと思っていたので、せっかくのチャンスに思い切って行ってみることにした。

帝国ホテル ラ・ブラスリーの「帝国ホテル伝統のフルコース」というメニューだ。エリザベス女王も召し上がった海老と舌平目のグラタンや、ロシア人オペラ歌手 フョードル・イワノビッチ・シャリアピンのためにスキヤキをイメージして創作されたシャリアピンステーキなどがいただける。
どれも完成度が高く、歴史を感じられる1品1品であり、フランス料理のいわゆる”ソースべたべた”なイメージからはほど遠い、日本人でも食べやすい大変美味しい料理だった。


会員特典で少しお安くいただけたものの、ヘルパーさんをお誘いするのは憚られたため、私ひとりでいただくことにした。
ひとりで食べることこそ今回の目的だったかもしれない。

お喋りをしながらワイワイ食べるのも好きだが、私はひとりで好きなものを心置きなく自分のペースで食べるのが好きだ。
少し値の張る飲食店で、年配の女性がふらりとひとりでやってきて、サッと食べて帰っていく姿を見るとカッコいいなと思う。
ラ・ブラスリーの店内をぐるっと見渡すと、ひとりで食べている人は私を含めて3人、全員女性であった。
そのうちの1一人は年配女性で常連らしく、足が少しお悪いようだったが、終始凛とした大人の女性の品格や風格をもった方だった。

ギャルソンは私によく「お楽しみください」「楽しまれましたか」という言葉をかけてくれた。
そうだ。食事は楽しむものだ。
いつもは「こんな美味しいもの、あの人に食べさせてあげたいな」なんて思う私だが、目の前の料理は私だけの特別な味となり、食事中私は誰も思い浮かべず、ただただ美味しい料理に舌鼓をうち、楽しい時間を過ごした。

食後一休みをしてから、やはり帝国ホテル内にあるゲランでフェイシャルエステを受けてきた。
予約をしたものの、部屋の広さや車椅子からベッドへの移乗など、施術を受けられるか行ってみないとわからない状況であったが、無事施術を受けることができた。

薄暗い部屋にスムーズジャズのような音楽が音量を絞って流される。
温かいスチームが当てられ、軽いピーリングの後、凝り固まった頬をグイグイと押される。
私の顔の筋肉はそれを心地よいと感じるレベルではまだないようだったが、60分程スペシャルなケアをしていただき、卵肌での帰宅となった。

「私はそんな贅沢をするご身分ではない」
時折人からこんな声を聞く。
自分をケアできるのは自分だけだと思うし、何よりも自分で自分の価値を下げてはいけない。
ちょっと頑張れば手に届く金額、それで気分が上がるなら、年に1回くらいこんな贅沢をしても良いのではないか。
そんなことを思いながら1日のほぼ大半をひとりで過ごした。
だって私にはその価値があるから。
あなたにもその価値があるはずだ。


#毎日note
#note
#日記
#障害者
#車椅子
#身体障害者
#帝国ホテル
#フルコース
#ランチ
#エステ
#ゲラン
#誕生日

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?